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週刊ダイヤモンドの予想を裏切り、読売、朝日、日経の共同ポータル「ANY」は不発?

2007年09月27日

先週発売の週刊ダイヤモンドによれば、9月25日は三大新聞の読売新聞、朝日新聞、日経新聞が、共同でポータルサイトを発表する「X day」となっていました。情報源は、『“勝ち組三社”が提携しても描けぬ収益増のビジネスモデル』(週刊ダイヤモンド 2007年9月22日号 50~52ページ)です。

今秋、これまでの日本の新聞業界では考えられなかった提携がありそうだ。

読売新聞、朝日新聞、日経新聞の三社が、インターネット上で共同プロジェクトを開始するのだ。予定日は9月25日、プロジェクト名は三社の頭文字を取ってANY(エニー)」になるといわれている。

勝ち組三社(ANY) プロジェクトの構想は、「三社の首脳が会合で一堂に会した際に、浮上したようだ」と関係者は語る。その後、読売では、東京本社の四階に従来のインターネット事業部門とは別に、わざわざ個室が設けられ、秘かに構想が練られてきたという。

業績的には“勝ち組三社”といわれる、読売、朝日、日経の三社が手を組む狙いは何か。漏れ伝わってくる情報によれば、三社共同によるポータルサイト立ち上げではないかと見られている。

この記事の通りに販売部数と広告主獲得で激戦を繰り広げている三社の共同ポータルサイトが実現することになれば、まさに画期的な大同団結となるはずです。ところが結果としては、X-Dayの9月25日には三社から何の発表もありません。

共同ポータルは構想としては面白いものの、経営姿勢や論調も異なる三社が「小異を捨てて大同に就く」までは至らなかった、ということなのでしょう。こうした結果から判断すれば、大手新聞社の現在のビジネスモデルの限界に関する危機意識は、巷間伝えられる程大きなものではないのかもしれません。

しかし、読売、朝日、日経の大手三社に次ぐ準大手に位置する産経、毎日の経常利益は、大手社の一割程度しかありません。その分現状に対する危機感の大きさも三社の比ではなく、早急な対策を迫られている事情はもっと深刻なはずです。

日刊紙発行部数

また、ネット時代にメディアとして独力で生き残ることが難しく、そのためには有力なパートナーが必要、というところも産経と毎日の共通点です。したがって、この二社間ではパートナーとなるネット企業の争奪戦が繰り広げられることになります。

こうした争いを制して、毎日からマイクロソフトを奪取することに成功したのが産経です。週刊ダイヤモンドが「ANY」陣営発足の日としていた9月25日に、華々しく新サイトの報道発表をしたのは産経新聞でした。情報源は、新聞より早く速報を出す--MSと産経グループが組んだ「MSN産経ニュース」です。

マイクロソフトと産経新聞社、産経デジタルは9月25日、ニュースポータル「MSN産経ニュース」を10月1日より共同運営することを発表した。

産経新聞社代表取締役社長の住田良能氏は、今回の発表について、「新聞社にとってネットと紙媒体には高く厚い壁があるが、それを超える」と語る。紙媒体でビジネスを進めてきた新聞社に求められる役割について「紙かネットかという話でなく、報道機関としての使命をどう果たしていくのか、これに尽きる」と説明する。

今回の提携はマイクロソフト側からの提案を産経グループが受けるかたちではじまった。マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏は「産経新聞グループは非常に革新的でウェブを活用していこうとしている報道機関」と期待を寄せる。

MSN産経ニュースは、記事公開の早さと品質を追求した「ウェブ・パーフェクト」を目指すとしている。速報性の高いニュースについては、新聞の発行を待たずにウェブに記事を掲載する「ウェブ・ファースト」の姿勢を掲げており、産経新聞社では体制作りに向けての組織改革を実施。編集長4人の交代制で紙面とウェブのニュースを指揮することになっている。具体的なページビュー(PV)目標については明言しなかったが、産経デジタル取締役の近藤哲司が会見後に「だいたい毎日(MSN毎日インタラクティブ)と同程度」とコメントしている。

この記事を読んだ限りでも、ネットに本格的に軸足を移しつつある産経グループの意気込みが伝わってきます。マイクロソフトの方から新たなメディア・パートナーとして産経に接近してきた事情も、うなずけるところです。発行部数わずか200万部の産経新聞にとってみれば、紙媒体とのカニバリ(共食い)を恐れる必要がなかったからこそできた、「ウェブ・ファースト」への戦略転換なのかもしれません。

こした意気込みの大きさと比べてみると、「MSN産経ニュース」の目標ページビューを現在の「MSN毎日インタラクティブ」と同程度と設定している点は、やや控えめな印象を与えます。一方マイクロソフトに袖にされた形となった毎日新聞の方は、10月より独自サイト「毎日JP」で再出発します。情報源は、毎日新聞社、オープン化や信頼情報の発信を謳う「毎日jp」を10月開設です。

毎日新聞社では、毎日jpの開設にあたって自由なサイト展開と幅広い自由な議論を目指す「オープンなサイト」、インターネットユーザーの趣向に合わせたサイト作りと生活情報を充実させる「楽しく、役に立つサイト」、網羅性から選択へ「信頼情報の発信」という3つのコンセプトを掲げる。その上で、同紙がこれまで培ってきた「開かれた新聞」「論争のある新聞」「役に立つ新聞」というブランドイメージを活かす考えだという。

オープン化施策としては、アルファブロガーやインターネット上で活躍するジャーナリストから第三者視点で助言や参加協力を得るという。また、毎日jp上に特設ページを設け、参加ブロガーなどの記事や助言なども掲載するほか、お勧めブログも順次紹介するとしている。

なお、MSN毎日インタラクティブの月間PVは現在3~4億PV前後で、「MSNのポータルサイトからのアクセスが6割程度を占めている」という。このため、「毎日jpの運営開始当初は2億PV程度に落ち込む可能性があるが、今後2年間で現在のピークを超え、3年後にはそれ以上の飛躍を目標に広告収入も伸ばしていきたい」と抱負を語った。

マイクロソフトとの提携を解消したことにより、当面「毎日JP」のページビューが落ち込むことは覚悟しているようです。この落ち込みをカバーするために打ち出したのが、社外の寄稿者を積極的に取り込む「オープン化」戦略です。実際に9月18日に開からた発表会には、著名ブロガーも記者として招待されています。果たして、ブロガー効果でどれほど、 落ち込みをカバーすることができるのでしょうか?


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