深刻なポスドク問題を横目に、ITエンジニアの8割はキャリアエクスプローラー

2007年07月31日

博士号取得者の就職難問題(いわゆるポスドク問題)解消に向けて、応用物理学会が新しい試みを開始しました(就職難博士に「求職中」マーク 応用物理学会が考案)。応用物理学会(JSAP)のサイト「学術講演会におけるキャリアエクスプローラーマークの新設」では、同制度導入の背景について次のように説明しています。

キャリアエクスプローラーマーク ポスドク等1万人計画によって2万人近くにまで急増したポスドクの処遇は研究者コミュニティにとってきわめて重要な問題です。応用物理学会は産・官・学からの会員によってバランス良く構成されていることを考えれば、ポスドクのキャリア形成に学会と学術講演会の果たすべき役割はきわめて大きい、ということに異論はないでしょう。

求職側であるポスドクあるいは博士・修士課程学生と、求人側である企業・大学・研究所のインターセクションの場である学術講演会において、講演者が求職中であることを明示できるよう、秋季学術講演会においてキャリアエクスプローラーマークを試行的に運用します。

実はこのマークの使用には厳しい制限が設けられています。本当は上記のように気軽に貼ることは厳禁です!

<マークの使用方法>

(1)登壇者(発表者)である求職中のポスドク、博士・修士課程学生が、本人が希望する場合に限って、キャリアエクスプローラーマーク(CEマーク)を発表の際に表示することができます。

(2)口頭発表ではスライド1枚目のタイトルページにおいてCEマークを表示できます。ポスター発表においては、タイトル付近にCEマークを表示することができます。


<マーク使用上、運用上の注意>

◆当該学術講演会における登壇者(発表者)以外は使用することはできません。

◆CEマークの著作権は(社)応用物理学会に帰属するものであり、マーク導入の趣旨、および使用方法を逸脱する使用は一切認めません。

私がCEマークの貼ったのは、同マークの普及の一助となればとの深い考えがあってのことです。学会関係者の方には、おとがめなきようお願いしますm( __ __ )m

CEマークは応用物理学会関係での発表時以外は使用禁止なので、会員がブログ等に常時貼り付けておくことも許されません。優秀なポスドクを採用したいと考えている雇用者側にとっても、当日会場まで足を運ばないと誰が求職中なのかはわからない仕組みになっています。応用物理学会を職業紹介の場という視点で考えると、一期一会の「タレント・スカウト・キャラバン」みたいなものです。

「キャリアエクスプローラー(Career Explorer)」という言葉が選ばれたのは、「求職者(Job Seeker)」とすると、あまりに露骨過ぎて発表者も使用を躊躇うのではないか、という配慮があったのでしょう。しかし、キャリアを探求(explore)することは、本来直接的な求職活動だけを指すわけではありません。象牙の塔には縁のない第一線のITエンジニアは、現職の身でありながらも常にキャリアを explore してます。情報源は、『IT技術者、転職、8割前向き』(日経産業新聞 2007年7月31日 23面)です。

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転職力が身につく会社 日本IBM、リクルート、楽天のOBは教育改革を目指す

2007年04月30日

昨日の投稿転職力が身につく会社ソニー出身者のその後の人生いろいろの続きです。会社選びのプロ3人が揃って転職力が身につく会社として挙げていたのが、ソニー、日本IBM、リクルートです。前回紹介したソニーと同様に、日本IBMやリクルート出身者が社長となっている会社が多いのは、このブログで以前に紹介した通りです(マネジャータイプを輩出する「IBM学校」とリーダータイプの「リクルート学校」)。

その日本IBMの北城恪太郎氏が4月末に同社の会長を退任し、最高顧問に就任することになりました。さらに2003年から務めてきた経済同友会の代表幹事の要職も、桜井正光リコー会長に譲っています。今後自由に活動できる時間が増える北城氏が、IBM以外の活動として個人的に情熱を傾けようと考えている分野の1つが、人材教育です。情報源は、記者会見発言要旨(未定稿)です。

もちろん(日本)IBMの仕事は続けるが、公立の中学、高校を主体に、授業や講演をして欲しいという依頼が来ているので、代表幹事在任中はできなかった分野での依頼に応えていきたい。もちろん大学からの依頼も受けてお話しているが、小学校については私には無理だなと思う。私は働くことの意義について話していても、質疑応答になると「好きなサッカー選手は誰ですか?」という質問になってしまうので、中学生以上を中心に取り組みたい。

そういう意味で、教育問題、特にイノベーションの担い手としての人材をどう育てるか、国際競争の中で企業が求める人材が大きく変わっている中で、それを教育の現場や保護者にどう伝えていくか。どのような人材が求められているかということを伝えずに、教育の側で我々が期待する、日本の競争力の向上に貢献するような人材が育つということではない。

学生の大半は民間企業で働くので、民間企業がどのような環境で仕事をし、どのような人材を求めているかということを教育の場に伝えることは我々経営者の責務だと思っているので、実行していきたい。

教育の改革こそが日本産業全体のイノベーションために必要と考える北城氏には、『経営者、15歳に仕事を教える』という著書もあります。ある北城氏は、教育の改革こそが日本のイノベーションを このように特に若年層からの人材育成の重要性を説くビジネスマンは、北城氏だけではありません。

中には、民間企業での人材育成のノウハウを公共教育に活かすために、自ら教育の現場に身を投じるビジネスマンも現れ始めています。その先例となるのが、リクルート出身で2003年4月から杉並区立和田中学校校長に就任した藤原和博氏です。同氏は、学生がビジネスキャリアを考える時の注意点を、次のように指摘しています。情報源は、13歳のハローワーク公式サイトです。

キャリア」を考える際の2つの落とし穴を指摘したいと思います。

1つは、日本の教育システムが正解主義で来ていること。小中高の9割方は正解を記憶に叩き込む授業です。そういう教育をずっと受けていると、大学でもすべての問題に正解があると思ってしまうわけです。就職の際も適職診断テストに頼って「分析していけば、自分にとって正解の会社が絶対にある」と思うのは大間違いで、選んだ会社や仕事が正解かどうかは、5年、10年して初めてわかるものです。卒業前にもらった3社の内定のうち「どれが自分に一番合っていますか」の答えはありません。

特に最初のキャリアを選ぶときは、あまりに慎重になり、分析しすぎることがありますね。それよりは、子どものときの「適当な無謀さ」を思い出して、まずやってみましょう。そして、20代後半から30代の5年ぐらいで、先ほどのクレジット(信用)を蓄積すれば、将来が強いと思うんです。まず打ち出す無謀さや勇気がないと、「キャリア」と言うあまりに隘路や罠にはまっていくので、すごく大事なことだと思います。

自分のキャリアの基礎技術を得る、最初の大事な5年ぐらいが20~30代前半にあります。そこでは体力と耐力が必要なわけですが、耐力を支えるのが「集中力」と「バランス感覚」。ぜひ小学校で身につけてほしい力です。

この藤原氏に遅れること2年、2005年4月に横浜市立東山田中学校の校長に就任した本城慎之介氏も、民間企業の楽天出身です。就任当時32歳であった本城氏は、全国最年少の公立中学校校長として、大いに話題を振りまいたものでした。

そして2年後の2007年には、最年少校長はこんな結末を迎えることになります。情報源は、『民間人校長、2年で退職 元楽天副社長・本城氏、「短すぎ」と関係者ら批判』(朝日新聞 2007年4月21日 35面)です。

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転職力が身につく会社ソニー出身者のその後の人生いろいろ

2007年04月30日

週刊東洋経済(2007年4月28日号 138~143ページ)に、会社選びの専門家3名による座談会『就職してはいけない会社 会社選びのプロに聞く!』が掲載されました。登場している会社選びの専門家は、『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者である城繁幸氏、現役社員200人に500時間インタビューして『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』をまとめた渡邉正裕氏、そして、外資系金融、コンサルティング企業の就職事情に詳しい金武貴氏の3人です。

座談会の中は3氏とも、新卒時に入社した業界、会社によって将来の転職力に大きな差が生まれることを述べています。転職力が身につけられる会社として挙げられているのは、次のようなものです。

――今はやりたいことがないけれど、将来、有利な転職をしたいという学生には、どこを勧めますか?

城 名前のある大企業です。転職のとき受けがいいですから。転職というのは、一般的な日本企業だと、学歴はあまり関係なくて、本人のキャリアと前職の会社のブランドで決まるんですよ。だけど、これまでのキャリアが志望の職種と多少違っていても、前職が大企業だったら潰しが利く。

転職力が身につく会社 渡邉 商社はいろんな事業をやっていて、2、3年目に異動があったりもするので、何も決まっていない人にとってはいいのかな。あとはリクルートIBMなど、若いときから活躍できる会社に入っておけば、その後、何をするにせよいいはず。

――軍隊のような会社と自由な会社、どちらを勧めますか?

渡邉 何も決まっていないなら、野村証券みたいな軍隊会社を勧めます。だって、何も決まっていない人は、やりたいことがないから何もしない可能性がありますから。

あとは、規制業種に行かないほうがいい。マスコミとかに行っちゃうとダメですよね。マスコミの人ってみんな給料もらいすぎ。僕の場合、27歳のときに転職して給料が200万円下がりました。でも、僕はいいほうで、30歳だったらたぶん半分。たとえば講談社TBSで39歳くらいだと、大体デスクとかで1,800万円ぐらいもらっている。その人たちはその3分の1に給料を落としても雇い手がないんじゃないかな。

――でも、テレビ局はいったん入ったら首にはされませんよね。

城 そういう発想が昭和的なんですよ。要するに、どのレールに乗ったら終点まで行けるかということでしょう。でも、新聞はもうすでに暗雲が立ち込めていますよね。大手出版社だって20年後はわからない。

ソニーは、プロの目から見ても依然として転職に有利に働く会社です。4月2日に経営体制を刷新したライブドア・グループの持ち株会社、「ライブドアホールディングス」の社長に就任する平松庚三氏もソニー出身です。その平松氏が、自著『ボクがライブドアの社長になった理由』の中で、ソニー出身者の結束力の強さを語っています。情報源は、ライブドアの「再生」を陰で支えたソニー人脈です。

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大学院進学、転職、資格取得で独立とライフカード的に進むサラリーマン人生

2007年04月16日

ビジネスマンがキャリアップのための選択肢として考えるものに、「大学院進学」と「資格取得で独立」と「転職」の3つがあります。時としてライフカードのCMさながらの選択肢に悩まされて、現在の仕事には身が入らなくなってしまう人もいるようです。その典型例が、週刊東洋経済に紹介されていました。情報源は、『目標を見失ったらタダの趣味-猛勉強でもリターンゼロ』(週刊東洋経済 2007年4月14日号 78~80ページ)です。

大手金融機関に勤める中尾雅俊さん(仮名、34)は、18年前に早稲田大学の系列高校に通い始めたときから資格ガイド本を読んでいたという。司法試験にあこがれ、東大法学部を志したこともあった。

しかし、あまりにも高いハードルに足がすくんだ。司法試験も東大受験も早々にあきらめ、早稲田大学政治経済学部への内部進学を決めた。「早稲田では法学部よりも政経のほうが偏差値が上だったからです。人生に箔をつけるためには、高い学歴のほうがいいでしょう」。

東大受験を断念したとしても、早稲田の政経学部に入学できたのですから、結果オーライと考えるべきでしょう。元来勉強好きの中尾さんは、学生時代は英語資格の取得に邁進して、卒業後は研究者を目指して一橋大学経済大学院に進学します。

学生時代は英語の勉強に励み、英検準1級は3回目のチャレンジで取得。TOEICは730点、TOEFLは540点に達した。

早稲田大学を卒業後、一橋大学経済大学院に進学。ここで中尾さんは2つの挫折を味わう。1つは、研究者の道を断念したこと。

決められた学習内容をコツコツこなすのは得意だが、自分には前人未到の新しい理論を生み出すような意欲はない。「学び好き」を自認していたが研究者になれるような創造性はなく、自分は単なる「試験勉強好き」だったと、優秀なクラスメートを目の当たりにして気づいた。

もう1つの挫折は、文系の院卒は多くの企業から敬遠され、第1志望の会社に就職できなかったことだ。早稲田の学部4年生のほうがはるかに売り手市場だった。大学院卒で「就職市場価値」が上がると信じていた中尾さんは、焦りを感じた。

英語力などを必死でアピールして、現在の金融機関に滑り込むことができた。 しかし、入社以来一貫して中小企業への営業担当。英語を使ったことは一度もない。

研究者としての適性がなかったとしても、さらに第1志望の就職先には不合格になったとしても、安定した大手金融機関に職を得ることに成功したのですから、普通の人であれば十分に満足すべき結果です。しかし当の中尾さんの頭の中には、入社直後から転職願望が巣くっていました。

それでもTOEICを定期的に受けて、700点台を維持している。「いつか転職したいので、英語力はキープしておきたいんです」。一方で、入社2年目に受けた宅建(宅地建物取引主任者)の試験には不合格。不動産を担保にして融資することが多いため、宅建はTOEICよりはるかに自分の仕事に近い資格だ。「仕事が忙しくて、片手間で勉強していたからです。甘く見すぎてました」。

大いにプライドを傷つけられた中尾さん。翌年には米国公認会計士(CPA)に挑戦し見事に合格。「英語力と同時に、グローバル基準の会計制度をマスターできる。転職には絶対に必要だなと思いました」。

当時ブームであったCPAの資格には首尾良く合格することができました。ブームに乗っただけとはいえ、CPA資格取得を機会に自らの専門を会計分野に絞りこんだようです。だからといって、勤務先の金融機関での仕事に活用しようとの発想は、まったく芽生えてきません。今度は、公認会計士資格を取得して監査法人への転職を考えるようになります。

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グーグルの「2007年8月問題」:グーグル社員はパンのみに生きるにあらず?

2007年04月12日

「全世界就職人気企業ランキング」というものがあれば、そのNo.1に輝くのは、おそらくグーグルでしょう。先日、そんなグーグルでさえ自らの意志で退社する社員が結構いるという話題を紹介しました。(誰もが憧れる働きやすい会社No.1グーグルでさえ辞める人間は後を絶たない)。他人の目にはもったいないようにも映るこうした退職者が、今後さらに増えるのは確実のようです。情報源は、4年目のジレンマ--グーグルに大量離職の危機です。

Googleはここ数年、急激に従業員数を増やしてきた。しかし、IPO(新規株式公開)前にストックオプションを取得した大勢の百万長者たちが8月に同社を一斉に去る可能性がある。Googleの社内規則では、従業員は入社1年後からIPO前のストックオプションを段階的に受け取り、入社4年後に全てのオプションを受け取る。そして、4カ月後に数百人の従業員がその入社4年目を迎えるのだ。

この問題について、シリコンバレーの有力紙San Jose Mercury Newsは次のように報じている。「(Googleの)上級役員らは、以前からこの問題を深刻なリスクと見ており、長年勤務している従業員を引き止めるために積極的かつ革新的な対策を講じてきた。

特に優秀な社員に対しては、グーグルも破格の優遇措置を講じる予定ですが、種々の慰留策でも「2007年8月問題」の解消は、なかなか難しいようです。

また記事には次のように書かれている。「それでも、一部の従業員の退社は避けられないことをGoogleの幹部らは承知している。従業員の中には、もはや Googleでの仕事にやりがいを見出せず、別の仕事に移る人もいれば、レストランの開業、非営利企業の創設、夢のマイホームの建設のために辞める人もいる」

これまでのマスコミの報道を通して、ユートピアのような環境で働くグーグルの社員は、皆モチベーションが異常に高いと思いこんでいました。いわく、「彼ら彼女らはお金のために働いているのではない」「グーグルでしかできないことがあるので、自己実現のために働いている」「世界革命への使命感から働いている」とか。

従業員満足度という尺度で考えれば、グーグルの数値が他社を圧倒していることは事実だと思います。しかし、才気溢れるグーグル社員とはいえ、やはり生身の人間です。当面の生活に困らないほどのお金を手にすることができれば、辞めたくなっても当然です。自由な雰囲気のグーグルでも、宮仕えの苦労がゼロということもないでしょうし。

人間やはり「お金のために」に働いているのです。

そこで、@ITが始めた「@IT年収マップ」を紹介します。

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誰もが憧れる働きやすい会社No.1グーグルでさえ辞める人間は後を絶たない

2007年03月20日

Great Place to Work(R) Institute Japanが第1回日本版の「働きがいのある会社」を20社発表しました。

1位.リクルートエージェント (人材紹介業)
派閥がなく、職場では笑いが絶えません。経営陣に対してもちゃんと意見が言える環境が整っており、新しいチャレンジも奨励されています。

2位.モルガン・スタンレー証券 (証券業)
「歯車として」ではなく、「1人の人間として」扱われていると肌で感じられ、責任が委譲され思い切った仕事が出来ます。

3位.マイクロソフト (ソフトウエア・関連製品)
自由な発言が出来ます。目的意識の強い人や前向きな人には自己を磨くのに最適な会社です。

伝統ある「Great Place to Work」(GTW)ランキングの、初の日本版で堂々3位に入って健闘したのが、マイクロソフトの日本法人です。しかし、本家米国版の「100 Best Companies to Work for 2007」では、マイクロソフトは50位に甘んじています。米国版のトップを飾ったのは宿敵グーグルでした。

「働きやすい会社No.1」の選ばれたグーグルはその人気を利用して、急拡大するサービスを支える人材を積極的に採用しています。グーグルとの間で人材獲得競争が熾烈化する中、スタンフォード大学での講演会に現れたマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、なりふり構わないグーグルの姿勢を痛烈に批判しています。(MSバルマーCEO、Googleの人材乱獲を批判)。

バルマー氏はインターネットの宿敵Googleにも言及し、オンライン検索事業のその先のベンチャー事業では、たいした吸引力を発揮できていないと批判した。Googleは1年で陣容を2倍にするつもりだともバルマー氏は言い、「わたしに言わせれば正気とは思えない。それぞれ違うことをしている人間を無作為に集め、価値を創出できることを示した者などいないだろう」

IT分野の優れた人材獲得をめぐる競争は厳しい状況になっているとバルマー氏。「かつてなかったほどに人材争奪戦が激化している。最高の人材を獲得することは、当社にとって依然大きな課題だ」

我が国でも優秀な学生が、続々とグーグル本社に入社する動きが見られます。グーグルが世界中の優秀な人間を一本釣りする手段として活用しているのが、「Google Code Jam」と呼ばれるプログラミング・コンテストです。情報源は、東大の「産業総論」で露呈 日本人の知力崩壊が始まったです。

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米国人の職業選択の基準は、何歳になっても「収入より自由」

2006年04月17日

前回の投稿『日本の就職人気企業ランキングと米国の働きやすい企業ランキング』に引き続き、日米の職業観の違いに関する話題です。日本では「就職志望」という言葉を使っても、結局「どこの会社で働きたいか」という希望でしかなく、実態としては「就社希望」になってしまいます。

一方、米国では「就職希望」と言えば、文字通り「何の職業の就きたいか」ということを指します。MONEY誌とSalary.comが、2万6000人の労働者を対象にに自分の職業の満足度を調査した結果では、次のような順位になっています。情報源は、ソフトエンジニア職は満足度ナンバー1――米調査です。

Best Jobs in America 2006 Top10
順位 職業 平均年収(ドル)
1 ソフトエンジニア 80,500
2 大学教授 81,500
3 ファイナンシャルアドバイザー 122,500
4 人事マネジャー 73,500
5 医師助手 75,000
6 市場調査アナリスト 82,500
7 コンピュータ・ITアナリスト 83,500
8 不動産鑑定士 66,000
9 薬剤師 92,000
10 精神分析医 66,500

この調査は、「STRESS」「FLEXIBILITY(拘束される労働時間の短さ)」「CREATIVITY」「EASE OF ENTRY(就職しやすさ)」の4項目を基準にして採点したものです。注目すべきは、2位の「大学教授(College Professor)」と4位の「人事マネージャー(Human Resource Maneger)」以外は、組織に属することを前提とした職業ではない点にあります。この結果について、次のようなコメントが付いています。

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日本の就職人気企業ランキングと米国の働きやすい企業ランキング

2006年04月16日

リクルートは4月13日、2007年3月卒業予定の大学生などを対象にした就職志望アンケート調査の結果を発表しました。企業側の採用意欲の復活に伴い、売り手市場に転じた新卒者に対する需給状況を反映したためでしょう、学生の大企業志向も復活しています。情報源は、学生の就職志望、「全日空」が1位を堅持、好調な金融業界も人気です。

就職志望企業の人気1位は前年に続き全日本空輸(ANA)で、532票を集めた。次いでジェイティービー(JTB)、トヨタ自動車がともに502票で2位となった。以下、日立製作所(440票)、電通(389票)と続いた。

このほかでは、2006年1月に経営統合した三菱東京UFJ銀行(378票)が6位となった。また、損害保険ジャパン(264票)が前回20位から今回15位に上げたほか、東京海上日動火災保険(204票/29位)、みずほフィナンシャルグループ(174票/43位)など、金融機関が順位を上げた。「景気回復に伴って業績が好調な金融業界に対し、大学生の支持が増している」(リクルート)。

就職市場でも不祥事が相次ぐ日本航空を、全日空が大きく引き離しています。金融機関人気が復活の兆しを見せているところにも、学生側の世論への敏感な反応が見て取れます。しかしながら、ビジネス面ではあまり芳しい話を聞くことのない日立が上位に入っているのは、やはり「寄らば大樹」といった発想なのでしょうか? 学生側が挙げている就職先選択の基準は、次のようなものです。

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学生の間で究極のキャリア志向型就職と注目を集める「チェンジ・エージェント」

2005年12月08日

先日の投稿、『人件費の長期固定化を避けたければ、いまや経営幹部もレンタルする時代』で、役員クラスの人材を数ヶ月から数年間だけ派遣するという、新しい人材紹介サービスの話をしました。レンタル役員を欲する企業があれば、若手社員に対する同様のニーズもあって当然です。

このようなニーズに応えるのが、人事コンサルティングの大手のマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングが導入予定の「チェンジ・エージェント」です。 情報源は、『学生就職、売り手市場だが…、止まらないキャリア志向、採用・雇用形態多様化促す』(2005年12月8日 日経産業新聞 22面)です。

「会社組織を変革する触媒が求められている。それがチェンジ・エージェントだ」。10月13日、名古屋市内のホテルで開催された「マーサー・キャリア・フォーラム」。主催者であるマーサーの柴田励司社長の言葉に詰めかけた学生が熱心に耳を傾けた。

マーサーが提唱する「チェンジ・エージェント」は新しいタイプのコンサルタント。マーサーにいったん就職した後、長期にわたり企業に派遣され、組織改革や事業再構築などのプロジェクトメンバーとして常駐する。派遣前に、マーサーで2カ月程度の研修を受け、企業に常駐した後は定期的にプロジェクトの進展状況を報告する。

常駐期間は最低1年。プロジェクトの中核として、経営陣と協力しながら、会社の変革を進めることを求められる。短期間で表面的にしか当該企業を見ない通常のコンサルタントと違い、企業に「置き去り」(柴田社長)にすることで、ビジネスの現場で実際に修羅場を多く経験できる。

マーサーでの上司は報告を聞いて、どう変革を進めるかを指示はするが、あくまでチェンジ・エージェントとして派遣された本人が企業変革の主体となる。経営情報の分析、ビジネスプロセスの効率化、生産性向上の支援、企業のトップが出すメッセージの浸透などを主導しなければならない。苦労は多いが、若いうちに多くの経験ができる。キャリア志向の学生はこうした業務に携われる幹部社員になるまで待ち切れないのだ。

採用条件の詳細はまだ決まっていない。給与は一般企業より2割程度高くなるというが、身分はマーサーの契約社員だ。説明会の終了後の会場に残り、「こんな仕事を探していた。ぜひやらせてほしい」と訴える学生が多かった。「企業のトップと直接やりとりできるのは大きなチャンスだと思う」(名古屋商科大経営大学院2年生)

すでに電機メーカーなどで働く若手社員もフォーラムに参加し、「将来の選択肢として考えたい」と話した。「思った以上に学生の反響が大きい」とマーサーの伊藤武彦・名古屋事務所長はいう。来年1月には東京でより大規模なフォーラムを開催する予定だ。


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経営トップ交代劇を黒子として演出するヘッドハンティングビジネス

2005年12月02日

ユニクロのファーストリテイリングが、CEO、COO、CFO、CHO、CIOなどの経営トップを新聞で公募していることを紹介しました(一部上場企業ファーストリテイリング経営幹部も自民党候補者も公募する時代)。その時書いたように、トップクラスの人材を募集するの場合は、普通ヘッドハンター(英語では Executive Search Firm)を使うのが普通です。どれくらい「普通」であるかというと、このブログでこれまで取り上げてきた人も、その多くがヘッドハンター経由の転身です。

例えば、日本マクドナルドの原田泳幸社長の場合は、ATカーニーが、ダイエーの樋口泰行社長の場合はスタントン・チェースが、ヘッドハンターとして絡んでいます。そのヘッドハンティングビジネスの最新事情に関してご紹介します。情報源は、『ヘッドハンター台頭(上)ビッグ5基盤固め』(2005年11月28日 日経金融新聞 1面)です。

2003年8月末、米ハイドリック・アンド・ストラグルスのメグ・アンブローズ氏は、日本IBM副社長(当時)の倉重英樹氏に電話をかけた。同年7月に米投資ファンド、リップルウッドから依頼され、買収を予定していた日本テレコムの社長を探していたのだ。

およそ60カ国に展開するハイドリック。インドのデータセンターで世界中から100人の社長候補者を探し出し、マーケティングの知見が深い倉重氏に白羽の矢を立てた。アンブローズ氏は倉重氏と即座に面会、リップルウッドの戦略や求められている人材像を説明した。約5カ月後、了解を取り付けた。

グローバルなスケールで活動するサーチ活動の実態が伝わるエピソードです。しかし、このようなダイナミックなネットワークを持つ、本格的なサーチ・ファームの数は、世界でもごく限られています。

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一部上場企業ファーストリテイリング経営幹部も自民党候補者も公募する時代

2005年11月16日

11月13日(日曜日)の朝刊にファーストリテリングの人材募集の全面広告が掲載されました。全面赤色の文字だけというスタイルも異色であれば、その内容も通常の中途採用広告とは大きく異なります。今回募集するのは、現役のCEO、COO、CFO、CHO、CIOなどの経営トップです。「経営者は育てられません。創業者募集」というタイトルに続く文面は、次のような内容です。


創業心に燃え、本人の意志で育つ。経営者の本質的な姿です。しかし、育ってもらう場は必要。私たちはユニクロの改革をはじめ、海外事業、大型M&A、持株会社化による経営責任分離を進めます。成果を達成すれば、創業者同等の長期インセンティブを得る制度も用意。自動車、ハイテク分野で日本から世界企業が生まれたように、私たちの目標は日本発、世界一のブランドになること。数字だけでなく、やっている価値を世界で一番にしたい。信念がそこにあります。あなたがより自己実現できる世界を志すならば、その思いにこたえられる会社。いま、創業ゼロ年。社運を賭ける募集です。

この人材募集広告の狙いを解説する記事が、本日の日経流通新聞に掲載されました。 情報源は、『ファーストリテイリング、全面広告で経営者募集――柳井氏流の“荒療治”か』(2005年11月16日 日経流通新聞MJ 6面)です。

柳井正会長兼社長はこのところ「経営者は育てられるものでないことを痛感した」と、過去の人材育成策の失敗を認めるような趣旨の発言を繰り返していた。その文言がそのまま冒頭の広告文となって現れた。

外部への募集広告には内部を揺さぶる両面作戦も透けて見える。11月に持ち株会社制に移行したのと同時に、社内に一段と厳しい競争状況を作り出し、内部の人材にも経営者へとはい上がるたくましさを求める。

今秋にはメンズ、ウイメンズなど商品分野ごとに事業部制を導入し、商品開発チームを細分化した。大企業病を防ぎ、再ベンチャー化を促すのが主眼だが、責任を持たせてそれぞれに手腕を競わせ社内人材の短期育成にもつなげる。「(経営者へと)育てられるのではなく、自らを経営者に育てる」(柳井会長)ための環境を整える。

この記事の注目点は、現在のファーストリテイリング社員へ向けたメッセージが込められているというところでしょう。会社側が実際にそれほど多くの人数が応募してくるとは、想定していないところにも、そうした狙いが見て取れそうです。

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ブログで内定者研修を始める風潮に落とし穴はないのか?

2005年08月25日

私がBLOGカンパニーという会社に入社してからほぼ2ヶ月が経ちました(「BLOGカンパニー」の新入社員として一から出直すことにしました)。入社以来真面目に日々ブログを書き続けてきたのですが、残念ながら昇進の噂も全く聞こえず、いまだに平社員として放置されています。

この間に会社の方では組織改革を実施し、私も調査部から企画部ビジネス課に配置転換になりました。新入社員が増えて、組織も順調に拡大しているのでしょう。昇進競争もますます厳しくなり、このままでは一生出世する見込みもないように思えてきました。

BLOGカンパニーはあくまでのお遊び世界の話ですので、私のように出世できなかったとしても、たいしたことはありません。しかし、ブログの内容で社員を競争させることを考えている会社が現実に存在するとすれば、笑い話ではすまされないでしょう。 情報源は、『事業提案、ブログで競う――ディップ、採用内定者対象に、一般公開し知名度高める』(2005年8月24日 日本経済新聞 朝刊 17面)です。

インターネット求人広告のディップは、来年春の自社の採用内定者を対象に「ビジネスコンテスト」を実施する。ブログを使って競技の進み具合を一般公開する。内定者の囲い込みと同時に知名度の向上につなげる。

内定者200人を東京、大阪、名古屋の採用地区別に15チームに振り分ける。それぞれが新規事業を提案して内容を競い合う。チームごとにサイト上にブログを開設、内定者同士で情報交換したり、人事部が提案に対して助言したりする。

ブログを一般公開し、より多くの訪問者を集めたチームの成績にポイントを上乗せする仕組み。冨田英揮社長らが審査員となり、9月中旬に予選大会、10月初旬に決勝大会を開く。優勝チームの企画案はディップで事業化を検討する。

企画立案作業を通じて内定者同士の結束を強めるとともに、早期戦力化を目指す。コンテストの課程を公開することで、学生らに自社を広報する狙いもある。

内定者が集合研修でやらされた模造紙での研究発表が、今ではブログに変わったのかというのが、この記事を読んだ私の第一印象です。ブログを使った研修の方が、今の若者に受け容れられやすいことは理解できます。果たして今まで仕事をした経験のない人間が、バーチャルな手段だけでどこまで共通の目標を達成できるのか、興味が持たれるところです。

優勝チームの企画案は事業化される可能性もあるようですが、実現の可能性は怪しいものだと思います。このブログは一般公開されることが前提で、アクセス数が勝敗を左右することになっています。最大のアクセス数を集めたアイデアが、事業化に最も相応しいものであるとは限りません。また本当に秀逸なアイデアがあったとしても、公開されてしまえばその価値は半減するでしょう。

企業側の思惑を推測すれば、ビジネスコンテストの目的はあくまでのチームワークの涵養と、対外的なPR効果にあると理解した方がよさそうです。しかし、軽いノリで始めた公開ブログが、企業にとっては思わぬマイナスの影響を及ぼすこともあります。 情報源は、「オタ」「きもい」──スタッフのブログ発言、企業を巻き込む騒動にです。

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ワード

キャリア志向の強いビジネスウーマンにとって、転職は依然として重要な手段

2005年07月24日

このブログを読んでいる人のほとんどは男性だと想像しますが、柄にもなく女性のビジネス・キャリア形成の話題を取り上げることにします。最初に断っておきますが、私個人は身体的能力が要求される一部の職種を除けば、職務遂行能力において性差はほとんど影響しないと考えています。それでは、なぜことさら女性に絞った話題をとりあげる意味があるかというと、現実問題として女性のキャリアパスには、やはり男性のそれとは違った特色が見られるからです。

女性のキャリアアップに関する特集記事『転職女王が見つけた武器』(AERA 2005年7月25日 16~19ページ)は、その実情を詳しく物語っています。 まず最初に登場するのが、産業再生機構の秋池玲子(あきいけれいこ)氏(41歳)です。なお、秋草氏に関しては、過去の投稿(産業再生機構で活躍しているのは東大卒の男性ばかりではない(秋池玲子氏))もご覧下さい。

■産業再生機構マネージングディレクター 秋池玲子
早大理工学部大学院修士課程修了後、キリンビール、マサチューセッツ工科大学院修士修了後、マキンゼー・アンド・カンパニー。03年より現職。

飲料メーカー技術職

MITでMBA取得

外資系経営コンサルタント

産業再生機構

世界でも屈指のハイテクメーカーなどを担当した前職の経営コンサルタントからの転職は、ある意味「思い付きだった」という。

一昨年の4月末、発足直後だった再生機構の新聞記事に目が留った。5月頭には直接出向き、6月には入社を決めていた。これまで培った自らの経験や知識の応用がきく、と思えたからだ。

「一流企業でも、破綻しかかったような会社でも、組織上の問題って、縦割りの弊害だったり、経営陣と現場の意思疎通ができていなかったり、同じじゃないか。私の経験が役に立つと思った」。

給料は下がった。機構は遅くとも08年に解散される。はたから見れば相当に思い切った決断に見えるが、キャリアを貫く思いは一貫している。

応用化学を学んでいた大学時代。企業派遣の研究者と話すうち、経営に漠然と興味を持つ

「顧客が欲しがらない研究ばかりでは利益は出ないし、欲しがるテーマばかりだと会社が振り回される。そのバランスをうまく取れるのが経営だと思います」。

技術者としてキリンビールに入ったが、入社してすぐに希望を伝え、製造部門で経営計画の策定に携わった。現場で経営の一端に触れ、その面白さを知り、会社を4年で辞め、米国大学院に留学。経営学修士(MBA)をとる。若いうちに現場と学術という2つの場で、「経営」という一分野を深堀りできたことが、いまにつながっていると感じる。

キャリアには、連続性と同時に柔軟性も必要だと考えている。

「これまで培ったマネジメント力を生かせ