年金記録漏れ問題解決に乗り出す「社会保険労務士」と「ニセ労務士」商法

2007年06月18日

ビジネスパーソンの取得希望の高い資格の1つに、国家資格の社会保険労務士があります。社会保険庁の年金記録大量記録漏れの問題の解決に向けて、専門家の社会保険労務士のノウハウが発揮される場面が訪れることになります。情報源は、『専門家に聞く―全国社会保険労務士会連合会会長大槻哲也氏』(日本経済新聞 2007年6月17日 3面)です。

――解決策は。

「年金記録を復旧するのが一番。支給の是非を判断する判定委員会に社労士を委員として送り込む。社労士には社会保障制度の知識があり年金以外の制度を納付確認に活用するノウハウがある」

「例えば保険料を払った領収書などの証拠がない人には、雇用保険の加入状況を調べれば分かる可能性がある。今は制度が変わっているが『その当時、病院に行って何割負担していましたか』と尋ね、3割と答えれば国民健康保険の加入者、だから国民年金の可能性が高い、と類推できる」

――政府は対象者のわからない5千万件を1年で名寄せしようとしているが、可能と思うか。

「やり方次第ではないか。我々連合会は社労士が無償で年金相談に応じることを決めた。開業している2万人が相談窓口となり年金記録の確認などに協力する」

「具体的には市役所などにある相談コーナーを充実する。順次、新しい窓口を増やしていく考えだ。転職経験のある従業員が多い中小企業を会員とする商工会議所などには出前の相談コーナーで対応したい」

社会保険庁が設置したコールセンター、「ねんきんあんしんダイヤル」の派遣スタッフと比べることも失礼な話ですが、社会保険労務士のいる相談コーナーに出向く方が、よほど「安心」できます。社保庁もコールセンターに無駄なお金をつぎ込むよりも、ボランティアで対応してくれる労務士への謝礼金に回した方がいいのではないでしょうか?

この社会保険労務士とは無関係ながらも、もっともらい名前の「労務管理士」という資格(?)も世の中にはあります。この「ニセ社労士」を生み出しているのが、資格商法と呼ばれる悪徳商法の1つです。国家資格との誤認を狙って、「労務管理士」の講座を宣伝していた団体が、公正取引委員会から排除命令を受けました。情報源は、『「労務管理士」で排除命令、公的資格装い受講生を募集』(日本経済新聞 2007年6月16日 38面)です。

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疲れたサラリーマンが集う専門職大学院は現実逃避の「癒やしの場」?

2007年04月13日

春はスタートのシーズンです。青雲の志を抱いて大学院生活をスタートされた人も多いはずです。しかし、最近は希望する就職先がなかったので、とりあえず勉強を継続することを選ぶモラトリアム型院生も少なくありません。また、新卒で就職した会社を辞めて、MBA、MOT、法科大学院、会計大学院らの専門職大学院を修了することで、キャリアチェンジを図ろうと考えるビジネスマン・ウーマンも増えつつあります。

そうした社会人大学院の現状について、今週発売の週刊東洋経済に面白い記事がありました。情報源は、『社会人大学院に「入院」する人々』(週刊東洋経済 2007年4月14日 80~81ページ)です。

今、大学院に通う社会人が増えている。引き金となったのは、1991年の大学審議会の答申だった。

優秀な研究者を増やすと同時に、「社会の多様な方面で活躍しうる人材」を養成するため、が建前上の目的だ。各大学院が競うように定員を増やし、10年後の2000年には院生が倍増。修士・博士課程を合わせて20万人超に膨れ上がった。

リクルートワークス研究所の濱中淳子研究員は、大学院拡大の本音は供給側の台所事情にあったと語る。

「18歳人口の減少を目の当たりにして、学生を確保したい大学と権益を守りたい文科省の思惑が一致したというのが実情でしょう」

思惑どおりに学生は確保できた。しかし、企業は特に文系の大学院生への冷たい視線を変えなかった。就職活動経験者にとって「院卒は不利」は常識だ。大学の教員ポストも増えるわけではない。

需要を無視した拡大路線は大学院生を直撃し、研究者にもなれず企業に就職もできない院卒者が大量発生。会社を辞めて大学院で学んだ末、塾講師などのバイトで糊口をしのぐ「院卒フリーター」になった人も珍しくない。

大学院を卒業さえすれば明るい未来が開ける、というのは幻想です。場合によっては、「キャリア上の空白期間」と見なされるような危険性もはらんでいるようです。 それでは、こうした現状を当の社会人大学院生はどう考えているのでしょうか?

現段階では会社を辞めて大学院に通う選択は、ハイリスク・ローリターンと言わざるをえない。

「そんなことは多くの学生たちは百も承知ですよ」

都内のコンサルティング会社勤務の藤村友彦さん(仮名、32)が意外な反論をしてくれた。彼は3年前に会社を休職し、一橋大学のMBAコースに2年間通った経験がある。

「キャリアアップの夢を抱いて国内のビジネススクールに入る人は全学生の半分もいないと思いますよ。僕も含めて、多くの人は『癒やし』を求めているんです」

以下が藤村さんが本音で語るMBA入学の理由です。

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MBAホルダーには「海外組対国内組」の単純な図式は当てはまらない?

2006年10月13日

以前の投稿で、MBAホルダーを挑発するようなタイトルの書籍『MBAが会社を滅ぼす』のことを紹介しました(1,500万円もかかる米国MBA留学を決断する前に読むべきミンツバーグ)。著者は、『戦略サファリ』『マネジャーの仕事』等の経営学の名著を書いたヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)、マギル大学教授です。教授は本書の中で、「業績不振の米国企業のエグゼクティブでMBA取得者の比率は90%」といったデータを示しながら、もはや従来型のMBAは時代遅れであるとの主張を展開しています。

マギル教授の指摘を実践したわけではないでしょうが、一昔前に比べると海外のMBAを取得する日本人留学生の数にも、減少傾向が見られます。1990年代の日本では、まさに「海外MBAバブル」と呼ぶに相応しい現象が起こっていました。1991年にペンシルバニア大ウォートン校に留学した本荘修二ジェネラル・アトランティック日本代表は、その頃の状況をこう振り返っています。情報源は、『本当に強い大学 2006-減少する海外MBA、増加する国内MBA-MBAブームの今』(週刊東洋経済 2006年10月14日 64~69ページ)です。

「当時はバブル直後で金融機関からの派遣の数がすごかった。800人中30数人が日本人。その多くは、ほとんど英語を使わずにゴルフばかりしていて、勉強をしっかりしていたのは少数派だった」

その後、日本ブームが去ると全盛期には年間400~600人に上った米国トップ20以上のスクールへの留学生は激減。現在、その数は160人程度まで減ったという。「02年ごろが海外MBA留学者数のピークで、今は当時に比べ10%減くらい」とMBA留学予備校ザ・プリンストン・レビュー・オブ・ジャパンの横山匡会長は言う。

東洋経済の記事では、日本人留学生が減少した理由として次の3つを挙げています。

1つ目が、会社派遣の減少だ。90年代前半は留学生の9割が派遣という年もあったが、現在は50%程度にまで低下。MBA取得後に派遣先の企業を辞める卒業生が続出したこともあり一部企業は派遣枠を絞った。特に、メガバンクの合併により、金融業界からの派遣が減少した。

2つ目の要因が、中国、インド、韓国からの受験者の増加だ。とりわけ中国からの受験者数増加はすさまじく、「ハーバードでも中国からの受験生が相当増えている」と江川雅子ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチセンター長は語る。

そして3つ目が国内MBAの台頭。昨年よりMBAプログラムを開始したグロービス経営大学院の鈴木健一事務局長は、「MOT(技術経営)を含めた広義のMBAホルダーは毎年3,000人くらい生まれているのではないか」と推測する。70年代の慶應大、国際大、神戸大らを皮切りに、専門職大学院制度施行が契機となって03年以降MBAプログラムが急増。その影響を受け、「トップ20以下のスクールを狙う層が国内MBAに流れている」(横山会長)。

海外校に代わって国内MBAが人気化した理由の1つは、まずその費用の安さです。国立大学ならば1年間の学費は50万円程度で済みます。慶應、早稲田などの有力私立校の場合は200万円に増えますが、それでもハーバードの400万円の半額に収まるので、その差は無視することはできません。

国内MBA校が人気化した2つ目の理由は、内容面でも国内MBA校が海外MBA校に急速にキャッチアップしてきたことにあります。今では、海外校と比べても遜色のないカリキュラムを提供できる国内校も、少なくないようです。

グローバル企業で働くのでなければ、海外企業の事例を英語で学ぶより、日本企業の事例を日本語で学んだほうが役に立つ。人脈という点でも、仕事に直結しやすいといえる。

キャリアの点でも、「米国トップ30のスクールよりも一橋大のほうが価値が高い」(横山氏)。実際、編集部が国内主要企業25社に行ったアンケートでも、商社など海外との交渉が必要な会社を除けば、「海外と国内のMBAは同じ評価」と答える企業が約4分の3を占めた。

サッカーの日本代表選手のように、MBAホルダーを「海外組対国内組」といった基準で区別することは、もはや意味を持たないことなのでしょうか? しかし、すべての国内MBA校が高い評価を受けているわけではないことも、また事実です。雨後のタケノコのように増殖した国内MBA校の中には、すでに厳しい評価を受けているところもあり、国内組内部で二極化が進行しています。

『国内MBAスクールガイド』などの著書がある国内MBA専門予備校ウィンドミル・エデュケイションズの飯野一代表取締役は「これから国内MBAの淘汰が始まる可能性が高い」と言う。その理由は明確。

「関東では慶應、一橋、早稲田、関西では神戸などの人気校を除けば、多くの大学が定員割れ。1カ月間準備すれば、ほとんど誰でも合格できる」からだ。つまり、供給(学校)の拡大に、需要(生徒)が追いついていないのだ。

2007年に訪れると言われている大学全入時代より一年前倒しで、選り好みさえしなければ誰でも入学できる「MBA全入時代」が実現しているのです。したがって、国内MBAの場合では「どこの」学校を選ぶかが、極めて重要な選択になってきます。

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1,500万円もかかる米国MBA留学を決断する前に読むべきミンツバーグ

2006年07月28日

最近では国内で取得できる経営学修士号(MBA)も増えつつありますが、MBAの王道はやはり発祥の地の米国の大学でしょう。それでは、米国でのMBA取得を目指した場合、どれくらいの費用がかかると考えたらいいのでしょうか? 

留学支援のザ・プリンストン・レビュー・オブ・ジャパンは、その金額は合計で、1,500万円になり、時には2,000万円に迫る場合もあると試算しています。 情報源は、『取得までの学費や生活費、資格の値段いくら?――MBA、600万―2,000万円』(2006年7月4日 日経産業新聞 17面)です。

最初は授業料です。

有名校ほど高く、ランキング20位内に入るビジネススクールでは年3万ドルを超える。ペンシルベニア大ウォートン校で3万7,000ドル、スタンフォード大が3万6,000ドル、マサチューセッツ工科大(MIT)が3万5,000。これが2年分かかるため700万―800万円は必要だ。

次に米国滞在中の生活費です。

生活費は授業料とほぼ同額とされ、600万円は見ておいた方がいい。「都心以外では車が不可欠。教材費も学費とは別。学生が社会人同士なので、交際費も結構かかる」という。

以上が実際に通学するのにかかる費用ですが、その前段階として大学院受験料や各種資格試験の受験料も必要になります。これも合計すると、馬鹿にはなりません。

まず英語能力テスト「TOEFL」の受験料が140ドルで、入学適性試験「GMAT」は250ドル。3―4回受ける例が多いようだ。大学院の受験料は250ドルで、受験校数は平均5―6校。このほか見学や面接などで現地に行く場合もある。これらが合計60万円ほどになる。

さらに短期間で目的の大学に合格するには、受験予備校に通う方が効率的な場合もあります。

志望理由書の書き方や面接の受け方を学び、GMAT対策を講じるために留学予備校に通う人もいる。ザ・プリンストン・レビューの受講料は50万―120万円ほどで、合格者平均は80万円。

これらをすべて合わせると、1,500万円程度になります。加えて、英語力に自信がない人の場合は語学学校の費用もかかります。会社を辞めて、受験準備をする人は、その間の生活費も見込むべきでしょう。それらの費用も足せば、総額2,000万円に及ぶケースも決して少なくないという計算になります。

さて、それほどまでに多額の費用を投じて取得したMBAが、全く価値がないだけでなく、有害ですらあるという内容の翻訳本が刊行されました。


MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方
MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方ヘンリー・ミンツバーグ 池村 千秋

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著者は、『戦略サファリ』『マネジャーの仕事』等の経営学の名著を書いたヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg) マギル大学教授です。2004年に刊行された原著『Managers Not MBAs: A Hard Look At The Soft Practice Of Managing And Management Development』は、現在でも「米国アマゾンのレビュー平均で5つ星」、という高い評価を得ています。

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元Jリーガー司法試験合格でヘディングが脳細胞を破壊しないことが証明

2005年11月14日

最難関資格の1つと言われる司法試験に、元Jリーガーが合格しました。 情報源は、『元Jリーガー司法試験パス、2度目の挑戦で“ゴール”』(2005年11月14日 日本経済新聞 夕刊 16面)です。

サッカーから司法の道へ――。Jリーグ1部(J1)のガンバ大阪などで選手としてプレーした八十祐治さん(36)=大阪府高槻市=が今年の司法試験に合格した。

八十さんは大阪・茨木高、神戸大といずれもサッカー部に所属。Jリーグ発足の1993年、ガンバ大阪に入団し、中盤の選手として2年間でリーグ戦3試合に出場。その後はJFL(日本フットボールリーグ)のヴィッセル神戸(現J1)など3チームを渡り歩き、2000年シーズンを最後に現役引退した。

大学では経営学部で学んだが、「次の目標を考え、一番高いところを目指そう」と一念発起。東京で営業マンとして働きながら司法試験専門の予備校に通い、03年8月には試験に専念するために勤め先を退職した。

昨年の初受験では、3段階の2番目の論文試験で不合格となったが、あきらめず、2度目の挑戦で夢を達成。「机に向かう単調なことの繰り返しで本当につらかった。うれしいと言うより、ほっとした」としみじみ語った。

おめでとうございます。ヘディングのやりすぎは、脳に悪影響をもたらすという通説が誤りであることを、身をもって証明したことになります。

最近は、サラリーマンとして働きながら努力を続けた末に、大願を成就したという話をよく耳にします。NEC系情報システム会社ワイイーシーソリューションズに勤めながら、プロ棋士編入試験に合格した瀬川晶司氏もその一人です。

その瀬川氏のインタビュー記事が日経産業新聞に掲載されました。同氏がサラリーマン生活について語った部分を紹介します。情報源は、『プロ棋士に“転職”の瀬川晶司さん――あきらめないでよかった』2005年11月14日 日経産業新聞 24面)です。

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米国MBAへの志願者減少傾向から日本のMBAスクールの将来を占う

2005年09月01日

米国でMBA(経営学修士号)への志願者が減少傾向にあることが明らかになりました。3年連続の減少傾向なので、必ずしも一時的な現象とは考えられません。 果たしてこれをもって、MBA神話の崩壊と理解すべきでしょうか? これが全世界的なトレンドであるとすれば、新設ブームに沸く日本のMBAスクールの状況にも、影響を及ぼすことになるのでしょうか?、 情報源は、『MBA熱冷めた?――米で志願者3年連続減、企業、費用対効果見直し』(2005年8月31日 日本経済新聞 夕刊 1面)です。

米国でビジネスエリートのパスポートとしてもてはやされた経営学修士(MBA)の人気に陰りがみえてきた。ビジネススクール入学の必須試験であるGMATの受験者数は3年連続で減少。日本人の志願者も減っている。企業にMBA取得の費用対効果を見直す動きが広がる一方、人気校に志願者が集まる「二極化」も明らかになってきた。

GMATを実施する米教育団体GMACによると、2005年1―7月期のGMAT受験者数は78134人。93889人だった02年同期より17%減少した。全日制の有力129校を対象におこなった調査では、この九月に新学期が始まる05年度の志願者が前年を上回ったビジネススクールの割合は19%。MBA人気が盛り上がった02年度には84%だった。

志願者減の直接の原因は人口構造の変化で受験者層が薄くなっていることや、同時テロ後のビザ発給の厳格化による留学生の減少。さらにMBAは金融や会計など専攻ごとに知識が細分化され、「環境変化に即応できるリーダーの養成ではなく、中間管理職の量産機関になった」との批判が産業界で高まっている。

医薬大手アボット・ラボラトリーズなどはビジネススクールへの社員派遣と並行して自社内の教育プログラムにより多くの予算を使い始めた。「採用でMBAを特別扱いしない」と言明する企業も増えている。

志願者の減少やビジネススクール間の競争激化をにらみ、経営改革に踏み切る大学が出てきた。南カリフォルニア大が05年度から学生が2カ月ごとに専攻を変更できる仕組みを取り入れ、履修科目も大幅に増やすなど変革を模索し始めた。志願者が増えている夜間部を拡充する例も多い。

まず考えなければならないのは、MBAの本質です。記事中では、「ビジネスエリートのパスポート」と表現され、あたかも特別な資格のように扱われています。しかしMBAは、厳密な意味での資格ではありません。ここで言う資格とは、弁護士、公認会計士のように取得していれば、一定の独占的業務が保障されるものと解釈てください。

MBAは資格ではなく、学歴です。資格であれば保持の有無で線引きされるだけですが、学歴であればその中身も問われるのも当然です。すなわち、どこの大学のMBAを修了したかが問題になってきます。MBA取得者に対する需要が無限大でないとすれば、供給が増えると伴に、出身大学の中身で選別されるようになるのも当たり前でしょう。

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米国駐在時のCPA資格取得でキャリアアップしたGEキャピタルリーシング遠山卓治社長

2005年08月17日

米国公認会計士(CPA)という資格があります。会計制度へのグローバル基準導入が進む中で、ビジネスマンの中でも一時期注目を集めた資格の1つです。この米国CPAの資格取得をきっかけにキャリアップして、ついにGEキャピタルリーシング社長にまで登りつめたのが、遠山卓治(とうやまたくじ)氏です。同氏が米国CPA取得を目指した経緯が、今週発売の週刊東洋経済に掲載されました。情報源は、『能力磨いた米国時代 成長戦略の実現狙う-遠山卓治 GEキャピタルリーシング社長兼CEO』(2005年8月20日 週刊東洋経済 73ページ)です。

「あの経験がなかったら、今の私はない。経営的なものの見方はこのとき養われた」。米国でのことだ。それもGEに転職する前のヱスビー食品のときだ。入社3年目で米子会社に赴任。経理、生産管理から新商品開発、マーケティング、販売、拠点開設まで、あらゆる業務をこなした。特に物流拠点の構築では決して流暢ではない英語を駆使し、見知らぬ土地でタフな交渉を丁々発止やり合った。

仕事が終わると、自分自身のゴール達成に向け夜学に通った。寝不足と闘いながら、米公認会計士(CPA)とMBAを取得。すると、ある思いが自然に湧き起こった。「ファイナンスの専門知識を国際的な場で生かしたい」。その視線の先に「GE」があった。

遠山は負けず嫌いだ。そもそもCPA取得を目指そうとしたきっかけがユニークだ。ある日、米子会社の収益認識や経費計上などで、米国人公認会計士と意見が分かれた。会計士は最後に米国商法を持ち出し、遠山を説き伏せたという。知らない自分が悪いと悔しさをのみ込んだが、気持ちが収まらない。同じ土俵に立ってやると“猛勉”した。

遠山氏がグローバル企業の日本法人のトップの地位を勝ち得たのは、必ずしも米国CPAという資格のおかげだったと短絡的に結論づけるつもりはありません。資格取得はあくまでもきっかけと考えるのが適当でしょう。しかし、同氏が資格取得後にはファイナンスのスペシャリストとしての道を歩んだことを考えれば、米国CPAという資格が氏のキャリア形成に大きな影響を及ぼしたことは事実です。参考までに遠山氏の略歴も紹介しておきます。

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55歳の主婦が年齢を原因で国立大医学部不合格となった問題を考える(素人として)

2005年07月05日

最近は大学病院の医師による医療事故の話を耳にする機会が増えてきました。この理由は、昔に比べて医師の相対的な質が低下していることにあるのでしょうか? 必ずしも原因はそれだけではないと思います。昔であればもみ消されていたであろう医療事故が、内部告発や厳格な情報開示請求等により、一般の目に触れる機会が増えた影響もあるのではないでしょうか? 今回は、以前にも増して厳しい管理が要求される大学の医学部に関する話題です。本来年齢、性別に関わらず平等な教育機会を提供すべき大学に、こんな事件が起きています。 情報源は、「55歳理由に不合格」、点数は「合格」 目黒区の主婦、群馬大を提訴です。

群馬大医学部(前橋市昭和町3)の今年度入学試験で、年齢を理由に不合格にしたのは不当だとして、目黒区の主婦(55)が大学を相手取り、医学部医学科入学の許可を求める訴えを30日までに前橋地裁に起こした。

訴状によると、主婦は今年度入試で医学部医学科を受験したが不合格となった。群馬大に個人情報の開示を請求すると、主婦のセンター試験と2次試験の総得点が、合格者の平均点を上回っていたことが判明。

入試担当者に説明を求めたところ、55歳という年齢が問題となったという説明を非公式に受けたという。原告は「年齢を理由とした不合格判定は合格判定権の乱用」と主張している。

55歳の主婦が提訴した心情は十分に理解できるので、解説の必要もないでしょう。そこで、55歳の年齢を理由に不合格とした大学側の理由の方を考えてみます。1つは、60歳近い人間が10代、20代前半の若者と同じカリキュラムを消化することの難しさを考えたのでしょう。高齢者にとっては、教室での座学はともかくも、体力が要求される実習は特に困難が伴います。

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もっとお金の儲け方がわかるようになる MOT(技術経営論)とは?

2005年05月16日

現在脚光を浴びつつあるMOTは、通常 Management of Technology(技術経営論)と日本語で訳されています。このMOTをあえて Manegemet of Thinking と考えるユニークな社会人教育が東京理科大学で行われています。授業を担当するのは、同大学の客員教授・児玉充晴氏です。児玉氏の考えるMOT論のコンセプトを同氏のブログから紹介します。 情報源は、『目からウロコの上手な利益獲得手法~社会人学生の大人気授業を公開!』です。

最近、大学や企業内の優れた技術をビジネスに結びつける、技術経営(MOT:Management Of Technology)の専門家の育成が急務となっています。従来、MBA(経営学修士)の教育が実施されてきましたが、「技術への十分な理解に基づいて、技術をどう換金して経営して行くか?」に対して、答えを出せずにいたと思います。

また、ビジネススクールで「技術戦略論」とか「知的財産戦略論」と言った「○○論」をいくら学んでも、「良い技術を明日からどうしたらお金に換わるか?」に対して、答えは無いと思います。技術をいくら理論でいじくってもお金にはならないのです。

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競争激化時代の到来を見込んだ国内MBAスクールの独自戦略

2005年01月19日

大学全入時代を目前に控えて大学間の学生獲得競争が激化しています。少子化時代の到来は、マーケットが縮小することを意味するので、生き残りをかけて大学間の競争が熾烈になるのも当然でしょう。少子化対策の一環として各大学が、積極的に取り組んでいるのが専門職大学院の新規開設です。こうした専門職業人の育成は文部科学省の政策にも沿うものでもあります。さらに社会全体として高度な専門知識をもった職業人に対するニーズも高まりつつあるので、大学院では需給面での心配は当面なさそうです。しかし、大学院進学者数も未来永劫に増え続けていくわけではありません。もしこのままの勢いで大学院の開設が進めば、早晩、専門職大学院も大学と同じ厳しい競争環境を迎えるのは確実です。経営大学院(MBA)の競争時代が到来することに備えて、すでに一部の学校では、カリキュラムに独自性を打ち出す戦略をとり始めています。 最初に紹介するのは、新聞での扱いが最も大きかった慶應大学院のビジネススクール(KBS)の取り組みです。 情報源は、『MBA、医科学修士、慶大が“乗り入れ”制――医療に強い経営者を育成』(日本経済新聞 2005年1月19日 朝刊 38面)です。

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理系専門職大学院経営には文系大学院の轍を踏まないためにも長期戦略発想が必要

2004年12月30日

以前に、週刊東洋経済に掲載された上場企業に占める社長・役員の出身大学のデータから、日本企業での理工系学部出身者の比率の低さの問題を指摘しました(MOT(技術経営教育)の前に、義務教育段階の理数系教育改革を『もっと』やるべき)。 現実は、技術と経営の両方が理解できる人材を望む産業界の声とは全く逆の結果となっていたわけです。だからこそ、そのような資質を備えた人材に対する需要がますます高まるのだという見方もできます。そんな中、理工系専門大学のトップに位置する東京工業大学が、いよいよMOT(技術経営教育)に乗り出すことが発表されました。 情報源は、『MOT大学院、東工大が開設発表』(2004年12月27日 日経産業新聞 15面)です。

東京工業大学は24日、MOT(技術経営)大学院「イノベーションマネジメント研究科」を来年4月に開設すると発表した。従来の修士課程に加えて、博士課程も履修できるようにする。実務経験がある人材を講師に招き、知的財産など幅広い知識を社会人受講生らに教える。修士課程にあたる「技術経営専攻」(標準2年)と、博士後期課程「イノベーション専攻」(3年)を設置する。定員は1学年で各30人と7人。修了要件には修士で40単位以上の取得や研究リポートの発表、博士課程で必修科目の履修や学位論文の発表などがある。

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MOT(技術経営教育)の前に、義務教育段階の理数系教育改革を『もっと』やるべき

2004年12月21日

この前の投稿「社長もいろいろ」時代に「社長の出身大学ランキング」の意味はあるか を書いたときに気づいた話題を改めて投稿します。前回ご紹介した東洋経済調査の上場企業社長の出身大学のランキングを再掲します。しかし、残念ながら私が知りたかった本当の情報はここにはありません。それは、出身学部が文系と理系とどちらに属するのかということです。情報源は、『上場企業の社長を数多く輩出する大学』(週刊東洋経済 2004年12月18日 p.146)です。

順位大学名社長数役員数学生数
1慶応義塾3683,06732,137
2東京2412,60927,312
3早稲田2182,68150,204
4京都1201,41621,617
5日本1071,05982,927
6中央951,48229,189
7同志社8277024,016
8明治731,00533,505
9大阪5658220,201
10一橋518146,528
21東京工業312409,878

文系、理系の学部別のデータがないので、無理を覚悟の上、同じ東京にある国立大の一橋大と東工大の数値の比較で代替することにします。前者を文系の代表、後者を理系の代表として考えることにします。

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日本で取れる会計資格 ハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンまで

2004年11月09日

今年度の公認会計士試験の合格者状況が発表されました。 情報源は、『会計士合格、最多の1,378人――2次試験9%増、就職難は深刻化』(2004年11月9日 日本経済新聞 朝刊 17面)です。

公認会計士・監査審査会は8日、2004年の公認会計士第二次試験の合格者が前年比9%増の1,378人と発表した。受験者数、合格者数、女性の合格者数いずれも過去最多だった。ただ、大手監査法人の今秋の採用人数は前年比横ばいで、就職難の深刻化を懸念する声も出ている。今年の受験者数は16,310人で前年より9%増えた。うち女性の合格者は同27%増の261人だった。合格率の8.4%、合格者の平均年齢26歳は前年と変わらなかった。最年長合格者は50歳で、最年少は20歳だった。

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