毎朝通勤電車で新聞を読むことはなぜ時代遅れの非生産的行為なのか?

2007年07月18日

私は新聞を読むことを朝の日課としています。月に一度ある新聞休刊日に生活のリズムが乱されたように感じたりする私は、今の時代には古いタイプの人間なのかもしれません。そんな私にとって気になるタイトルの記事を見つけました。その道の専門家(ガイドと呼ぶ)が執筆する「All About Japan」「朝に新聞を読んではいけない」です。

筆者は午堂登紀雄という方で、プロフィールには「独自の投資理論と手法を駆使し、貯金70万円から1年で3億円の資産形成に成功」とあります。どうやら資産運用の専門家のようです。

「朝」に最も重要な仕事、クリエイティブさを要求される仕事、難易度の高い仕事、緻密さを要求される仕事をすべきだ、ということは明らかです。だからこそ、過去も現在も「朝」の重要性が叫ばれるのでしょう。では、私たちはその貴重な朝の時間を、本当に有効に活用しているでしょうか。「朝型が成功の秘訣」と早起きしたり、時間管理のノウハウ本を読んでコマ切れ時間を有効に使ったり、という努力も悪いことではありません。

しかし、そもそも、集中できる時間帯に集中してやるべきことをできなければ、できる量も質も落ちてしまいます。逆に言うと、朝をうまく使えれば、眠いのに無理して早起きしたり、電車の待ち時間にせせこましく電子ツールを取り出したりしなくても、十分有意義な一日となるものです。時間管理の細かなテクニックは、その後でも間に合います。

大切なのは、朝にやるべき仕事を集中させ、時間の密度を高めることです。睡眠時間を減らすのではなく、時間の密度を上げること。細切れ時間を意識する前に、集中できるときに集中してやること。これが大原則です。ではどうすればいいのか、ですが、簡単な方法をご紹介します。

時間管理の細かなテクニックを学習しようとするよりも、まずは朝に重要な仕事を行うことに集中せよ、というのが筆者の主張です。これはよく言われていることなので、特に違和感を覚えることもありません。続いて紹介されている「簡単な方法」とは、以下のようのなものです。

  • 朝に新聞を読んではいけない
  • 朝にメールチェックしてはいけない
  • 朝にTODOリストを書き出してはいけない
  • 朝の通勤電車は寝てはいけない
  • 午前中に人と会ってはいけない

いずれも「~いけない」ばかりです。筆者の言う通りに実践した場合、ほとんどの人が朝にやることがなくなってしまうのではないでしょうか? 実際のビジネスの現場では、本当にクリエイティビティが要求される仕事はそれほど多くもないでしょうし、そのためにこれらのルーティーンワークをすべて放棄する必要もないように思います。また、たった一人で仕事をする人以外には、実行するのが難しい方法のようにも感じます。

同様の感想を持った人も多いようで、この記事をピックアップしたソーシャルブックマークのnewsingでも、ポジティブな評価1件に対して、ネガティブが11件と、極めて不評です。

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教わるだけでなく、教えることもできる無料動画レッスンサイト「アンセルフ」

2007年05月28日

CyberBuzz依頼投稿(※)

CGM(Consumer Generated Media)の注目の分野の1つが自己啓発と教育です。今回は、完全無料の動画レッスンサイト「アンセルフ」(unself)を紹介します。unselfとは英語のunselfish(利己的でないこと)とは無関係で(本当は関係あるのかも?)、「self university」の意味を込めた造語です。unselfでは動画映像のことも、学校風に「キャンパス」と呼ばれています。

アンセルフのコアバリューは、「教える/教わる」
人と人が、教えることや教わることを通じて、何かを感じること。
これまでにない「キャンパス」での体験で、
あなた自身で、新しいあなたを見つけたり、
新しいあなたの可能性に気づいていただきたいと願っています。

無料動画レッスンサイトunself カテゴリー unselfでは17のカテゴリーから、自分にぴったりの無料レッスンを選ぶことができます。
その中で著名講師による「プレミアルチーチャー」レッスンは、120講師、915レッスンが現在開講中です。

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外務省のラスプーチンと呼ばれた佐藤優氏の連載『知の技法 仕事の技法』開始

2007年05月24日

週刊東洋経済の今週号から、佐藤優氏が執筆する連載記事『知の技法 仕事の技法』がスタートしました。外務省で主任情報分析官を務めた佐藤氏は、その辣腕ぶりから「外務省のラスプーチン」と恐れられていた外交官です。しかし、2002年には「鈴木宗男事件」に絡んだ背任容疑で逮捕され、2007年に二審の東京高裁で執行猶予付き有罪判決を受けました。

この二審判決を不服として上告中のため、佐藤氏の現在の正式な肩書きは「起訴休職外務事務官 佐藤優」という珍妙なものになっています。国策捜査によって容疑者にされたと主張する佐藤氏が著した『国家の罠』『獄中記』はベストセラーになり、『自壊する帝国』は第38回大宅壮一ノンフィクション賞にも選ばれています。

一連の執筆活動を通して、博覧強記ぶりが注目されてきた佐藤氏が始める連載と聞けば、期待感が高まるのは当然でしょう。「立身出世するために今、あなたがすべきこと」という副題がついた第1回目の冒頭は、本連載のターゲットに関する説明から始まります。情報源は、『知の技法 仕事の技法-第1回-立身出世するために今、あなたがすべきこと』(週刊東洋経済 2007年5月26日 104~107ページ)です。

ここで筆者が想定しているのは、20代から30代前半のビジネスパーソンであり、「仕事は言われたことだけをやり、安楽な生活が保証されればよい」と考えている人々は対象にしない。よく言えば意欲的で知的好奇心の高い、悪く言えばがっついていて、他人を蹴落としてでも立身出世したいと腹の中で思っているビジネスパーソンだ。もちろんこの連載は30代後半以降の人々にも参考になる内容を多々含んでいる。

佐藤氏らしい率直な言い回しです。しかし、同氏が想定している読者ターゲットと週刊東洋経済の主たる読者層(40代~50代が中心)との間には、若干のズレがあるように思えます。20代~30代前半のビジネスパーソンをメインターゲットにするのであれば、『日経ビジネス Associe (アソシエ)』『THE 21 (ざ・にじゅういち)』あたりのビジネス誌が、相応しいのではないでしょうか?

情報分析の専門家としては、事前の状況分析が少し甘いような気もしますが、深く突っ込むことはやめにしておきます。最近では、『PRESIDENT (プレジデント)』という名前からして上級管理職向けの雑誌も、20~30代当たりをターゲットにしたような誌面づくりに様変わりしています。団塊世代の大量退職を見込んで、ビジネス雑誌が読者ターゲットの低年齢化を進める戦略を取り始めた可能性も、十分に考えられますし。

この連載では、インテリジェンスを扱うことができるビジネスパーソンの養成を念頭に置いている。特殊情報の世界では、情報の収集、分析のみならず、ライバルを蹴落としたり、偽情報で陥れる謀略も重要な要素になる。また、そのような謀略から身を守ったり、こちら側が持っている秘密情報を相手に取られないようにするカウンター・インテリジェンス(防諜)も必修科目になる。インテリジェンスの技法を身につければ、それを立身出世に応用することは、それほど難しくない。

まずインテリジェンスの定義を明確にしておきましょう。インテリジェンスとは、「通常の情報(インフォメーション)の信憑性を精査した上で、政策に生かすための評価を加えた情報」のことです。米国中央情報局CIA(Central Intelligence AgencyCIA)の「I」に当たります。引用した記事にもあるように、日本の外務省ではインテリジェンスを、「特殊情報」と呼んでいます。

さて、ここから本題である立身出世のための心得が始まります。佐藤氏が出世するために大事だと考えるのは、「いちばん病」から抜け出すことです。

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数字に強くなりたければ「誤差の2割3割当たり前の精神」で挑戦すべし

2007年04月19日

先週発行の週刊東洋経済には、「数の極意&学習法27」と題して、数字の苦手意識を克服するためのいろいろな方法に関する特集記事がありました(週刊東洋経済 2007年4月14日号 38~83ページ)。記事の中で数字に強い経営者として挙げられていたのが、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長、京セラの稲盛和夫名誉会長、ソフトバンクの孫正義社長です。3氏が実践する経営へのデータの活用法が紹介されています。

ビジネスにも活用できる実践テクニックとしては、「失敗学」の権威の畑村洋太郎・工学院大学教授が、「数感覚」が冴える畑村式トレーニングを紹介しています。畑村教授の提唱するトレーニングは、次の5つの法則がベースになっています。

データがないと考えられない→法則1 数はその場で作る!

数は正確でなければならない→法則2 倍・半分の誤差は許される!

何でもパソコンで計算する→法則3 自分のアタマで計算する!

数は合計が大事→法則4 何でも1人当たりで見る!

数は「量」で見る→法則5 数の「質」も見る!

野口悠紀雄・早稲田大学教授も、ケインズの言葉「正確に間違えるよりも、漠然と正しくありたい」を引用して、多少の誤差をおそれずにドンブリ勘定に挑戦することの重要性を説きつつ、経済を理解するのに必要な基本データの計算方法を紹介しています。その一例として挙げられているのが都道府県の人口数です。

人口の「相場観」を持っておくのも重要なことです。日本全体の人口が1億3000万人。都道府県の数を約50とすれば、1県当たりは全人口の2%ぐらいですが、東京都など大きな都道府県もあるので、実際はもっと低くて、大体1%と思えばいい。

そうすると、3大都市圏以外の県だと、人口は大きくて約150万人、小さいところで約100万人です。そのうち、県庁所在地の規模が大体約3分の1と考える。つまり、日本のごく一般的な県庁所在地の人口は約30万人ということです。

私は講演に行ったときに、この県の人口はこのくらいでしょうとよく言うんですが、誤差はせいぜい2~3割です。平均に比べて大きいか、小さいかという判断で大体わかるわけです。

さすが野口先生、非常にわかりやすい説明です。県の人口は「だいたい100万人~150万人」と覚えればよいとは、まさに「目から鱗」という感じです。

タイミングよく4月16日に、総務省から2006年10月1日現在の推定人口が発表されたばかりです。できたてほやほやの都道府県別人口(PDF)で、野口先生の教えを確かめてみることにしました。

平成18年10月1日現在の都道府県別の人口は,東京都が1265万9千人と最も多く,次いで神奈川県(883万人),大阪府(881万5千人),愛知県(730万8千人),埼玉県(707万1千人)となっている。以下,人口600万人台が1県,500万人台が3道県,300万人台が1県,200万人台が10府県,100万人台が20県,100万人未満が7県となっている。

人口順位を前年と比べると,神奈川県が大阪府を上回って第2位となったほか,岩手県と滋賀県の順位が入れ替わった。上位5都府県の順位が変わったのは,埼玉県が北海道を上回り第6位から第5位となった昭和58年以来,23年ぶりのことである。

なお,東京都,神奈川県,大阪府,愛知県及び埼玉県の上位5都府県の人口で全国人口の35.0%を占めている。

最新のデータでは、200万人以上が20県、100万人以上が20県、100万人未満が7県ということで、「だいたい100万人~150万人」とはちょっと違うような感じがします。そこでデータをさらに詳しく見ることにしました。

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複雑な日本のマインドマップ事情を整理するにはマッピングが必要?

2006年10月17日

根強い人気のあるLife Hacksツールの1つが、英国人のトニー・ブザン氏が開発した図解表現法のマインドマップです。その本家マインドマッパーのブザン氏がマインドマップの本格普及に向け、日本で専門の会社を設立しました。情報源は、マインドマップ生みの親“公認”会社、国内で設立です。

“マインドマップの生みの親”トニー・ブザン氏が公認したという「ブザン・ワールドワイド・ジャパン株式会社(BWJ)」が設立された。代表取締役は神田昌典氏。

会社案内によると、設立日は2006年10月4日。今後はマインドマップに関するセミナー・イベントの開催、通信教育講座の販売、研修講師養成、講師派遣業務を行っていく予定だ。

同社は今後、11月26日に親子向けのセミナー(参加費5250円)とトニー・ブザン氏と神田氏を招いたディナーセミナー(同10万5000円)を行う。また、公認インストラクター(受講費84万円)と、シニア公認インストラクター(同525万円)の養成も予定している。

BWJ社の代表取締役に就任するのは、近著『お金と正義』が販売絶好調の経営コンサルタント神田昌典氏です。トニー・ブザンが兄のバリー・ブザンと一緒に書いた『ザ・マインドマップ』を翻訳したのも神田氏ですので、日本に本格進出する際のパートナーとしては適任でしょう。なお、本書は2005年11月にダイヤモンド社から発売されています。

つまり、これは書籍出版11年を経過してオリジナルのパートナーが再び手を組み、今度はセミナーをスタートするという話、と単純に考えておけばいいのでしょうか? しかし、実際はそれほどシンプルではありません。11年もの期間があれば、日本のマインドマップを巡る事情も大きく変化しています。BWJ社の「インストラクター募集告知」のページには、マインドマップの権利に絡む複雑な事情を示す記述が見られます。

アンソニー・ロビンズ、スティーブン・R・コヴィー博士に並ぶ、知の三大巨人の一人であるトニー・ブザンが、直接、あなたの指導を行います。

このような奇跡的なチャンスが降ってきた理由は、ただいま全世界規模で、トニー・ブザンがグループ再編を進めているからです。マインドマップ(R)については、全世界的に商標・知的所有権の保護・管理体制が整い、ブザン・センターズ・ワールドワイド、PLC【本社ロンドン、CEOキャロライン・ショット  http://www.buzancentresworldwide.com】 が、トニー・ブザン主導のもとに設立されました。

そして、その世界戦略の極めて重要な拠点として、この度、私、神田昌典を代表としまして、ブザン・ワールドワイド・ジャパン株式会社【英語名 BUZAN CENTRES WORLDWIDE JAPAN, KK】が日本に設立されました。当社は、マインドマップ(R)商標および知的所有権を使ったセミナー・講演会等の開催を正式認可された、日本における唯一の機関になります。

BWJ社が正式認可された、日本における唯一の機関と強調しているのは、実は日本国内でマインドマップのセミナーを実施している団体として、「ブザン・ジャパン(BJ)」が存在するからです。BJ社の代表であるがウィリアム・リード氏は、BJ社のサイトでは、次のように紹介されています。

アメリカ、ミズーリ州に生まれる。1972年早稲田大学交換留学生として来日。 日本語、合氣道、書道を同時進行で修得しました。

翻訳・通訳、ジャーナリストを経て、2005年1月、世界で5人目、日本では唯一のブザン・リミテッド公認マスタートレーナー資格を取得し、日本国内でブザンの知的資産を守り普及するための組織としてブザン・ジャパン(本国ブザン公認)を設立しました。

「本家・元祖」といった、国内のマインドマップ・セミナーの正統性を争う問題に発展しそうな話です。さらにBJ社の2005年7月11日のニュースリリースには、こういう記述もあります。

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ゲーム理論の説明のために現在進行中の姉歯事件を持ち出すのは?

2006年09月09日

昨年度の2005年ノーベル経済学賞を授賞したのは、ゲーム理論の権威、オーマン氏とシェリング氏です。この発表を受けて、ゲーム理論がブーム化するのを当て込んで、特設コーナーを設置した書店も少なくありません。

しかし日本では、期待されたほどのゲーム理論ブームは起こっていないように思います。ビジネスを含めて日常の意思決定に利用できる可能性に富んだゲーム理論ですが、紹介される事例にあまり身近なものがないことが、ゲーム理論が普及しない理由の1つだと考えられます。

ノーベル賞を受賞したシェリングが1950年代にゲーム理論で分析した対象は、核戦争でした。また、ゲーム理論の説明で最も使われることが多いのは、囚人のジレンマです。核戦争や囚人の話を例にされても、いまひとつ現実感が湧きません。

ライブドアの堀江貴文被告と宮内亮治被告の関係に、囚人のジレンマをあてはめることはできそうにも思えます。しかし、自白すれば刑が減免される司法取引制度は日本には存在しないので、そもそもゲーム理論の前提が成り立ちません。

ゲーム理論の普及には、もっと身近な事例を示す必要があると考えたのでしょう。日経ビジネスオンラインでは次のような事例を持ち出して、分析手法の1つを紹介しています。情報源は、もっとクールに仕事をするための使える「ゲーム理論」<第1回>です。

Q.買ったマンションが構造欠陥、ゲーム理論でどう解決?
35年のローンを組んでやっと買った夢のマイホームが、国が示す耐震基準を満たしていない欠陥マンションだった。行政はすぐに取り壊すと通告してきた。住む所と損害賠償を販売会社に求めようにも、資金力が乏しく、倒産の恐れもある。資産をより確実に残すためにはどういう戦略を取るべきなのだろうか


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日本代表の好調が続けば、生煮えのオシム語録を口走る社長が増える

2006年08月10日

イビチャ・オシム新監督を迎えたサッカーの日本代表が初戦を飾りました。親善試合とはいえ、ワールドカップ・ドイツ大会にも出場したトリニダード・トバゴを2-0で破ったわけですから、オシム・ジャパンは順調なスタートを切ったと評価してもいいでしょう。さらに今回の試合の準備期間がわずか3日しかなかったことを考えると、オシム新監督の評判もますます盛り上がってくると思われます。

オシム氏の指導力の高さは、その卓越したコミュニケーション能力にあると言われています。今週発売された週刊ダイヤモンドでは、同氏のコミュニケーションの特徴を、次の4点に分析しています。 情報源は、『オシムの話し方に学ぶコミュニケーションの極意』(週刊ダイヤモンド 2006年8月12・19日合併号 38~39ページ)です。

1. 選手をよく見て理解する

『オシムの言葉』の著者・木村元彦は、「オシムはシュートが決まっても、後ろに回った人を『いい動きだぞ』とまずほめる」と指摘する。ゴールに直結したプレーしかほめない監督の下では、得点に直接絡まないがチャンスを生み出す“ムダ走り”がなくなってしまう。

また、無名でもモラールの高い選手を選び、誰がどこをやりたがっているか常に把握しようとする。

2. 選手を公平に扱う

「ジダンやロナウドが間違った動きをしている。それを指摘できなければ監督という呼び名は返上すべきだ」。たとえば、ジェフでチーム得点王だったチェ・ヨンスに対し、歴代監督は“点さえ取ればOK”というスタンスだった。だがオシムは、「守備をしないと、お前も使わない」と告げている。

これはユーゴ時代の経験が大きいだろう。分裂前のユーゴ代表チームは、各民族のナショナリズムに翻弄されていた。試合の開催場所の民族を選手として出さなければ、監督は激しく攻撃されたのである。それでもオシムはこうした要求を無視し、「能力に応じて公平にベストメンバーを揃える」と公言し、実行し続けた。「複雑な感情で生きてきたオシムの公平さは、筋金入り」(サッカー解説者の中西哲生)。これは“選手をよく見て理解する”態度とも不可分だ。

3. 厳しい言葉をかける

「集中できずに、ピッチで寝るのなら、ホテルに帰って寝ていてくれ!」「お前、サイドで工藤(浩平)よりいいプレーができないなら、もう試合に出さないぞ」(MFの羽生直剛に)。オシムは厳しい言葉で、ミスに対する注意を選手の頭にたたき込む。だが、むやみに厳しく叱るだけでは、選手のモチベーションを下げてしまう危険もある。オシムが選手をよく見て理解し公平に扱うからこそ、厳しく言うことが効果を持つのだ。

4. 選手に考えさせる

「システムが選手を作るんじゃなくて、選手がシステムを作っていくべきだ」。オシムはトルシエ流の型にはめるサッカーに対して、否定的だ。そうではなく、ジーコが成し遂げられなかった「自由」なサッカーの前提となる、選手が考え即断することを促す言葉を頻繁にかける。「お前は確かに動いているけど、効率的かどうかはわからない」「相手のいやがるところに入るのを増やせ」(羽生に)。

やる気を高めるのにアメで釣り、ムチで脅すやり方がある。だが、オシムは違う。「モチベーションを上げるのに大事だと思っているのは、選手が自分たちで物事を考えようとするのを助けてやること。自分たちが何をやるか、どう戦うのかを考えやすくしてやる」。

サッカーという厳しい勝負の世界で、オシムが実践しているコミュニケーション術。彼の話し方から、ビジネスマンが学べることは多い。(敬称略、オシムの発言は『オシムの言葉』より)

現役の経営トップの中にも、オシムの信奉者は増えつつあります。『オシムの言葉』が企業組織を率いる経営者にも参考になると薦めるのが、自他共に認めるサッカー通の富士ゼロックス有馬利男社長です。有馬氏は経営とサッカーの共通点を次のように述べています。 情報源は、『「オシムの言葉」を経営書として読む』(週刊東洋経済 2006年8月12・19日合併号 36~37ページ)です。

経営とサッカーには共通点が非常に多い。監督はグラウンドストラテジーを考え、選手を鍛え、選抜するのが仕事ですが、実際に行動するのは選手たちです。試合が始まればピッチの中の選手が自立して、自発的に考えてプレーしなければならない。それは経営と似ています。

ゲームが始まったら手出しができないからこそ、監督はゲームのビジョンをはっきり示し、プランを持たなければならない。それには監督が現場に下りていき、選手と密にコミュニケーションを取ることが大事です。ジーコ氏は、必ずしも現場ときっちりコミュニケーションが取れていなかったのではと思いますね。

経営者が現場とコミュニケーションを取るのは簡単ではありませんが、そこで参考になるのが『オシムの言葉』です。含蓄ある豊かな表現はそれだけで読み応えがありますが、決して妥協しない姿勢、ビジョンをわかりやすく伝える方法論など、さまざまな要素が詰まっています。

選手へどういう言葉で伝えるかはとても重要です。オシム氏の言葉はただ厳しいだけでなく、思いやりや温かみが感じられます。「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に肉離れをしますか? 準備が足らないのです」という言葉があります。ケガをした選手にオシム氏が掛けた言葉ですが、非常に厳しいメッセージを絵でイメージできる形で、柔らかく表現しています。オシム氏は数学者を目指していたそうですが、物事をコンセプチュアルに整理してとらえる能力も並大抵のものではない。

「重要なのは、ミスをして叱っても使い続けることだ」という言葉も出てきます。これなども、経営者がやろうと思ってもなかなか実践できないことです。当たり前のことをとことんやり抜く妥協のなさ。これもリーダーにとって必要な資質です。

オシム氏の言葉を便利に使える名文句として多用すべきではないし、ジーコ氏のときのように監督を神格化することにも危機感を抱きます。それでも、オシム氏には経営者として学ぶところが非常に多いですね。

クレディセゾンの林宏社長も、『オシムの言葉』をビジネス書として推薦する経営者の1人です。情報源は、『経営トップ40人に聞く この夏 部下に薦める80冊』(日経ビジネス 2006年8月7・14日合併号 122ページ)です。

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マインドマップを使ってブログを書くことに挑戦してみた(失敗の巻)

2006年02月16日

マインドマップを仕事で使ってみようと考えました。『マインドマップ練習帳―即効!だれでも・やさしく学べる』をざっと読んだかぎりでは、しごく簡単なツールのようの思えたからです。現在は、無料ソフトの FreeMind で慣らし運転中といったところです。初期投資額としては、1,050円(税込み)の参考書代だけなので、失敗したとしてもたいしたことはありません。

企画書の作成や、ミーティング・ミニッツの整理には、よさそうな感じです。今回、練習の一環としてブログのネタの整理にも使ってみました。本日の日経新聞朝刊1面の記事『日航、内紛が表面化、国際線担当役員ら、社長に退陣要求』をヒントに、「社長交代」をテーマに整理したのが以下のマップです(クリックで拡大)。



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高橋メソッドで忘れかけていたプレゼンの原点を考える

2005年09月15日

低価格ソフトのソースネクストが、マイクロソフトの牙城を崩すことを狙って、プレゼンテーション用ソフトの新製品を発売しました(PDFソフトでアドビを動かしたソースネクストが次に狙うターゲット)。これはあくまでもパワーポイントの互換製品なので、プレゼンテーション手法に革命をもたらすものではありません。

今のプレゼンに飽き足らないという方にお奨めなのが、『高橋メソッド』です。画期的なこのツールは、しかも無料というおまけつきです。 情報源は、『「簡単・効果」第一に考案、プレゼン・勉強に広がる』(2005年9月10日 日経プラスワン 13面)です。

8月下旬の東京都内。コンピューター言語の開発者らが集う会議で、内容もさることながら、発表方法のユニークさが参加者からひときわ注目を集めたプレゼンテーションがあった。

高橋メソッド 「言語の柔軟性でカバー」「規約が重要」……。新聞や雑誌の見出しのような言葉が、スクリーンに映し出される。グラフや図表がないばかりか、文字による個条書きの説明すらない。一枚の画面に現れるのは巨大な文字の単語や短文だけ。ほとんどが十文字以内で完結する。

高橋メソッド 発表をしたのはプログラマーの高橋征義さん(33)。2004年8月に、同様の形式で発表したところ面白くてわかりやすいと評判を呼び、春ごろから「高橋メソッド」としてインターネット上を中心に話題となった。紹介するホームページには一時、パンク寸前にまでアクセスが殺到した。「新入社員に業務内容を説明するために、高橋メソッドを使ったら大成功した」といった声もある。

高橋さんは4年ほど前、大勢の発表者が5分間の時間を与えられて発表する機会を得た。短時間で伝えるために思いついたのが、大きい文字で表現する手法だった。資料の作成そのものには手間がかからないが、「言葉の選び方はかなり考えている」と高橋さん。「短い言葉を選んでいくうちに、言いたいことを簡潔にまとめやすくなった」。

残念ながらこの記事を読んだだけでは、高橋メソッドの迫力は伝わらないのかもしれません。幕張メッセあたりの大会議場のスクリーンに、巨大な文字だけが投影されるイメージを想像してください。それでも、実感できないようであれば、自分のPCで試してみるのが一番です。

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百式管理人の田口元氏はやはり情報収集・整理の達人

2005年09月06日

いかに効率よく情報を収集して、集めた情報を整理するかによって、ビジネスマンの生産性が左右されると言っても過言ではありません。したがって、独自の情報収集・活用法を編み出しているビジネスマンも少なくありません。第一線で活躍するIT系ビジネスマンの情報収集・活用術に関する記事が、今週発売の週刊AERAに掲載されました。その1人として登場するのが、百式の管理人・田口元氏です。

百式は、面白くて役に立つサイトやツールを紹介するメルマガです。その内容の独創性もさることながら、2000年1月の開始以来1日も休むことなく配信されていることでも有名です。現在は登録者数が2万人、転載分を含めると、読者数も10万人を超えると言われる超人気メルマガになっています。今回は、田口氏のユニークな情報収集・整理術を紹介します。 情報源は、『IT経営者のネット活用術』(AERA 2005年9月12日号 34~36ページ)です。

「ネタ集めは毎朝6時からの約1時間のネットサーフィンで集中して行いますね」

「BBC」や「USA TODAY」など、定期的に見ているサイトや、RSSリーダーに登録している300ほどのサイトから更新された新しい情報など、200ほどの記事を見て回る。

「面白いサイトは検索エンジンでは見つからないですから」

当初は、海外の雑誌が情報源だったが、最近は「lifehack.org」など、仕事の生産性を高めるためのノウハウを紹介した海外サイトが、よくネタ元になっている。

300ものサイトの更新情報を1時間あまりの短時間でチェックするには、個々のサイトを直接調べるネットサーフィン型の方法では不可能でしょう。実際に田口氏もRSSリーダーを活用しています。従来のネットサーフィン型の情報収集法と、RSSリーダー型の情報収集法との違いについては、人間には、RSSリーダーを使っているか使っていないかの二通りしかないにも、説明されています。

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「トリンプ」と「はてな」業種・業態は違っても元気印会社の会議は共通点が多い

2005年08月05日

無駄な会議をなくそうという掛け声だけは、どこの企業でも聞かれるものです。実際にはどの程度効率的な会議が行われているのか、怪しいところがたくさんあるのではないでしょうか。逆に会議の開催方法を見れば、その企業の体質を判断できるものです。今回は、毎日全員参加型のユニークな会議を開催している事例を2つ紹介します。1つ目は、早朝会議で有名なトリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎社長のインタビュー記事です。 情報源は、『情報をオープンにし社員の意識を改革 早朝会議とノー残業で生産性を向上』(2005年8月6日 週刊ダイヤモンド 88~91ページ)です。

――会議は朝何時からですか。

8時半からやっています。会社は9時半始まりなので、その1時間前からです。遅くとも10時には終わるようにしています。

―一1回の会議で、どれくらいの案件をこなしているのですか。

40~50件はあります。1件当たり2分で決めている計算になりますね。その場で結論が出ないものは、「判断できるように、翌日までにこういう資料を集めておいてほしい」ということになり、次の議題に移ります。

2分で決めるといっても、そんな大きな内容ではないのです。問題は細分化していますから。実際、「誰が何をいつまでに」と具体的にするためには、細分化せざるをえない。

――会議の参加者は資格などで決まっているのですか。

参加したい人は、総務に言ってくれれば参加できるようになっています。最低、参加してほしいのは、営業は部長以上、本社の管理部門の課長以上。会議ではどの部門に関係していることが飛び出してくるかわからないし、会議に参加することで、「聞いたことがない」とは言わせない。

――人数は?

本社だけで50人ぐらい。全国7ヵ所をテレビ会議で結んでおり、地方からも20~30人が出ています。

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全米で注目の情報化時代の仕事術の教祖、デビッド・アレンって日本でも有名?

2005年07月21日

大バトル勃発! AmazonレビュアーVS著者からの情報です。会社は誰のものかの著者吉田望氏とその本のレビューをアマゾンに書いたnomadica氏との間で、激しいやり取りがあったそうです。ことの顛末は、nomadica氏のブログLynceusに詳しく載っていますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

バトル勃発が怖くなったので、このブログでも当分の間は、筆者が見ている可能性の高い書籍に関しての意見は控えることにしました。そこで今回は、米国で注目されている原書を題材として取り上げることにします。これなら著者に見つかることもないでしょうし、もし見つかったとしても読めませんから。 情報源は、時間と仕事の整理術『GTD』がカルト的人気です。

情報化時代のバイブルだと評判の本がある。これを読むと、ストレスで疲れきっていた働きバチが、やるべきことのリストを片っ端からこなしていくのに夢中になり、一見カルトらしからぬ新たなカルトの信者と化すという。

信者たちが人生の指針と入れ込んでいるのが、時間管理術を説いた人気の指南書仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法[邦訳はまの出版刊]だ。個人の生産性を高める術のエキスパートである著者のデビッド・アレン氏は、教祖としてあがめられている。

仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法
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