産経VS朝日の紙面バトルがネットで再現されれば、新聞3紙共同ポータルも人気沸騰?

2007年10月03日

このサイトでも何度もお伝えしてきた通り、読売、朝日、日経の共同ポータル「ANY」が来年スタートすることになりました。共同ポータルの楽しみの1つは、元々論調の異なる各紙が書いた記事や社説を、ネット上で簡単に読み比べられることでしょう。現状では複数の新聞を購読でもしていないと、こんなチャンスはめったにありません。

現在も産経新聞と朝日新聞の間で、紙面上のバトルが勃発しています。両紙のメンツを賭けた全面戦争に発展しそうな勢いのある筆戦は、結構楽しめます。騒動の発端となったのは、朝日新聞が安部内閣総辞職の日の朝刊に掲載した社説でした。


■ 【社説】『安倍内閣に幕 右派政権の成果と挫折』朝日新聞 2007年9月25日 朝刊 3面

安倍内閣がきょう総辞職する。突然の辞任表明だったが、くしくも政権発足からちょうど1年の日に、幕となる。

順風満帆の船出だった。1年前の自民党総裁選で大勝し、出だしの内閣支持率は60%を超えた。憲法改正や教育再生などの野心的な課題を掲げ、長期政権への意欲をみなぎらせていた。

健康問題もあって最後は政権を投げ出す形になった安倍氏だが、こんな短命で終わるとは本人も予想外のことに違いない。断腸の思いだろう。

終わり方はひどいものだった。だが、だからこの政権はまったくだめだったと決めつけるのはフェアでなかろう。この1年、私たちは安倍政権に批判的な主張をすることが多かったが、評価すべき点がなかったとは思わない。(以下略)

最後の「評価すべき点がなかったとは思わない」の部分に噛みついたのが、翌日の産経新聞です。産経は堂々一面で攻撃の火蓋を切ります。


■【産経抄】2007年9月26日 産経新聞 朝刊 1面

けさはもう、前首相の肩書になってしまったが、2日前に病院で記者会見した安倍晋三氏のやつれぶりに驚かれた読者も多かったのではないか。連日、内政・外交ともに難しい決断を強いられ、メディアや野党から批判を浴び続ける首相という職業を長くこなすには、よほどの「鈍感力」が必要なのかもしれない。

あれほど安倍たたきに熱心だった朝日新聞もさすがに良心がとがめたのか「評価すべき点がなかったとは思わない」と言い出した。御為(おため)ごかしそのものだが、中曽根康弘元首相が「政治家は歴史法廷の被告である」と喝破するように政権の客観的な評価は、後世の史家に委ねるしかない。(以下略)

名指しで批判された朝日の方は、翌日の夕刊で反撃です。両紙のメンツを賭けた全面戦争の様相を呈してた文面を紹介するには、一部引用では追っつきません。ここからは全文掲載します。

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やっぱり来るのか? 読売、朝日、日経の共同ポータル「ANY」(NHKニュース)

2007年10月01日

先日の投稿「週刊ダイヤモンドの予想を裏切り、読売、朝日、日経の共同ポータル「ANY」は不発?」について、本日夕刻のNHKテレビのニュースで続報がありました(新聞3社共同でネット発信へ)。

関係者によりますと、「読売」「朝日」「日経」の全国紙3社は、ネット上でニュースサイトを運営する新しい組織を設立し、来年1月をめどに3社の記事の掲載を始めます。掲載するのは、政治や経済など通常の記事のほか、社説や世論調査なども含まれ、同じテーマでも、3社それぞれの主張や立場の違いを利用者が比較できるようにするとしています。

3社はすでに、それぞれネット上で記事を配信していますが、利用者の多くはヤフーやグーグルといった窓口サイトを通じて記事を読んでいるのが現状です。このため、3社はそれぞれの記事を新たなニュースサイトに持ち寄ることで情報量を増やし、利用者の増加を図りたい考えです。

ネットでの情報発信をめぐっては、「産経新聞」も「マイクロソフト」と提携し、紙面に先駆けて記事をネット上で配信する試みを10月1日からスタートすることになっており、新聞の販売の面でしれつな競争を続ける3社が手を結ぶ今回の異例の提携は、今後のメディア各社のネット戦略にも一石を投じることになりそうです。

本当に実現するようです。やはり、火のないところに煙はたたないということなのでしょう。


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週刊ダイヤモンドの予想を裏切り、読売、朝日、日経の共同ポータル「ANY」は不発?

2007年09月27日

先週発売の週刊ダイヤモンドによれば、9月25日は三大新聞の読売新聞、朝日新聞、日経新聞が、共同でポータルサイトを発表する「X day」となっていました。情報源は、『“勝ち組三社”が提携しても描けぬ収益増のビジネスモデル』(週刊ダイヤモンド 2007年9月22日号 50~52ページ)です。

今秋、これまでの日本の新聞業界では考えられなかった提携がありそうだ。

読売新聞、朝日新聞、日経新聞の三社が、インターネット上で共同プロジェクトを開始するのだ。予定日は9月25日、プロジェクト名は三社の頭文字を取ってANY(エニー)」になるといわれている。

勝ち組三社(ANY) プロジェクトの構想は、「三社の首脳が会合で一堂に会した際に、浮上したようだ」と関係者は語る。その後、読売では、東京本社の四階に従来のインターネット事業部門とは別に、わざわざ個室が設けられ、秘かに構想が練られてきたという。

業績的には“勝ち組三社”といわれる、読売、朝日、日経の三社が手を組む狙いは何か。漏れ伝わってくる情報によれば、三社共同によるポータルサイト立ち上げではないかと見られている。

この記事の通りに販売部数と広告主獲得で激戦を繰り広げている三社の共同ポータルサイトが実現することになれば、まさに画期的な大同団結となるはずです。ところが結果としては、X-Dayの9月25日には三社から何の発表もありません。

共同ポータルは構想としては面白いものの、経営姿勢や論調も異なる三社が「小異を捨てて大同に就く」までは至らなかった、ということなのでしょう。こうした結果から判断すれば、大手新聞社の現在のビジネスモデルの限界に関する危機意識は、巷間伝えられる程大きなものではないのかもしれません。

しかし、読売、朝日、日経の大手三社に次ぐ準大手に位置する産経、毎日の経常利益は、大手社の一割程度しかありません。その分現状に対する危機感の大きさも三社の比ではなく、早急な対策を迫られている事情はもっと深刻なはずです。

日刊紙発行部数

また、ネット時代にメディアとして独力で生き残ることが難しく、そのためには有力なパートナーが必要、というところも産経と毎日の共通点です。したがって、この二社間ではパートナーとなるネット企業の争奪戦が繰り広げられることになります。

こうした争いを制して、毎日からマイクロソフトを奪取することに成功したのが産経です。週刊ダイヤモンドが「ANY」陣営発足の日としていた9月25日に、華々しく新サイトの報道発表をしたのは産経新聞でした。情報源は、新聞より早く速報を出す--MSと産経グループが組んだ「MSN産経ニュース」です。

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リクルート、日本IBMに続く人材輩出企業になれるか? 富士通、伊勢丹

2007年09月11日

他社への優秀な人材の供給源として高い評価を受けてきた企業と言えば、幅広い業界で起業家を輩出してきたリクルートと、IT業界に数多くの社長を送り出してきた日本IBMが、その双璧でしょう(マネジャータイプを輩出する「IBM学校」とリーダータイプの「リクルート学校」。今回は、人材輩出会社としてこの2社に加わりそうな候補企業を2つ紹介します。1社目は、日本IBMに取って代わるのではないかと噂されている富士通です。情報源は、富士通経営執行役の相次ぐ退社の波紋 落ち目のIBMに代わり流出の宝庫に?です。

富士通でこの夏、相次いで現役の経営執行役が、しかもグローバルビジネスができる人材が2人退社した。一人は米EMCの副社長兼EMCジャパン社長に転じた諸星俊男氏。もう一人は韓国サムソンの経営企画室から富士通コリアに入り、4年前に富士通初の外国籍を持つ経営執行役に就いた安京洙氏だ。諸星氏は 10年ぶりに米国から帰国してグローバル戦略本部担当、安氏は経営執行役常務としてAPAC総代表を務めた。

2人の退社から、「富士通で出世するのは、やはりドメスティックで泥臭く仕事をこなすSEやサポート経験者か」とか、「グローバル展開が課題である秋草(直之会長)・黒川(博昭社長)体制の求心力に陰りが出始めた」と取りざたする向きも出た。ある富士通OBは、「秋草・黒川氏の2代にわたる、安部政権にも似た“お友達登用”に、実力派の幹部社員らに内在していた不満が顕在化した証かもしれない。“見限り”は今後も続く」と見る。

しかし秋草会長は人事に関してあくまでも強気の姿勢を崩さない。「長い目で見たら富士通にプラス。日本IBMに代わって今度は、富士通が人材を世に送りネットワークを築く」と、幹部の退社を少なくとも表向きは歓迎しているようなのだ。

確かにこれまで、IT業界における人材拠出の宝庫は日本IBMであった。しかし日本IBMの優秀な人材が、米IBMのGIE(グローバルに統合された企業)戦略の中に埋没し始めたと言われる中で、富士通がそれに取って代わることができるなら、秋草会長が指摘する通り富士通のパートナー戦略上プラスだ。

米 IBMで10年の経験を持つ日本IBMの技術OBは、「富士通にグローバル感覚を持つ人材が育っているかもしれない。日本に進出したIT外資系には、あくまでも一部だが、グローバル感のある富士通幹部はターゲットになる」と、秋草会長の期待を肯定する。

これまで幹部社員の退社は、ネガティブな側面のみが注目されるのが、日本社会の一般的な風潮でした。他社への人材流出を、長期的には自社とのネットワークの強化につながると、富士通のようにポジティブに捉えようとする日本企業が出てきたことは、ある意味時代の流れなのでしょう。

2つ目の人材輩出企業は、三越との経営統合を発表した伊勢丹です。来年4月に誕生する三越伊勢丹ホールディングスでは、マーケティング戦略の基盤となる情報システムや売り場運営の手順、商品の仕入れ、陳列方法などは、伊勢丹流の手法が採用される見込みです。歴史の長いお公家様三越が、野武士集団伊勢丹の流儀に屈したことになります。

百貨店業界での伊勢丹の強さの秘密は、そのマーチャンダイジング(MD)力の強さにあります。こうした伊勢丹流のMD力を採り入れようと、百貨店各社も相次いで伊勢丹出身者のスカウトに乗り出しています。情報源は、『伊勢丹の実力――人材輩出企業の幻想、個より組織に強み』(日経流通新聞MJ 2007年9月7日 5面)です。

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「産経が毎日に勝ったワケ」を載せた日経ビジネスの続報「毎日、ヤフー陣営と関係強化」

2007年09月10日

マイクロソフトが毎日新聞社と共同で運営している「MSN毎日インタラクティブ」の提供を9月30日に終了する予定を発表したことをネタに、6月末にマイクロソフトとの提携解消は毎日新聞のネットプレゼンスの終わりの始まりというタイトルの記事を投稿しました。マイクロソフトの提携相手の変更により、ウェブにおける「産経勝ち組、毎日負け組」の構図がより鮮明になるだろう、というのが私が書いた内容でした。

7月になると、「産経が毎日に勝ったワケ マイクロソフトの変心、10月から日本にも大波」(2007年7月16日号 48~49ページ)という、ほぼ同じ内容の記事が日経ビジネスに掲載されました。雑誌の日経ビジネスで掲載された記事は、通常日経系のウェブサイトでも公開されます。

産経が毎日に勝ったワケ ウェブ上の記事NBonline(日経ビジネスオンライン)「産経が毎日に勝ったワケ」は、刺激的なタイトルのためか、多くの記事で参照されています。

しかし、日経ビジネスオンラインの元記事は、なぜか現在ウェブ上から『削除』されてしまっています。

負け組と名指しされた毎日新聞社からクレームを受けたのか? と勘ぐりたくなる不自然さです。

日経BP社が本当に毎日新聞社からクレームを受けたのかどうかは、知る由もありません。ところが、今週号の日経ビジネスには、今度は毎日側の逆襲を臭わすタイトルの記事が載りました。『毎日、ヤフー陣営と関係強化 ニュースポータル戦国時代に備える』(2007年9月10日号 14ページ)。

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ニフティが訴える「これからは、Yahoo!がライバルです。(社長談)」の本気度

2007年07月26日

ニフティが東京都内で掲出している交通広告の中身が、先月末に一新されました。「これからは、Yahoo!がライバルです。(社長談)」というメッセージは大胆不敵です。しかし、その本音は思いの外謙虚なものでした。情報源は、「これからは、Yahoo!がライバル」ニフティが駅看板で密かにアピールです。

従来からのISP事業を基盤に、ブログをはじめとしたコミュニティサービスなど、インターネットを利活用する事業の積極展開も打ち出しているニフティだが、「Yahoo!がライバル」と宣言した意図は何なのか?

ニフティ執行役員でコーポレートコミュニケーション室長兼サービスビジネス事業本部副本部長の津田正利氏は、「日本でインターネットの世界というと、普通はヤフーが思い浮かぶ。

これからは、Yahoo!がライバルです。 インターネット=ヤフーという認識が多くの人にあるのであれば、我々はISPだけではなく、もっと広い意味でインターネットの世界でいろいろなものを提供していきたい。そういう思いを込めている」と説明する。ただし、ライバルだからといってヤフーを倒そうというのではなく、「ヤフーさんの胸を借りますという意味」だという。

日本でポータルサイトがライバルサイトとして名指しする場合は、やはりヤフーになるのでしょう。昨年私が東京駅構内で見つけたgooの交通広告でも、「こんにちは。Yahooのライバルのgooです。」というキャッチコピーが使われていました(gooは交通広告でヤフーのライバルを目指すよりも、Hotwiredの復活を!)。ヤフーのポータルNo.1の地位が不動であることを考えれば、ヤフーが攻撃目標として選ばれるのも当然です。

圧倒的な技術力を誇るGoogleを引き合いに出して、「ライバルはGoogleです」とはさすがに言えないという事情もあるのでしょう。ヤフーの場合は、頑張れば追いつくことができると思われやすいのかもしれません。懐かしいところでは、ホリエモン時代のライブドアのポータルビジネスは、ヤフーの真似をすることそのものがビジネスモデル、というわかりやすい戦略をとっていました。実際のところは、日本でヤフーの牙城を崩すのは、依然として至難の業だと思いますが...。

ヤフーを目指すことにした最近のニフティは、業界最大容量の3Gフリーメールの提供や、そのメールに送信取り消し機能を搭載するなど、サービスメニューを充実してユーザ層の拡大を図る積極姿勢が際立ってきました。しかし、ニフティが変わったことを最も印象づけるのは、なんと言っても番外編の「はみだし@nifty」に登場したニフティらしくない斬新なサービスでしょう。

中でも誇り高き老舗ISPのニフティが、名前からして「ニコニコ動画」をパクッたような「ニフニフ動画」を公開した時は、その節操のなさに驚いた人も多いはずです。そのなりふり構わない姿勢こそが、ニフティが変身したことの何よりの証なのです。情報源は、「ニフニフ」「グフフ」が示す、ニフティの危機感と変化です。

「ニフティはいったい、どうしてしまったんだ」――6月11日に公開された「ニフニフ動画」を見て、そんな感想を持ったネットユーザーは少なくないだろう。「ニコニコ動画」とそっくりな機能と名称は、老舗ISP・ニフティのまじめで手堅いイメージとはかけ離れており、大きな反響を呼んだ。

ニフティの戦略転換の背景について、コーポレートコミュニケーション室長の津田正利氏は次のように語っています。

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出井伸之ソニー前会長が内外の企業の社外取締役に就任したのはガバナンスのため?

2007年07月20日

日本取締役協会では、「企業の発展ステージ」別に各企業にとって最良のガバナンスが存在するという観点から、企業の多様性に対応したガバナンスのあり方を、「ベストガバナンス報告書」[PDF]として発表しました。報告書を中心になってまとめたのは、出井伸之ソニー前会長と川本裕子早大教授等の有識者です。

創業者一族の経営への関与度合いに応じて企業の発展段階を分類し、各段階に応じてガバナンス上の問題点を具体的に指摘しているところが、本報告書の眼目となる部分でしょう。情報源は、『最良のガバナンスとは――創業者の影響力は極力排除、相談役制は廃止か任期設定を』(日経産業新聞 2007年7月18日 22面)です。

「第一段階」の企業は創業者一族が株式の大半を持ち、経営権も掌握している。創業して間もない中小・ベンチャー企業の大半が当てはまる。この段階では創業経営者の独断専行を防ぐことが最大の課題となる。それには創業経営者にガバナンスの重要性を気づかせる仕組みが必要となる。

「第二段階A」の企業は創業者一族が株式の大半を保有するが、経営を創業一族以外の者に委ねている。未上場の中堅企業の一部などがこれに当てはまる。経営者が「番頭さん」的な存在のままだと、創業者の独断専行を抑えきれない。このタイプの企業には創業家と経営者が対等な関係を築き、チームとして機能することが求められる。

創業者一族が経営権を維持しながら、株式を上場している企業が「第二段階B」となる。このタイプの企業では創業家が企業のシンボルとして権威を持つことが多い。後継社長を世襲で決めるのが一般的だが、後継者の養成・選定の客観性を担保することが重要になる。


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マイクロソフトの環境問題への取り組みをグリーンピースはどう評価しているのか?

2007年07月17日

CyberBuzz依頼投稿(※)

環境団体のグリンピースは、世界のIT企業14社の環境保護に対する企業姿勢を評価した結果を、「Guide to Greener Electronics」として発表しています。6月27日に発表された最新版の一位に輝いたのは、フィンランドのノキアでした。

今年の3月の発表では、意外にも中国のレノボに首位を奪われたノキアが、このランキング開始以来占めてきた首位の座の奪還に成功したことになります。

著名なIT企業のランキングの中にマイクロソフトの名前がないのは、この調査の対象が製造業に限定されているからです。マイクロソフトが環境問題に熱心でないわけではありません。同社では、地球温暖化防止を訴える世界規模コンサート「LIVE EARTH」の動画配信も行っています。

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ファーストリテイリングによるバーニーズ・ニューヨーク買収は勝算ゼロ?

2007年07月10日

ファーストリテイリング(FR)は、2010年のグループ売上高1兆円の目標を掲げ、国内外ブランドの買収を積極的に展開中です。しかしながら、現在の売上高5,300億円の85%を占めるのが、依然としてユニクロ・ブランドであることを考えると、売上目標達成に必要なM&Aは予定通りには進んでいないというのが実情で、M&Aを加速化させることはFRにとって喫緊の課題となっています。

このような状況を反映して、大型買収候補企業の話が出るたびに、買収先としてFRのファーストリテイリングの名前が取り沙汰されるのも珍しくなりません。売上げ不振のアパレル大手のギャップの身売りが噂になると、FRが買収で一気に売上げ増を狙うとの噂もありました。憶測ばかりが先行するきらいのあったFRが、実際の買収提案に踏み切ったのは、高級路線の百貨店バーニーズ・ニューヨークでした。

米衣料品大手のジョーンズ・アパレル・グループが保有する、米高級百貨店チェーンのバーニーズ・ニューヨークの全株を、約9億ドル(約1,100億円)で買収する提案の背景には、複雑な事情があります。FRの提案に先立って、ドバイの政府系投資ファンド「イスティマール」が、バーニーズの買収に関して8億2,500万ドル(約1,000億円)という金額で、ジョーンズと合意していたからです。

この合意では、イスティマール以外の会社も買収提案ができるという「第三者提案申し入れ期間」が設定されていました。この期間内に金額を一割増やして対抗ビッドに乗り出したのがFRという位置づけです。娘一人に婿二人状態となったバーニーズの帰趨について、本日の日経流通新聞では、次のように分析しています。情報源は、『ファストリ、バーニーズ買収提案―vsドバイ政府系ファンド、価格競争なら劣勢か』(日経流通新聞MJ 2007年7月9日 1面)です。

バーニーズを巡っては、ドバイ政府系ファンドのイスティスマールとの間で買収価格の引き上げ競争になる可能性が高い。バーニーズの親会社、ジョーンズ・アパレル・グループのCEOは投資銀行の出身で高く売るコツを熟知している。駆け引きを嫌う柳井会長にはどちらも厄介な相手で、従来通りの投資姿勢なら劣勢との見方もある。

イスティスマールはドバイ政府の資金を中心に運用しており、政府系投資会社として民間企業に負けられないというメンツもあるとみられる。デービッド・ジャクソンCEOは6月、米紙に対し「バーニーズの現経営陣を支え、一段と成長するための手助けをする」と強い意志を表明している。

FRと競合することになったイスティマールは、潤沢なオイルマネーをバックにして、ウォール街のベテランを引き抜くことによって、近年急速に巨大化した投資ファンドです。この2年の間にも、マンダリン・オリエンタル・ホテルや、英海運会社インチケーブ等の買収に成功しています。大型買収の実績だけ比較すれば、FRはイスティマールの足下にも及びません。

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自費出版の新風舎が提訴されて朝日新聞叩きに拍車をかける(?)週刊文春

2007年07月06日

同じ大手マスコミと言っても、新聞社と出版社が犬猿の仲にあるのは周知の事実で、特に週刊誌となると、新聞社系と出版社系の雑誌が、互いに相手の記事の内容をあげつらう様子が目につくものです。しかし、本日発売の週刊新潮には、『たまにはエライぞ朝日新聞 「声欄」ボツにしなかった創価学会会員の「政教一致」告発投書』という記事が掲載されました。出版社系の週刊誌が新聞を褒めるというのは、極めて珍しいことです。新潮が褒めているのは、6月25日の朝刊の読者投稿欄に載った『「信仰の場」で、選挙活動とは』です。

今月中旬、創価学会の会館で開かれた地区座談会に誘われて参加し、信じられない光景を見た。

座談会には約30人が参加し、終了後もほとんどの人が残った。女性幹部が「これから参院選の投票練習をします」といい、投票用紙大の白紙を2枚ずつ配った。1枚には公明党推薦の候補者名を、もう1枚には公明党と書くよう指示。書き終えると、幹部が1人ずつ点検していく。「もっとはっきり書いて下さい」と注意された人もいた。

読経をし、仏教哲学を学ぶ信仰の場が座談会という。私は知人に頼まれ、福祉や青少年問題の話をするため出席した。年金問題に取り組む公明党の活動PRの紙芝居もあり、「民主党の菅直人代表代行が厚生大臣だったときに今の制度が作られたので、責任は菅代表代行にある」と幹部は説明。1時間半ほどで終わり、投票練習があった。

税金を免除されている宗教法人の会館で、堂々と特定政党の選挙活動が行われていることに疑問を持った。そして、幹部からの指示と情報に従って行動する生き方は、私には理解できなかった。

その後の「声欄」には、7月1日の『「信仰の場」での選挙活動 投票の練習で無効票減らし』という創価学会擁護派の投書、『「信仰の場」での選挙活動 選挙近づくと集票の場所に』の反対派の投書と続きます。

同じ題材を扱っても、週刊文春では『創価学会に「声」欄で喧嘩を売った朝日の「安倍嫌い」』といったタイトルに変わり、朝日を評価しようという姿勢は微塵もありません。こういうタイトルになった背景には、現役の首相が新聞社を正式に提訴することにまで発展した、「安倍首相vs朝日新聞」の抗争の歴史が関係しています(前代未聞「首相の法廷反撃」…朝日提訴の行方)。この訴訟に関して週刊文春は、5月24日号『週刊朝日vs安倍晋三どっちもどっち 「落ちた犬」を訴えた首相の「品格」』と報じています。

「安倍首相vs朝日新聞」にはこうした伏線があったにせよ、創価学会の政教一致問題までも、この路線に結びつけようとした今週の文春に記事は、強引過ぎるというものでしょう。そう考えると、週刊新潮の素直な記事の方が好感が持てます。

さらに、朝日嫌いの週刊文春が喜びそうな事件が起きました。情報源は、『有名書店に並ぶはずが…、自費出版大手を提訴、著者の会社員ら』(日本経済新聞社 2007年7月5日 39面)です。

「全国の有名書店に著作を並べる」と説明され出版契約を結んだのに、書店に本がほとんど並ばなかったのは契約違反だとして、会社員ら4人が4日、自費出版大手「新風舎」(東京都港区)に計約800万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

訴状によると、原告4人は社員から「人気作家の本が並ぶ棚に置く」などと誘われ、出版や広告費用の大半を著者が負担する出版契約を締結。それぞれ110万~200万円を同社に支払い、エッセーや絵本などを500~800部製作したが、実際に本が置かれたのは数店だったという。

都内で会見した原告の一人でイラスト集を出版した徳島市のアルバイト男性(31)は「夢を食い物にされた気持ち」と述べた。

新風舎は「訴状が届いていないためコメントできない。著者には常に敬意を払ってきている」としている

新風舎のビジネスについては、これまでにも種々の疑惑が噂されてきました(「新風舎」にだまされた 自費出版の巧妙手口)。そうした中、朝日新聞は2006年10月7日の土曜版beの「フロントランナー」で、同社の松崎義行社長についての好意的なインタビュー記事を掲載しています。さらに系列のBS Asahiの方でも、今年の1月には同様な内容の映像版も放送する念の入れようです。

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米国本社のCEOが交代しても、日本のヤフーのアライアンス力はまだまだ健在

2007年06月20日

6月12日に開かれた米国Yahoo!の株主総会後の質疑応答セッションで、業績を低迷させた張本人として株主からの非難を一身に浴びていたのが、同社の会長兼CEOのテリー・セメル氏です。情報源は、ヤフー、年次株主総会を開催--業績低迷で株主から非難です。

約100人の株主を代表しているとする株主は、ここ数年の「Yahooの行動について株主に謝罪がなかったことに驚いた」と語った。この株主は、 Googleが広告市場で独占的立場にあること、グラフィカル広告ビジネス拡大に向けたGoogleのDoubleClick買収、YouTubeなど Yahooにとって重要な「買収機会の逸失」、そして同社最高技術責任者(CTO)、Farzad Nazem氏の突然の辞任などに言及した。

この株主はSemel氏に対し、「自分の職務に対するやる気があるのか?」と尋ねた。

「もちろんある。Yahooには今後、これまでおそらく一度もなかったようなチャンスが来る」とSemel氏は語った。検索による売り上げ確保に改めで集中し、ディスプレイ広告をリードするYahooは、「自社にとって妥当なところまで必ず(ネット広告の)市場シェアを拡大するし、その自信もある」と語った。

この時は、CEOを続投する意欲を見せていたセメル氏ですが、結局その職を退くことになりました。情報源は、Yahoo!、CEO交代――共同創業者のジェリー・ヤン氏が新CEOにです。

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粛々と事業整理が進むライブドアの現状はグッドウィルの将来を暗示?

2007年06月15日

今年の4月に持ち株会社へと移行したライブドアグループの事業整理が粛々と進んでいます。連日のように事業売却が発表されるライブドア関連の記事からは、グループ解体が現実となる日が近いことを実感させます。

ライブドアホールディングスは12日、ネット広告販売を手掛ける米の全額出資子会社、イノベーション・インタラクティブ(ニューヨーク)を5月末に売却したと発表した。売却先は同社経営陣や投資会社のABSキャピタルパートナーズが出資したファンドで、経営陣による企業買収(MBO)となる。売却額は3,050万ドル(約37七億円)。【日経産業新聞 2007年6月13日 19面】

ライブドアホールディングス傘下のライブドアは13日、個人向けインターネット接続事業を売却すると発表した。マンション向けに特化したネット接続事業を、名証セントレックス上場のギガプライズに、一般消費者向けネット接続事業を、東証マザーズ上場のフリービットに売却する。売却額はマンション向けが5,700万円、一般消費者向けが3,500万円。【日経産業新聞 2007年6月14日 22面】

ライブドアホールディングスは、この他にも大物子会社のターボリナックス売却を検討中であることも表明しています。6月12日に弥生の社長を退任した平松庚三氏は、今後はホールディングスの社長業に専念して、ますます事業の整理を加速化させる予定です。情報源は、『稼ぎ頭の弥生に売却説 訴訟対応後ライブドア持ち株会社は清算も』(日経ビジネス 2007年6月11日 8ページ)です。

4月に持ち株会社に移行したライブドアグループが、稼ぎ頭である弥生など傘下の事業会社の売却を検討していることが分かった。売却が完了すれば、持ち株会社はフジテレビジョンなどとの訴訟対応に専念する会社となる。裁判終結後、「ライブドアホールディングスはなくなるかもしれない」と平松庚三社長は語った。


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スクープ「ライブドアオート社長が自殺未遂か」をネットで流す週刊ダイヤモンド

2007年06月07日

2007年6月7日午後5時30分発で「ライブドアオート社長が自殺未遂か(週刊ダイヤモンド)」という衝撃的なタイトル記事が、Yahoo!ニュースに流れました。このニュースが事実であれば、現職の農林水産大臣の自殺に続き、上場企業の現社長が自殺を試みたことになります。

東証二部上場の中古車販売大手、ソリッド グループ ホールディングス(旧カーチス、旧ライブドアオート。以下、ソリッド社)の代表取締役社長である江川賢記氏が5日未明、都内病院に緊急入院した。現在も ICU(集中治療室)で治療中だが、「話しをできる状態ではない」(親会社のソリッドアコースティックス、以下SA社)という。

同社幹部によれば、「自殺をはかった可能性が高い」。5日夜、江川氏が自宅で大量の睡眠薬を飲んでこん睡状態に陥っているのを、社員が発見したという。 ソリッド社では前期決算の発表をすでに2度延期しており、本日(7日)中に決算発表を行なう予定だった。

SA社が昨年末にソリッド社を買収して以降、SA社長でもあった江川氏らと旧経営陣は経営方針などを巡って対立。インサイダー取引の疑いがあるとして、旧経営陣は江川氏らを刑事告発することも検討していた。 ソリッド社の業績は2006年3月期の売上高410億円、当期赤字34億円に対して、2007年3月期は売上高366億円で当期赤字が144億円と大幅に悪化した模様だ。

SA社では今回の件について、「不眠症のため、睡眠薬を常用していた。(こん睡状態となった当日は)いつもより多量の睡眠薬を飲んでしまったようだ」としている。

このニュースのヘッダーには「週刊ダイヤモンドスクープ」という文字が躍っています。毎週月曜日に定期発行しているビジネス雑誌が、木曜日の夕方にスクープを報じることに何の意味があるのでしょうか? その答えは、このニュース速報の最後にあります。

なお、ソリッド社を巡る内紛劇の詳細については、現在発売中の本誌六月九日号をご参照下さい。

今回の速報では、江川社長の自殺未遂と「ソリッド社を巡る内紛劇」やそれを週刊ダイヤモンドが報じたこととの因果関係については、慎重を期してハッキリとは述べていません。しかし、自殺未遂のニュースをいち早くネットで流すことにより、現在発売中の雑誌の売上げ増につなげようとする、ダイヤモンド社の意図は明らかです。

本来であれば「ソリッド社長が自殺未遂か」というタイトルにすべきところを、敢えて知名度の高い旧社名のライブドアオートを持ち出しているところにも、魂胆が透けて見えます。速報性を競うことではネット系のメディアに対抗することのできない週刊誌が、追加ニュースを流すことで、部数を伸ばそうという苦肉の策です。夕方の時間帯に自殺未遂のニュースを知った人の中で、すぐに雑誌を購入する行動まで起こす人は、実際どれだけいるのでしょうか?

おそらくこの種のニュースが夕刻に流れたとしても、翌朝を待たずして雑誌記事の内容は、ネット上で流されてしまうことでしょう。そう考えると、ダイヤモンド社の苦肉の策も、結局は実売数の増加に結びつく効果は、ほとんどないのではないでしょうか? ネットを利用しようとして、ネットに裏切られるという皮肉な結果が待っているだけのような気がします。

さて、このブログの読者の多くが期待しているのも、週刊ダイヤモンドで掲載された「ソリッド社を巡る内紛劇の詳細」でしょう。『インサイダー疑惑騒動で発覚 ヤマハ元社長一族の復権計画』(週刊ダイヤモンド 2007年6月9日 14~15ページ)が、件の記事です。

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