久方ぶりにリヴァンプのプレスリリース一覧を見て思ったこと(純個人的意見)

2007年07月25日

前回の記事に続いて企業再生支援会社リヴァンプについての話題です。24日付けの日経産業新聞に、アミューズメント施設運営会社ネクストジャパンホールディングスのトップ人事が掲載されていました。情報源は、『ネクストジャパン、渡辺社長退任へ』(日経産業新聞 2007年7月24日 23面)です。

遊戯施設運営のネクストジャパンホールディングスは23日、渡辺一正社長(38)が「一身上の理由」により30日付で退任すると発表した。後任は置かず、藤原治取締役(50)と炭本健取締役(40)の二名が代表取締役に昇格、共同代表制をとる。藤原氏が管理部門、炭本氏が営業部門を統括。従来よりも営業面の強化を目指すという。

実は、昨年の1月にリヴァンプとネクストジャパンの資本・業務提携に関する記事を投稿したことがありました(リヴァンプによるネクストジャパン再生はかなりの難題になりそうな予感)。この記事の基となった2006年2月9日付けのリヴァンプのプレスリリースによれば、同社がネクストジャパン株式の約15%を取得し、役員を派遣して経営改革を本格的に支援するプランが発表されています。

このニュースを聞いた私は、当時リヴァンプが支援する対象としては風変わりな会社だという印象を持った程度で、それ以来ネクストジャパンという会社のことはすっかり忘れていました。そういう事情もあり、今回のトップ人事をきっかけに改めて調べてみると、リヴァンプとネクストジャパンはまったく関係が無くなっていることがわかりました。両社の業務提携契約は2006年12月末をもって終了していたからです。

ネクストジャパンが2006年12月22日に発表したプレスリリース株式会社リヴァンプとの業務提携終了の合意に関するお知らせ[PDF]では、提携解消に至った経緯を次のように説明しています。

1.業務提携終了の理由とその内容

平成18年2月9日に当社とリヴァンプは当社の経営の改革支援を目的とした業務委託契約を締結し、リヴァンプより営業部門に2名と経営企画部門に1名の執行役員の派遣を受け、徹底的に経営及び店舗に関する課題の抽出をいたしました。その結果、今期(平成18年8月1日~)におきましては、既存店の運営改善と新モデルのトライアル等について当社既存社員を中心に推進していくこととし、平成18年8月以降リヴァンプからは玉塚氏のみをアドバイザーとした経営サポート体制を執っておりました。この度、さらなる既存店の運営改善、店舗リニューアル及びM&Aを含めた新事業の開発等、今後の事業展開を当社既存の経営陣と社員によって推進していけるものと両社協議の上で判断し、本契約を終了することといたしました。

本契約終了後においても両社の事業価値を高めるため、これまでに構築した関係 を活かしながら情報交換などを随時行ってまいります。

2.当社筆頭株主長江芳実氏とリヴァンプとの株式売買予約契約について上記業務提携契約終了に伴い、平成18 年2月9日において当社の筆頭株主である長江芳実氏とリヴァンプとの間で締結されました株式売買予約契約につきまして終了することで合意いたしました。また、これまでに売買予約権の行使はありませんでした。

要するに、両社は当初合意した長期的な業務・資本提携へと進むことなく、1年も経たずにその関係を解消したということです。ここでリヴァンプが提供した「経営支援」の実態は、コンサルティングファームによく見られる短期的な業務委託契約と同じと考えていいでしょう。業務提携終了についてリヴァンプ側は、特にプレスリリースは発表していません。以下は現在のリヴァンプのサイト上のプレスリリース一覧です。

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長男に三行半を突きつけられたナルミヤ創業者が後継者選びを託すリヴァンプ

2007年07月24日

投資ファンドのSBIホールディングが子会社のSBIキャピタルを通じて、子供服メーカーのナルミヤ・インターナショナルに対するTOBを開始しました。買い付け上限は発行済み株式数の66.65%で、創業者で筆頭株主の成宮雄三社長と一族や経営陣が賛同の上で実施される今回のTOBは、友好的買収となります。

TOBが成立した場合、SBIキャピタルが6.5%程度の株式を企業支援会社のリヴァンプに譲渡し、リヴァンプがナルミヤに後継の社長を送り込むことになっています。ナルミヤが同社の再建策として友好的TOBを選んだ背景には、同社の後継者を巡っての複雑な内部事情が関係しています。情報源は、『後継者選びの誤算が後押ししたナルミヤの友好的TOB受け入れ』(週刊ダイヤモンド 2007年7月28日 20~21ページ)です。

成宮社長が後継者に据えたいと目論んできたのは、長男である成宮一雄氏。銀行勤務で経営者修業も積み、社内でもそれが“定説”となっていた。

ところが、その一雄氏が06年3月に「一身上の都合」で取締役を辞任。ナルミヤを離れ、現在は「ストンプ・スタンプ」という高級子ども服店を展開中だ。

本命候補の退社で後継者選びは暗転。成宮社長が「この2年ほど、後継者探しのために、商社やアパレル業界出身者など何人もの人物に会ってきた。が、なかなかこれはという人物に出会えなかった」と漏らすように混迷している。

そして、成宮社長は自分で後継者を選ぶことは断念。「リヴァンプというチームに、後継者を選んでもらう」という道を選んだわけだ。このTOBスキームを考え出したリーテイルブランディングの秋元之浩社長も「成宮社長の真意は創業家と経営の分離にある」という。

成宮社長は「長男に力があるのなら戻って社長ということもあるかもしれない」と微妙な言い回しでいまなお“親心”を示すが、後継者の筆頭候補は、リヴァンプから送り込まれる人物というのは、衆目の一致するところだ。

かつては次期社長と目されながらも、ナルミヤを去ることになった雄三社長の長男・一雄氏は、決して凡庸な二代目ではありませんでした。満を持して父親の会社に入社した一雄氏は、やり過ぎて会社を去らざるをえなくなったというのが真相です。情報源は、『業績悪化の本当の理由-一大ブームから一転 子供服ナルミヤの盛衰』(週刊東洋経済 2007年3月31日 142~143ページ)です。

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ブックオフ・スキャンダルの影響で大日本印刷と提携し老舗のメンツが保てた丸善

2007年07月20日

印刷業最大手の大日本印刷と書籍販売大手の丸善が、資本・業務提携することを発表しました。情報源は、明治生まれの超老舗同士がデジタル化で手を組んだ--大日本印刷と丸善、業務・資本提携です。

丸善の主要業務である教育や学術市場をはじめとする業務全般で協業する。また大日本印刷(DNP)は大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメント(DPI)からDPIが所有する丸善の株式のうち4万4480株(発行済み株式の25.5%)を譲受し、丸善の筆頭株主となる。

丸善はDNPが保有する印刷技術や情報技術のノウハウの提供を受け、顧客の利便性や満足度を高める。また事業の拡大を図る狙いがある。

丸善は1869年(明治2年)、DNPは1876年(明治9年)創業のいわば超老舗企業。今回の提携について、丸善代表取締役社長の小城武彦氏は「両社とも似た事業を提供し、創業130年を超える生い立ちを持っている。また、1897年(明治30年)から出している印刷物は、第1号からずっとDNPに印刷を依頼している。大変すばらしいパートナーだ」と話す。

この記事は、丸善側が発表したリリース「業務・資本提携及び筆頭株主の異動に関するお知らせ[PDF]」に概ね沿った内容で、老舗企業同士の対等な業務提携というニュアンスで書かれています。しかし、大日本印刷が経営再建中の丸善を支援するというのが実態でしょう。丸善側が社長の小城武彦氏が記者会見に出席したのに対して、大日本側は副社長どまりというのが、両社の力関係を表しています。

明治生まれの大日本の傘下に収まることになった丸善も、一時は平成生まれの新興企業に救済されるという噂もありました。情報源は、『丸善再建、システム事業に活路、大日本印刷が支援、技術提携急ぐ』(日経流通新聞MJ 2007年7月16日 5面)です。

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経営共創基盤とリヴァンプ 同じ再生支援専門会社でもそのイメージは大違い

2007年04月27日

昨日の投稿リヴァンプの再生支援はハンバーガー、ドーナツ以外でも通用するのか?の続きです。リヴァンプは設立以来、マスコミに登場する機会の多い会社です。その理由の1つは、数ある再生ファンドとは一線を画した手法で、日本独自の再生モデルを標榜する目新しさにあります。2番目の理由は、ユニクロOBが作った会社という面白さです。加えて、澤田、玉塚の両代表パートナーの見た目の良さは、メディアにとっては魅力的な取材対象にもなります。

しかし今後は、リヴァンプが再生支援会社の代表としてマスコミに取りあげられる機会も、徐々に減ってくるのではないでしょうか? 先月解散した産業再生機構で最高執行責任者(COO)を務めた冨山和彦氏らが4月3日に、新たな企業再生の専門会社株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, inc.)を設立しました。本格的なターンアラウンドビジネスを手がける日本の会社は、もはやリヴァンプだけではありません。情報源は、『「民間版再生機構」相次ぐ、機構OBが中核、来月に大型組織――長期的視点で改革』(日本経済新聞 2007年3月18日 3面)です。

企業の再建を助言し、融資や投資先をあっせんする再生支援会社の設立が相次いでいる。3月15日に解散した産業再生機構で働いた人たちが中核となる大型組織が4月に誕生する。企業再生ファンドとは異なり、再生チームを派遣し、長期的な視点で事業改革を進める。一月にも機構の別の幹部らが支援会社を設立した。こうした「民間版再生機構」が再建に成功し、M&A(企業の合併・買収)を通じて産業界の活性化を促せるか。

再生機構の専務を務めた冨山和彦氏ら約20人が新会社を4月に設立する。そこに機構の執行役員だった松本順氏ら7人が昨年11月に設立した支援会社も合流する見通しになった。手掛ける案件が増えれば、再生機構と同じ200人規模まで人員を増やす計画だ。

会社の設立趣意書には「顧客益、社会益を犠牲にする短期的、短絡的な自益の追求は行わない」との項目を盛った。投資家から資金を集めて企業に投資し、短中期保有で売却益を追求するファンドとは一線を画した。

企業とは再生の助言契約を結んで、十人単位でチームを送り込む。企業の経営陣や社員といっしょに再建計画を練り、実行に移す。チームは社長、役員を含むことを想定し、経理、法務、管理、事業戦略を担う幹部らも包括的に用意する。

論客でならす冨山氏は、すでにビジネス系メディアの間では引っ張りだこです。4月以降だけでも、『修羅場を踏んだ経営人材が日本にも出てきた』(毎日エコノミスト 2007年4月9日号)、『プロ集団をマネジメントする秘訣は「気配り」と「ぶれない軸」』(週刊ダイヤモンド 2007年4月21日号)といったビジネス雑誌を始め、オンラインメディアのnikkeiBPnetも、4月24日からインタビュー記事の連載をスタートしました。

さらに日経ビジネス4月9日号の記事『再生計画の未達が続けば銀行の協力姿勢に暗雲 JAL』では、経営危機にある日本航空の再生支援に、冨山氏率いる経営共創基盤が乗り出すのを待望する声も伝えられています。マスコミの注目度が高い経営共創基盤ですが、そのサイトはこんな具合です。

株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, inc.) トップページは白をバックにした黒のテキストだけの超シンプルなデザインです。

これは仮の姿なのでしょうか? それとも、虚飾を一切排除したデザインには、何か特別なメッセージが込められていると考えるべきなのでしょうか?

冨山和彦代表取締役の「CEO メッセージ」には、こうあります。

私たちは事業と財務の両面にわたる幅広い問題領域において、トップ、ミドルそしてラインマネジメントにわたるさまざまな「経営」現場に自らも飛び込んでいき、そこでの格闘を通じてより良い「経営」と「経営人材」を、顧客である企業体、事業体あるいはその主要なステークホルダーのみなさまと共に創り出していきたいと考えています。さらには社会全体において「経営」と「経営人材」の質的向上と経済の持続的な成長を実現していくためのプラットフォームの一つになりたいという思いを込めて、株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, Inc.)という社名といたしました。

経営共創基盤は、人材投入型で経営を支援し、顧客企業およびその主要ステークホルダーと持続的な価値向上に関わる長期的なリスクを共有する、新たなプロフェッショナルサービスモデルを提供してまいります。これは世界的にみてもユニークで新しいモデルだと思います。しかし21世紀の企業社会が直面する新たな問題に対しては、真に創造的な解が求められているはずです。私たちはそれを日本の地から創り出し、世界に問う挑戦を続けていく志を持って、これからも精進を重ね、一所懸命に日々の活動に臨んでまいります。

国策会社産業再生機構出身者だけあって、天下国家を論じるCEOのメッセージには、一般企業にはない格調が感じられます。反面、民間企業としてはある種の敷居の高い雰囲気もあり、積極的な営業活動をしている会社には見えません。

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リヴァンプの再生支援はハンバーガー、ドーナツ以外でも通用するのか?

2007年04月26日

久方ぶりにリヴァンプの話題を取りあげます。そうした気分に火を付けたのが、アイピーモバイル、携帯電話事業への参入計画を見直し--森トラストが筆頭株主にというニュースでした。そもそも不動産業の森トラストという会社が、携帯電話会社の支援の乗り出す理由がよく理解できませんし、この会社にリヴァンプが係わっている理由もよくわかりません。情報源は、『資金難のアイピーモバイル 救世主は森トラストの不可解』(週刊ダイヤモンド 2007年4月21日 20ページ)です。

今回の事業継続発表は謎だらけだ。森トラストは株式取得について「技術力と将来性を評価した」としているが、通信事業にかかわったことのない森トラストが短期間にどのようにアイピーモバイルを評価したのか不明だ。そもそも、通信業界関係者のアイピーモバイルへの評価はきわめて低い。

アイピーモバイルは今年春にはサービスを開始する予定だった。しかし、数100億円にも上るとされる設備投資額のうち、資金は50億円程度しか準備できなかった。現在でも、東京都内で必要な500の通信基地局のうち、完成しているのは7局だけだ。

人材面でも不安だらけだった。2005年11月に総務省から認可が下りたが、06年7月に企業経営支援会社リヴァンプと業務提携し、旧ボーダフォン出身の小林政彦執行役員常務が送り込まれるまで、携帯電話の技術に詳しい社員が実質的には一人もいなかった。

事実、アイピーモバイル社内でも昨年末から事業の清算が検討され、3月末には希望退職者を募集、数人が退職を決めている。さらに、4月2日には総務省から内々に周波数の返上を打診されていた。

アイピーモバイルとは、かなりやばそうな会社です。同社とリヴァンプの業務提携内容の詳細は不明ですが、リヴァンプ代表パートナー浜田宏氏がアイピーモバイルの取締役に就任しています。リヴァンプの経営層の中で唯一のIT業界経験者ということで、前デル社長の浜田氏に白羽の矢が立ったのでしょう。

実際には、PC直販会社の現地法人社長の仕事と、ドメスティックな免許事業の携帯電話会社の経営とは、関連する部分はほとんど無いように思いますが...。なお、玉塚氏の日本IBM時代はキャリアと呼べるほどの長さがないので、同氏はIT業界経験者とは考えていません。

ここでリヴァンプのホームページにあるWHAT IS REVAMP? リヴァンプとは?という箇所を掲載します。

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カネボウ上場維持を切望した産業再生機構の斉藤惇氏が東証社長に就任

2007年03月27日

東京証券取引所の次期社長に斉藤惇・産業再生機構元社長が、大方の予想通りに内定しました。東証社長就任の噂が取り沙汰されていることについては、「今は真っ白。これから庭仕事でもしたい」と煙に巻く発言をしていました(『4年ぶりに民間人に戻る』 週刊東洋経済 2007年3月31日号 22ページ)。しかし、腹の内はとうの昔に決まっていたのでしょう。情報源は、東証社長に斉藤氏 野村証券出身 再生機構で手腕です。

東京証券取引所の新社長に、野村証券出身で産業再生機構社長を務めた斉藤惇(あつし)氏(67)が就任することが26日、固まった。複数の関係者が明らかにした。西室泰三社長兼会長(71)は会長職に専念する見通し。27日の指名報酬委員会と取締役会で内定し、同日発表する。6月の株主総会後の取締役会を経て就任する予定。斉藤氏は今年秋の東証の持ち株会社移行に伴い、傘下に設立される運営会社のトップも兼務する方向で調整する。

斉藤氏は、野村証券の副社長などを経て平成15年4月、経営不振企業の再生のために創設された産業再生機構(3月15日解散)の社長に就任し、ダイエー再建などに手腕を発揮した。

70歳を超える西室氏から若返りが図られたとは言え、斉藤氏も67歳です。年齢からすれば、本当に「庭仕事」でもやっていただくのが相応しいようにも思えます。逆に考えれば、それだけ斉藤氏が余人を持って代え難い人物だということでしょうね。

斉藤氏を社長に迎える発表は予想通りでしたが、同じ東証の日興コーディアルグループの上場維持決定の発表を、予想外と思った人は少なくないでしょう。実際に、政界裏工作が働いた結果という見方もあったりします(やっぱりあった!? 日興 上場維持政界工作)。

噂の真偽はともかく、東証内部でも最後まで決めかねていたことは事実のようです。 上場維持決定に至る舞台裏が、日経ビジネスに掲載されています。情報源は、『「日本の資本市場が笑われる』(日経ビジネス 2007年3月19日号 6ページ)です。

3月12日、東京証券取引所は日興コーディアルグループの上場維持を決めた。東証の西室泰三社長は、「(決定を下した臨時の執行役員会において)特に異論は出なかった」と会見で説明した。

しかし、その週までは上場廃止か維持か、東証内部でも大きな議論になっていた。結局、前週末に、「この土曜日、日曜日で一休みして頭をクリアにして考えましょう」という西室社長の一言で水入りとなる。週末の2日間を置いて、結論は上場維持へと落ち着いた。

昨年12月に不正会計がクローズアップされて以降、証券関係者に日興上場の帰趨を問うとこんな言葉が返ってくることが多かった。真相を究明するために日興が設置した特別調査委員会の報告書でも、「一連の行為は意図を共有する関係者によって組織的に進められたものであると考える」と結論づけられていた。

それに対し、東証の判断は上場維持となった。米シティグループによるTOB(株式公開買い付け)が決まるなど、上場廃止への流れが強まっていたこともあって、今回の決定に違和感を覚えた市場関係者は少なくない。

上場維持の背景として東証が意識したのは株式市場の安定だ。西室社長は「厳しさは必要だが、市場に混乱があってもいけない」と言う。仮に日興を上場廃止にすれば、同様に不正会計が取りざたされている三洋電機の上場も危うくなるとの観測があった。日興、三洋を合わせて約35万人の株主がいる主力銘柄が相次いで上場廃止になれば、市場が揺らぐ恐れがないとは言えない。

同じ東証が2005年5月に上場廃止決定を下したのがカネボウです。当時のカネボウは、産業再生機構の下で再建がスタートして1年が経過していました。産業再生機構を社長として率いていた斉藤氏は、当然ながら上場維持を切望していました。

カネボウの上場廃止決定の舞台裏についても不思議なことに、これまた見てきたようなドキュメントがあります。 情報源は、『カネボウ上場廃止ドキュメント――東証「市場の信頼」選択』(日経金融新聞 2005年5月13日 1面)です。

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産業再生機構冨山和彦専務の歯に衣着せぬ発言と想定外の剰余金処理

2007年03月15日

2003年4月に発足した産業再生機構(IRJC)が、当初予定を1年前倒しして、明日15日に解散します。その解散を前に、再生案件を陣頭指揮したきた冨山和彦専務(COO)のインタビュー記事が、日経産業新聞に掲載されました。 情報源は、『市場規律から逃げるな、再生機構・冨山氏に聞く日本企業改革』(日経産業新聞 2007年3月14日 22面)です。

――日本企業の問題点はどこにあったのか。

「再生機構はまず不良債権を抱え傷んだ金融セクターの問題を、(債権買い取りという)外科手術で解決した。そうしないとフレッシュマネーという血液が循環しないからだ。だが、慢性的問題があった。(1)製造業中心(2)加工輸出型(3)右肩上がりの成長(4)連続的な技術革新――という4つの前提で構築された産業モデルの改革だ。このモデルは自動車や精密機器では効果的だが、不連続な技術革新パターンをたどる産業、例えばIT(情報技術)やバイオでは国際競争力を持てない」

――そのことは企業経営者もある程度認識していたのでは。

「認識はしていた。しかし変えられない。たとえて言えば、ずっと野球をやってきた人たちに、サッカーをやれと言っても切り替えられない。激しく動き、バックスでさえ時折シュートを放つサッカーを、守備範囲が固定した野球の方法で戦おうとする」

後述しますが、冨山氏は基本的なポジションは決まっているものの、ダイナミックに役割が変わるサッカーの例えが好きなようです。

――再生機構は支援先企業で、その体制をどう変えたのか。

「取締役以上の経営陣の選び方を根本的に変えた。年功序列にとらわれず、40~60代の幅広い人材の中から本当に最適な人を選ぶよう心掛けた。そうすることで、我慢していれば偉くなれるという意識を変えた」

――30代以下はなぜ対象外なのか。

「経営には人間に対する洞察力が必要。30代はやはり一般的に言って、経験に基づく洞察力という点で子供が多い。従業員、株主、取引先といった存在も最後は人間だ。六本木ヒルズ族と称されたネットベンチャー企業の悲劇は子供が経営したことだ。人間観が単純で、何でもカネで買えると思った」

20代の若者には起業はできても、色々なしがらみのある問題企業の再建は難しい、ということでしょう。しかし、機構が支援先の企業に送り込んだ幹部の中で、パフォーマンスが上がらずに途中交代したケースがあったことも、冨山氏は認めています。

再生機構の人材については、冨山氏は昨年の週刊AERAの中で、次のように語っています。情報源は、『産業再生機構の仕事人たち』(週刊AERA 2006年7月10日号 12ページ)です。

専務の冨山は、再生機構に「メジャーリーガー」を採用し、束ねてきた。自身、「筑駒東大」という「エリートの王道」を歩いてきた。しかし、こう言う。

「受験は、だれかが用意した答えに時間内にたどりつく力を競う。でも社会に出たら、答えはどこにも用意されていない」

チームリーダー役の「マネージングディレクター」は「昔からの友だち」に就任をお願いした。価値観を共有する人たちだ。

では、若い人材はどう選んだか。

冨山はまず「公のために働くスピリット」を挙げた。次が「ストレス耐性」。さらに、「専門分野の殻の中に閉じこもらないこと」だという。

「サッカーでも、DFが得点することもある。ピンチの時はFWも守る。セクショナリズムはだめ」

若きビジネスマンにアドバイスを求めると、こう答えが返ってきた。

「有名な会社でまじめな部下をしていても通用しない。自分の頭で考えていれば、決断する力が生まれる。残念ながら、これには、マニュアルはない」

冨山氏が言うように、事前に用意したマニュアルにない出来事が起こるのが世の常です。清算業務を残すだけになったはずの再生機構自体も、想定外の出来事に見舞われて頭を悩ましています。情報源は、『産業再生機構は想定外の儲け 利益400億円はどこへ』(週刊AERA 2007年3月19日号 83ページ)です。

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ゴールドマンの共同出資を加速させて日本型企業再生を目指すリヴァンプ

2006年06月09日

ユニクロ元幹部2人、玉塚元一氏と澤田貴司氏が設立した企業再生支援専門会社がリヴァンプです。そのリヴァンプの玉塚氏のロング・インタビューが4回にわたり日経ビジネスオンラインに掲載されました。1回目:「経営者」が枯渇する時代を予感2回目:いま、ユニクロ時代を振り返る3回目:リヴァンプは「突入型再生」を目指す4回目:カギは、変化を実感させることがそのタイトルです。

4回分を通読すると、リヴァンプが目指す「日本型」企業再生にかける玉塚氏の熱い思いが触れることができるはずですので、一読されることをお奨めします。今回は、ユニクロの社長であった玉塚氏がリヴァンプ設立に至った経緯を語る、3回目:リヴァンプは「突入型再生」を目指すの冒頭部分を引用します。

自分の限界だなと思ったのは、柳井さんはオーナーとして商売をつくり上げた人。僕は途中からやってきたサラリーマン。そこには圧倒的な違いがある。そこで次は自分もオーナーシップを持って、リスクを張って、経営に挑戦しようと決めたんです。

一方で澤田(貴司・現在リヴァンプの代表取締役・マネージングパートナー)さんは僕が本当に信頼している人です。彼がユニクロで苦労していたときに、僕はサポートしたし、僕もいろいろなことを教わった。彼がユニクロを辞めた後も、たまに会っては話をしていました。

それで僕は(退社)発表のちょっと前に澤田さんに電話して、「実は今回去ることになった」と。そしたら彼も、「俺も(ユニクロ退社後に設立した)ファンド(「キアコン」)という仕組みの限界を感じている。ファンドを持たない形で企業を元気にするスキームを考えている」という話になって。

そのコンセプトを実現する方法を色々と考えた結果、「いけるな」と思ったので、「一緒にやろう」と。僕と澤田さんが半分ずつ出して、資本金1億円でリヴァンプを作った。立ち上げてまだ7カ月ですが、ものすごくニーズがある。

この中で玉塚氏のパートナーである澤田氏が、当時社長を務めていたキアコンという投資ファンドの業務に限界を感じていたことが語られています。その事情を書いた以前の投稿 リヴァンプを創業した玉塚元一氏、澤田貴司氏の万年好青年振りには危うさもから再掲します。

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リヴァンプは企業再生会社というよりは役員派遣型コンサルティング会社

2006年03月08日

ファーストリテイリング元幹部の澤田貴司氏と玉塚元一氏が中心となって設立した企業再生会社がリヴァンプです。現在、同社はロッテリア、フージャース、トークツ、ネクストジャパンの再建支援を手がけていますが、今回新たにベンチャーの立ち上げ支援にも乗り出すことになりました。 情報源は、『企業再生のリヴァンプ、事業立ち上げも支援』(2006年3月8日 日本経済新聞 朝刊 12面)です。

第1弾として浄水器メーカーのOSGコーポレーションと共同出資で、ミネラルウオーターを事業所や家庭に宅配する新会社を月内に設立。経営幹部を派遣するほか販売促進などのノウハウを提供する。

新会社はウォーターネット(東京・千代田)。資本金3億円のうち半分強をOSGコーポ、残りをリヴァンプなどが出資する。全国のプロパン販売会社などとフランチャイズチェーン(FC)契約を締結。

FCを通じて専用給水装置を事業所や家庭に貸し出し、12リットル入りボトルに詰めた水を1,200円程度で販売する。OSGコーポが浄水器の製造で培った技術力を生かし、5年後に100万台の給水装置設置を目指す。

事業規模、ビジネスモデルの斬新さという点だけから判断すれば、ウォーターネットの新規事業は、決してニュースバリューがあるものではありません。リヴァンプが共同出資で支援に乗り出すというところが注目されて、日経新聞の記事になったのは明らかでしょう。日本型事業再生モデルを標榜するリヴァンプの動向に、マスコミが高い関心を寄せていることの証左と言えます。

この記事から得たもう一つの発見は、もはやリヴァンプを企業再生に特化した会社と見なすのは、誤りだということです。改めてリヴァンプ設立の経緯について考えみます。話は、ファーストリテイリング(FR)社長就任の要請を断って、同社を退社したの澤田貴司氏が、企業再生ファンドのキアコンを立ち上げた3年前に遡ります。情報源は、『企業再生最前線-企業再生を新たに担う 「ユニクロ」前社長、玉塚元一のプロ経営者への挑戦』(日経ビジネス 2006年3月6日 日経ビジネス 70~74ページ)です。

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カネがすべての産業再生機構のカネボウ・スポンサー選びと企業買収問題

2005年10月18日

産業再生機構によるカネボウのスポンサー選びが、今年末に行われる予定の第3次入札に向けて最終段階に入りました。第2次入札を終えても、花王がガチガチの本命と目されている状況は、この前の投稿時点と何ら変わりありません(できレースと噂される産業再生機構のカネボウ入札に参加する各社の思惑)。

変わったところと言えば、産業再生機構側の態度です。ここに来て再生機構は、「花王本命説」を打ち消すのにやっきになり始めています。機構にとっては、"The party is over" と思われてしまっては困る事情があるのです。 情報源は、『カネボウで焦る再生機構 売却先の選定、「価格で決める」に豹変』(2005年10月17日 日経ビジネス 14ページ)です。

パートナーの組み替えを促しては最後までレースが盛り上がるように画策し、花王本命説を否定しては他陣営に気を持たせる。これらの背後に浮かび上がるのは、競争を煽ることで売却額を少しでも引き上げようともがく再生機構の姿だ。これまでカネボウ2社には4000億円以上が注ぎ込まれた。

入札の目玉は化粧品の専門店ネットワーク。ここに興味を持つスポンサー候補の事業会社は、仏ロレアルの撤退で花王だけになった。ファンドがどういう価格をつけるかは読みにくい。スポンサーが最後まで本気で入札に挑むように仕向けなければ、売却額が予想を大幅に下回る可能性もある。

「(売却後に事業を切り離すかどうかなど)再生のやり方は関係ない。すべては金額。一番高い金額を入れたところがスポンサーに決まる」。再生機構の幹部はこう語る。ダイエーなどのスポンサー選定では、価格よりも事業が発展するビジネスモデルをどう描くかを重視してきた。価格だけでは決めないという「国の意地」があったが、今回はどうやら違う。

2次入札に参加した事業会社は、結局花王とコーセーの2社だけになりました。当初興味を示していたP&Gやロレアルが応札しなかったのは、再生機構側が外資は無理と考えているといった噂が流れたからです。また、資生堂が退いたのは、事業構造的にカネボウとのシナジーが期待できないという別の理由です。

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資本の論理を最優先する産業再生機構のスポンサー選定(九州産交)

2005年09月01日

産業再生機構の女性幹部として注目を集めているのが、マッキンゼー出身のマネージングディレクター秋池玲子(あきいけれいこ)氏です(産業再生機構で活躍しているのは東大卒の男性ばかりではない(秋池玲子氏))。その秋池氏が女性取締役として再建の陣頭指揮を執ってきた熊本市に本拠を置く九州産業交通(九州産交)の再生プランが最終局面を迎えています。

再生機構の支援企業の中では、ダイエーやカネボウといった大型再生案件が注目を浴びていますが、実はこの九州産交は2003年8月にスタートした機構の支援先の第一陣に選定された企業です。丸2年を費してきた再生企業のスポンサーの決定基準は、機構の再生モデルを象徴するものです。さらに年内に決定するカネボウのスポンサー企業の選定の行方を占うといった面でも、その重要性は無視できないものでしょう。 情報源は、『HISグループ、九州産交のTOB、全株取得で48億円――地元の倍以上』(2005年8月30日 日経産業新聞 18面)。

九州産業交通(熊本市)のスポンサー(支援企業)に決まったエイチ・アイ・エス(HIS)とエイチ・エス(HS)証券は、九州産交株式の公開買い付け(TOB)要領を発表した。買い付け価格は1株218円で、発行済みの全株(約2090万株)を買い付けた場合の取得金額は47億9500万円。産業再生機構の最終入札で地元連合が提示した金額(23億円)の2倍以上であることが分かった。

九州産交株の買い取り価格は再生機構と入札参加者の守秘義務契約で明らかになっていなかった。記者会見したHS証券の三嶋義明執行役員(投資企画本部長)は「価格は九州産交の事業・資産内容を精査した上での結論」と語った。

九州産交のスポンサー選定に関しては、再春館製薬を中心とした地元企業グループと全国規模で運営するHISグループとの間で、かなりの綱引きがありました。最終的にHISグループに決着した背景は、次のようなものです。 情報源は、『九州産交スポンサーHIS選定の波紋(上)地元、価格・実績及ばず』(2005年7月27日 日本経済新聞 地方経済面(九州) 14面)です。

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できレースと噂される産業再生機構のカネボウ入札に参加する各社の思惑

2005年07月29日

7月28日の日経新聞朝刊5面によれば、産業再生機構がカネボウとカネボウ化粧品のスポンサー企業を選ぶための一次入札を8月15日に実施することを決定したそうです。再生機構が再建に取り組んでいる案件の中では、カネボウはダイエーと並ぶ大型案件になります。一次入札への注目度も高いと想像するのが当然なのですが、関係者の間では全く盛り上がっていないようです。ありていに言えば、この入札は花王の勝ちが決まったできレースと見る向きが多いからです。 情報源は、「本命は花王」にシラける再生機構のカネボウ入札です。

再生機構は、カネボウ・カネボウ化粧品の経営権譲渡を巡る入札参加に対する回答を7月14日に締め切った。

資生堂、コーセー、仏ロレアルといった化粧品大手のほか、エステー化学やロッテ、中国最大の製薬会社日本法人、三九製薬が名乗りを上げた。このほか、複数の投資ファンドや花王、米 P&Gなど、合計10社以上が参加する意向を表明した模様だ。

しかし、入札に参加を検討した複数の企業から「既に花王が有力候補」という見方が聞こえる。花王は入札について「ノーコメント」とだけ語っている。入札に参加を表明した企業の間で広く花王本命説が飛び交う理由は、カネボウ・カネボウ化粧品の経営権の評価額にある。

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紆余曲折の末、ダイエー社長は当初からの最有力候補樋口泰行氏で決着

2005年04月15日

注目されていたダイエーの社長が、意外に早く決まりました。 情報源は、『ダイエー社長に日本HPの樋口氏――「脱・中内流」実行役に、仕入れ・物流刷新』(2005年4月15日 日本経済新聞 朝刊 3面)です。

ダイエーの社長選びは難航の末、当初の最有力候補だった日本ヒューレット・パッカード(HP)の樋口泰行社長(47)に落ちついた。樋口氏は仕入れから販売にいたる業務全般の改革を率い、仕入れ先などとの交渉に当たる。本部主導の大量一括仕入れで成長した「中内モデル」からの脱却を進める実行役だ。ビー・エム・ダブリュー東京前社長で会長となる林文子顧問(58)は売り場の士気向上を担う。二枚看板の足並みが問われる。

樋口氏は情報システムに強いうえ、経営コンサルタントの経験もあり、産業再生機構は「大きな組織の戦略を立案し、実行する能力がある」と期待する。林氏は販売のプロで、営業現場に強い。疲弊する売り場の活性化は林氏が受け持ち、全体の戦略構築は樋口氏が担当するとみられる。

スポンサーは当初、林氏一人を念頭に置いたが、再生機構が「巨大組織を切り盛りするには分業が必要」と異を唱えた。年齢も考慮、若い樋口氏でバランスを取った。

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