東大卒のエリート熟年起業家イー・エス・アイ京塚社長が転落した理由

2007年02月07日

一時はそのユニークなビジネスモデルから、日本の環境ベンチャーの雄とまで言われていた、イー・エス・アイの京塚光司社長が詐欺容疑で逮捕されました。情報源は、環境ベンチャー融資詐欺 イー・エス・アイ 東京地検が捜索です。

経営破綻(はたん)したリサイクル機器販売のベンチャー企業「イー・エス・アイ」(東京都品川区)が、架空の売り上げを担保に金融機関などから融資や約束手形で計4億4000万円をだまし取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部は5日、詐欺容疑で同社社長京塚光司容疑者(62)を逮捕し、同容疑者宅などの関係先を一斉に家宅捜索した。

京塚容疑者は大手損保会社や電気機器メーカーの幹部を歴任した後、2000年にイー・エス・アイを設立。生ごみを堆肥(たいひ)化して農家に売り、堆肥でつくった野菜をスーパーなどで売る「資源循環型リサイクル」を目指す事業展開を進めた。官界や財界に広く人脈を持っていたとされる。

この京塚社長は、日経BP社が主催する「第1回日本イノベーター大賞」で、優秀賞を受賞しています。そうした関係もあり当時の日経ビジネスでは、京塚氏がイー・エス・アイを起業するに至った経緯に関して、かなりの紙面が割かれています。情報源は、『日本イノベーター大賞』(日経ビジネス 2002年11月11日号 138~143ページ)です。

環境問題で最も頭の痛いテーマの1つに生ごみ処理の問題がある。この難題に新しいアプローチで挑んでいるのが、環境ベンチャーのイー・エス・アイ(東京都品川区)社長の京塚光司だ。玉石混交の環境ビジネスの中で、彼の発案したビジネスモデルは極めてユニークだ。

生ごみ処理機を作る会社、処理を請け負う会社は数多くあっても、生ごみ処理の問題解決は一向に進まない。そんな中、京塚が目指したのは、参加者全員が納得できるビジネスモデルを構築すること。ニーズも技術もあるのに市場が活性化しないのは、仕組みそのものに問題があると考えた。

同社では、スーパーなどから出る生ごみを回収、堆肥化させる仕組みを作った。さらに、作った肥料を農家に売って、農家が作った野菜を再びスーパーで売るといった完全な循環型モデルが特徴である。同社は各事業者に参加を呼びかけて、この循環型モデルに入ってもらう。イー・エス・アイの収入は、稼働した後の各事業者の取引量に応じた手数料。使ってもらうほど儲かる仕組みだ。

「設立当初に生ごみ処理機が売れていたら、こんな仕組みは考えていなかった」と京塚が言うように、2000年1月の設立当初、同社は他企業と同様に生ごみ処理機を販売する会社としてスタートした。

京塚氏は生粋の起業家というわけではありません。イー・エス・アイを創業したのも50代でした。

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ちょいモテオヤジがナビゲートするジャズタクシーは中年起業家の星

2006年07月11日

7月10日は新聞休刊日でした。平日の3日(月・水・金曜日)に発行される日経流通新聞MJの場合は、本来月曜日の分が日曜日に発行されることになります。休日の家庭で読まれることを想定したからでしょうか、7月9日発行の一面を飾ったものは、通常の日経流通の記事とは若干趣を異にしていました。それは、東京都内で個人タクシーを営む安西敏幸氏(64歳)に関するものです。

安西氏が運転する真空管アンプ(本人曰く「タクシーでは恐らく世界で1台」)とiPodを搭載するジャズタクシーは、もはや単なる移動手段ではなく、つかの間の贅沢が満喫できる大人の空間と呼べるものです。情報源は、『個人タクシー運転手安西敏幸氏――ジャズタクシー、優雅にクルーズ』(2006年7月9日 日経流通新聞MJ 1面)です。

夜7時に東京・丸の内を出発したタクシーの車内に、ルイ・アームストロングの歌声が響いた。「この素晴らしき世界」。安西が独自に企画するツアー「ジャズクルーズ」の始まりだ。真空管アンプが奏でる音はカーオーディオとは思えないほど分厚く、澄んでいる。

最初に下車するのは、安西が命名した「リトル・ニューヨーク」。月島に立ち並ぶマンションがマンハッタン、そのふもとを流れる隅田川はハドソン川だ。実はタクシー運転手らが休憩に使う場所だが、ジャズクルーズに組み込めばロマンチックな夜景に変わる。



ジャズクルーズの料金は約90分で1万2,000円ぐらい。定額制の観光タクシーではなく、あくまで通常のメーターでの営業だ。途中で曲当てクイズなどを織り交ぜながら24時間営業のパン屋で焼きたてパンを受け取り、レインボーブリッジを通過して、東京タワーや東京23区で一番高い愛宕山を訪れる。

東京在住の人ほど足が向かない場所だが、長年の経験から選び出したコースは好評だ。最近はほぼ毎晩のように予約が入り、断らざるを得ないケースも増えてきた。

「普通のタクシーはA地点からB地点へと移動するだけ。僕のお客さんにはジャズを聴くのが目当てという人もいる」。ドアを閉めれば、そこはもう異空間。タクシーという「移動手段」が、音楽と景色を楽しもうとする人にはこの上ない「ぜいたく」に変わる。

高校卒業後、自衛隊などを経て法人タクシーの運転手に落ち着いたのは、安西氏が30歳の時です。その後、全くの偶然から現在のジャズタクシーのアイデアが生まれます。

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バブルの様相を呈してきた大学発ベンチャーの裏事情

2005年11月14日

大学発のベンチャーがブームです。今や2日に1社の割合でベンチャーが生まれる時代です。例えば、現役大学生が Wiki ベースのASP企業をスタートしました。 情報源は、ネットビジネスに挑戦:和歌山大生がベンチャー起業です。

インターネット上でブームの兆しを見せているホームページ(HP)作成ソフト「wiki(ウィキ)」を利用し、和歌山大の学生らがネットビジネス会社「アットフリークス」を設立した。利用者にはソフトを無償貸与し、広告で収入を賄う方式。学生によるベンチャー起業は和歌山大で5社目で、社長の大野真和さん(23)=システム工学部4年生=は「どんどん新しいサービスをスタートさせたい」と話している。

大野さんは大学入学時から起業に興味があり、コンピューターに詳しかったことから、知人や先輩に相談しながらビジネスモデルを構築。04年度の、わかやま産業振興財団「イノベーションプランコンテストinきのくに」ビジネスプラン部門で最優秀賞を受賞し、賞金と大学OBらの出資で資本金を確保。9月21日に友人3人と有限会社を設立した。

@WIKI(アットウィキ)をページをみてみました。連絡先として大野真和氏の携帯電話番号が載っていて、「お問い合わせはなるべく、メールもしくは代表携帯へお願いいたします」との注意書きがあります。ここらへんには、学生ベンチャーらしいホノボノ感が伝わります。

アットフリークスが最優秀賞の賞金100万円を手にしたのは、イノベーションプランコンテストinきのくにです。このコンテストは、財団法人わかやま産業振興財団テクノ振興部の技術交流促進事業の一環として実施されたもので、和歌山県が税金を投入して営む事業です(わかやま県政ニュース)。

しかし、大学発ベンチャーがブームとなる中、安易に税金を投入する政策には疑問も投げかける声も聞かれ始めました。今週発売の日経ビジネスに、16ページにわたる特集記事『虚妄の大学発ベンチャー 民営化時代のタックスイーター』(2005年11月14日号 26~41ページ)が掲載されました。なお、あらかじめお断りしておきますが、ここで紹介した和歌山県の例が問題であると言っているわけではありません。ただの前振りネタです。

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海外を雄飛する伊藤正裕ヤッパ社長に使ってもらいたい「野望ポスター」

2005年10月21日

このところやや批判的な内容の投稿が続いたので、今回は「天晴れ」と感心した若手起業家の話を紹介します。2000年に、iモードを利用したCRMサービスの会社ヤッパを創業したのが、伊藤正裕氏(22歳)です。当時の伊藤氏は、若干17歳のインターナショナルスクールに通う学生でした。

その後独自の3D技術を持つイスラエルの企業を買収した伊藤氏は、自動車業界を中心にビジネスを拡大してきました。現在は、欧州、北米市場進出を狙って、自ら飛び回る日々を送っています。その伊藤氏が海外ビジネスでの自らの経験を語っています。情報源は、『ヤッパ社長伊藤正裕氏――海外と交渉、文化をつかめ』(2005年10月14日 日経産業新聞 26面)です。

――欧州での営業のポイントは。

「欧州は基本的に歴史や実績を大事にする。高級ブランドのように売らないといけない。鼻が高いような企業スタイルが必要。そのためフェラーリやマセラティなどの高級ブランドにまず焦点を絞り、実績を作った」

「顧客は企業の所在地や身だしなみ、食事の際の話題も気にする。ヤッパの欧州拠点はパリのオペラ座近くの一等地に構えた。英語の話し方やメールの書き方も上流階級の出身だと思わせるようにしないといけない」

「会ってくれるまでは泥臭い営業も必要。フェラーリも担当者が会ってくれるまで週3回は電話し嫌われる寸前だった。断るために会ってくれた時、こちらの商品を気に入ってくれた」

「郷に入れば郷に従え」の鉄則を、自らの経験から学習し、日々実践しているということでしょう。欧州企業と米国企業では、その攻略方法も変えています。

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★☆ギャル革命☆★の起業秘話はオジサンも感動できる要素十分

2005年05月25日

人気ブログランキングの起業・独立カテゴリで圧倒的な強さで首位を独走するのが、『★☆ギャル革命☆★』です。sifowの名前でブログを書いているのが、「シホ有限会社G-Revo」社長の藤田志穂嬢(20歳)です。彼女が起業家を志すに至った経緯とブログとの出逢いを紹介します。 情報源は、「Blogがすべてだった」――20歳ガングロ社長の“ギャル革命”です。

「ギャルだからってバカにすんなコラっ!。何かデッカイことをやって、ギャルもやればできるんだって証明してやる」――昨年10月。“ギャル革命”を思い立った。世の中の意識を、変えてやりたかった。

デッカイ仕事をしようにも、ギャルは就職すらままならない。「ギャルって、ちゃんと働けなさそうと思われる。見た目だけで判断されて面接落ちることもあるし」。それなら、自分が働ける場所を自分で作っちゃった方が早いんじゃないか――そう考えた。「ギャルが会社作って、それで夢を叶えて社会に認められたらスゴくねぇ? みたいな」。歌手になるのが夢の志穂さん。自分の会社でCDを出そうと思い立った。

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第一線の起業家の成功の秘訣がまとめて読めるドリームゲートブログ

2004年11月19日

このブログで以前紹介した起業・独立を目指す人々の支援サイト「ドリームゲート・プロジェクト」に関する続報です(楽天新球団の経営諮問委員フューチャーシステムの金丸恭文社長はこんな人)。今回は、起業支援のために独自のブログをスタートさせるという内容です。情報源は、『経産省の「ドリームゲート」、起業家100人の公開日記――若者との交流促す』(2004年11月19日 日経産業新聞 24面)です。なお、同プロジェクトは、経済産業省予算で設立された(財)ベンチャーエンタープライズセンターが運営しているものです。ドリームゲートは、世界平均に比べて新規開業率が低い日本の現状を打破することを目的に、各種セミナーの開催やメールマガジン等を通じて起業家を支援する活動を行っています。

経済産業省の起業家支援プロジェクト「ドリームゲート」は22日、100人以上のベンチャー企業経営者によるインターネットの公開日記「ドリームゲートブログ」を始める。ネット上で経営者と起業を志す若者との交流を促す狙い。東証マザーズ上場のネクストジャパンの長江芳実社長や、カフェグローブ・ドット・コム(東京・千代田)の矢野貴久子社長らが週一回程度、経営の苦労や成功の秘けつをネット上に書き込む。利用者も専用のネット掲示板に質問を寄せることができる。起業を支援する税理士や社会保険労務士らの日記も公開、ネットを介し起業に関する利用者の相談を受け付ける。

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シリコンバレーで活躍する若きビジネスマン像2題 (人生いろいろ)

2004年09月15日

シリコンバレーで活躍する日本人の若手ビジネスマンの姿を伝える記事を、2つ続けて読みました。1つ目は、CNET Japan の中の梅田望夫氏のコラム 世界中どこにいってもやっていけるたくましさ です。この記事は、梅田氏が主催したシリコンバレー視察旅行のプログラムの中で、自らの米国でのビジネス体験を発表してくれた若者に接した感想をまとめたものです。

第2回JTPAシリコンバレーツアーも無事完了。20名の参加者の皆さん(すべて20代。12名が学生、8名が社会人)にとって、得るものも大きかったことと思う。(中略)

中でも感動したのは、「アメリカに留学し、卒業後、同世代のアメリカ人たちや留学生たちと同じ条件で、いわばアメリカビジネス社会の下積みから、一歩一歩キャリアを構築する」という経験を約10年、20代から30代にかけて積んだ人たちの凄みであった。彼らが身体から発する何かとは、一言でいえば、「世界中どこにいっても、身一つ、体一つ、頭一つでやっていけるだろう、たくましさ、自信」である。

2つ目の記事は、今週の週刊東洋経済に掲載された『ルーター革命を狙う2人の日本人起業家 シリコンバレー最前線 ある30代ベンチャーの闘い』です。本文は、シリコンバレーの日本人ベンチャーキャピタリスト藤村道男氏の元に、2人の日本人青年が訪ねた時の回想から始まります。

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起業家予備校(リクルート社員は語る)

2004年06月07日

以前起業関連の記事で、2回連続してリクルートのことを取りあげました。

現役のリクルートの人間が、『起業家予備校』としての、同社の秘密を分析している本が見つかりましたので、参考までにご紹介しておきます。

雇われないで生きよう!雇われないで生きよう!
高城 幸司 (著)
自分らしく、やりたいことを実現するために「雇われないで生きる」精神で働いてみませんか? 『アントレ』元編集長が、「起業・独立」のためのさまざまなヒントを紹介する。

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続・起業家を輩出する企業風土(リクルートの場合)

2004年05月24日

今日発売された週刊ダイヤモンドにリクルートの記事が出たので、フォローします。

週刊ダイヤモンド0529週刊ダイヤモンド 2004年5月29日号 p.26-39
特集 会社の健康診断
「大企業32社の意外な病名」

リクルートに関する記述は、私が書いたのと同じような発想から出たものでしょう。本物の記者が書いているので、当然こちらの方が具体的な内容になっています。

リクルート 社外に出ても通用する能力を育成
リクルートは、社員のやる気を社内だけにとどめておくことはしない。むしろ、キャリアアップで独立することを奨励しているかのような企業風土がある。

独立後、業務委託契約を交わし、2年間の仕事と年収の2分の1を保証する支援制度や、38歳から定年を選択できる制度など、セカンドキャリアに関する手厚さはほかの企業とは比べものにならない。(中略)

リクルート出身者がさまざまな分野で活躍し、「人材輩出企業」と呼ばれるまでになった源泉は、こうした取り組みにあり、ひいては業績にも大きく貢献している。

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」---。創業時の社訓は、チャレンジ精神を育むDNAとして、社員に今も脈々と受け継がれている。

この記事にも、「主なリクルート出身者の転進先一覧」が載っています。皆考えることは大体同じです(笑)。前回私が書いたのと重複しない人のところだけ、追加します。

  • 江上節子   JR東日本フロンティアサービス研究所所長
  • 香山哲    セガ取締役
  • くらたまなぶ まなぶとあそぶ事務所代表
  • 坂本健    ぴあ常務
  • 長薗安浩   作家
  • 福田峰夫   角川書店社長
  • 藤原和博   杉並区和田中学校校長
  • 松永真理   バンダイ社外取締役

ここであげられているセガ取締役の香山氏は、東洋経済の記事によれば、セガを辞めることが確実視されています。セガとサミーの合併にまで進めたい意向を持つ、サミーの里見社長にとって、香山氏は新体制には不要な人材になるのでしょう。

週刊東洋経済0529週刊東洋経済 2004年5月29日号 p.18
セガ、サミーが経営統合
亀裂修復への熱意と算盤
一度は破断した相手が進んで「合併」を口に
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起業家を輩出する企業風土とは

2004年05月23日

昨日の投稿の続き。
ビジネスマンは、「再建」向きか、「起業」向きかのパターンで分かれるのではないという仮説をもった発端は、日経ビジネス5月24日号16ページのユニクロの前副社長の記事。

日経ビジネス0524日経ビジネス2004年5月24日号 p.16
時流超流 人スクランブル
「在庫の目利きで企業再生:100億円超を集めてユニクロの前副社長

カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの副社長当時、柳井正会長兼CEO(最高経営責任者)の社長就任要請を断って、独立という道を選んだ沢田貴司(46歳)。今春、沢田氏は流通業界で経営が行き詰った会社の再建支援という新たな活動を本格的に開始した。

沢田氏は2003年2月に再建支援コンサルティング会社、KIACON(キアコン、東京都渋谷区)を設立、同年夏には自らの出資やそのほかに海外の再生ファンドや機関投資家から約1億ドル(約110億円)を集めて投資ファンドを立ち上げた。

沢田氏は伊藤忠商事を経て、ファーストリテイリングに移籍した。大ブームとなったフリースを手がけるなど、同社の躍進を営業面から支えていた。当然、2002年5月末に退任した時には多くの起業から誘いがあった。「最初から再建支援ビジネスを考えていたわけではない」と明かす

最初にこの記事で疑問に思ったのは、なぜ沢田氏が社長就任を断ったかということ。(表には聞こえてこない複雑な社内事情があったのかもしれないが、その可能性はこの際無視して話を進める。)
就任を要請された当時のユニクロだって、多角化策として打ち出した海外事業や野菜販売の不振(本年3月に撤退決定)など、「再建」の必要な課題を結構かかえていて、社長になれば、腕を振るう場面は一杯あったはずだ。新しいビジネス分野として、企業再生分野を選ぶ前に、ユニクロでも、それに近い仕事はできたと思う。

就任を断った理由は、大企業になる前の段階からダイナミックに成長していくユニクロ時代を経験してきた沢田氏にとって、安定成長に近い段階に入ったユニクロの社長職は、もはや魅力的に映らなくなったからではないだろうか。彼の起業家マインドが、大企業の社長よりも、新しいビジネスの立ち上げという道を選らばせることになったのだと思う。

このように、かつての新興企業が大企業になると、キーパーソンが飛び出して、自分で新会社を起業することは、珍しい話ではない。若手起業家を輩出している有名どころとして、まずあがるのがリクルートだ。リクルートグループ出身者が新会社を立ち上げて、株式上場まで至ったものだけでも、相当な数に上る。

  • 安川 秀俊 ゴールドクレスト社長
  • 宇野 康秀 有線ブロードネットワークス社長
  • 鎌田 和彦 インテリジェンス社長
  • 飯岡 隆夫 ゼファー社長
  • 島津 英樹 データベース・コミュニケーションズ社長
  • 七村 守 セプテーニ社長
  • 白石 清 Jストリーム社長
  • 和納 勉 クイック社長
  • 伊藤 裕二 ディースリー・パブリッシャー社長
  • 広岡 哲也 フージャースコーポレーション社長
  • 嬉野 勝美 ディジットブレーン元社長

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起業か? 資格取得か? ビジネスマンの広がる選択肢

2004年05月17日

最近売れている「難関資格は働きながらとりなさい―社会人としての実務経験が役立ちます」を題材に、ビジネスマンのキャリアについて考えてみました。

筆者は、働きながら米国公認会計士試験、日本の司法試験に合格した実績をもつ。現在は独立して経済法務関係の法律事務所を営む。本書は、自分の経験をもとに、仕事と資格取得のための勉強を両立するために必要な時間管理法や、日常の実務経験を資格取得に生かす秘訣を述べた本。

少々長くなるが、筆者の主張を引用します。他人の考え方を勝手にまとめると、失敗することが多いので、ほぼそのままの形にしました。

サラリーマンの給料が上がらない(さらに悪ければ、給料が下がる)という昨今の世相を反映してでしょうか、「年収300万円時代」という言葉が流行し、サラリーマンが、そうした状況を克服するための方法として「週末起業」などと称する安易な起業や行き当たりばったりの転職を奨励する本が、巷には満ち溢れています。

日本を代表する大企業でさえ、利益を確保することに四苦八苦しているこの不況下で、サラリーマンが週末だけを利用して起業したとしても、まともに利益を上げることなどできるはずがありません。また、首尾よく転職先が見つかったとしても、せいぜい、つまらない仕事や気に入らない上司から一時的に逃れることができるという程度のことでしかありません。現状の給料や仕事の内容、上司が気に入らないからといった「後ろ向き」の転職では、自分のキャリアに傷をつけるだけです。

現状に不安や不満をお持ちの皆さんとしては、ここで一度、抜本的に今後のキャリア・デザインやライフ・プランを見直し、本気で自己変革と自己再生を考えてみてはいかがでしょうか。

本書では、会社などの組織に頼らず、ひとりで食っていけるプロフェッショナルのための資格、具体的には、弁護士、公認会計士、弁理士、税理士といった、最終的には独立・開業が可能な資格を「難関資格」と呼びます。
こうした難関資格は、一般的には、会社を辞め、二、三年かけて、じっくりと試験勉強に集中しなければ合格できないと考えられているようですが、これは、皆さんの固定観念が生み出した、なんの根拠もない誤解に過ぎません。私自身も、かつては皆さんと同様、不安と不満を抱え、毎日会社と自宅を往復しながら退屈なサラリーマン生活を送っておりましたが、一念発起することにより、働きながらの勉強で米国公認会計士試験と司法試験に、それぞれたった一回の受験で立て続けに合格することができたのです。

本書は、著者自身の体験、さらには、著者と同様、働きながら難関資格試験を短期間で合格した人たちを観察する中で抽出したノウハウを皆さんに披露することによって、難関資格試験は、働きながらの勉強で十分短期合格が可能であるどころか、むしろ働きながら勉強している人の方が有利なのだということを皆さんにわかっていただくために書かれた本です。

働いている皆さんの方が、難関資格試験の合格は有利であるだけでなく、資格取得後も、社会人経験を活かすことのできる皆さんの方が、そうした経験や知識を持ち合わせていない学生上がりの資格取得者よりも有利なのです。つまり現に働きながら経験を積んでいる皆さんこそ、難関資格を取得するべきなのです。

本書が、巷にあふれている「難関資格試験合格法」といった類の本と異なるのは、あくまで「働きながら」、つまり、一定の安定収入を確保したままで勉強し、資格を取得するのでなくては意味がないとしている点です。

本書が、安易な起業や行き当たりばったりの転職といった、一見、手っ取り早いけれども、実効性のない安直な方向転換ではなく、働きながらの勉強で難関資格試験に合格することによって、現状の不安や不満を打開し、会社などの組織に頼らなくても、ひとりで独立して生きていけるプロとして、豊かな生活を実現しようと本気で考えている方の一助になれば幸いです。

現在の自分の仕事で自己実現感が得られなかったり、将来のキャリアに不安を抱いた場合、一般的に考える選択肢としは、おおむね次のようなものがあるはずだ。

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副業は起業の前段階ではない:両者には大きな動機の違い

2004年05月13日

昨日「起業ブーム」について書いたら、早速コメントをいただきました。それも今年の2月に本当に起業した方から。正直ビックリしました。やはり、実態としても起業ブームは、確実に起こっているんですね。

今回は、Yomiuri Weekly の記事を紹介します。記事そのものは、副業の事例が数多く掲載されていますが、ここでは、引き続き数字に関係したところだけ取りあげます。

Yomiuri Weekly 0523Yomiuri Weekly 2004年5月23日号 p.12-19
夫も妻も週末副業時代:
年収300万円時代の切り札か

総務省の「就業構造基本調査」(2002年)によれば、仕事をもつ約6,501万人のうち、副業を持つ人は、約255万人(4%)。このうち、本業で年間250日以上働いている人で副業を持つ人は、69万人(1%)と、ぐっと減る。減少の理由は、前者には兼業農家の数字がかなり含まれているからだ。

年間250日以上を本業で働いている人をサラリーマンと解釈すると、およそ100人に1人の割合で「週末副業」が行われていることになる。本調査が実施されたのが、2002年であったので、現時点でのこの数字はもっと高くなるはずだ。しかし、どんなに多く考えても、1桁台の下のほうであることには違いないと思う。なお、便宜上ここでは、サラリーマンという言葉を使っているが、当然女性も含むことをあらかじめお断りしておく。

次に、この69万人の労働者の本業での収入を調べてみると、以下の分布になる。

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「起業ブーム」は本当か? 実態と意識の両面から分析

2004年05月13日

今週は、起業関連のネタが多かったので、まとめて紹介します。
最初は、実態面の変化
起業ブームの増加により、低落を続けた事業所の開業率が、上昇に転じるのではないかという内容。

出典は、5月10日の日経新聞朝刊15面「シニアと若者が起業――会社の“出生率”底を打つ?(シグナル発見)」。

減り続けてきた会社の“出生率”。日本の活力低下を象徴するデータだったが、増勢に転じそうだ。新しい会社を生むのは勤め先に見切りをつけた中高年と、独立志向の強い若者だ。
2003年度の国民生活金融公庫の開業向け融資件数は、31,541件。前年度比3%増で、3年連続して過去最高を記録した。
融資利用者のうち45歳以上が約4割。なかでも55歳以上が対象の「中高年起業家資金」は1,876件と、3年間で4.3倍に急増した。
2002年度に開業向け融資を利用した経営者の平均年齢は41歳。ここ10年で3歳近く上がった。中高年の起業家が多いのは「企業のリストラに遭った人や、しわ寄せを受けた管理職が新たなやりがいを求め始めた」(国民生活金融公庫総合研究所)ことなどが背景だ。
(中略)
資本金1円でも起業できる「最低資本金規制特例」での設立数は今年3月で1万社を突破。起業家輩出を促す国の政策も追い風だ。「昨年、新たに登記された株式・有限会社の数は前年比で1割増。足元で開業は確実に増えている」(経済産業省新規産業室)。


続いて、意識面の変化。現役サラリーマンを対象に実施した起業意識調査の記事。

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中高年の起業を考える

2004年03月04日

【メルマガ5号要約】

国民生活金融公庫総合研究所の「新規開業実態調査」によると、45歳以上で 起業した人の数は、93年に26%であったが、2003年は38%に増加している。

中高年は、の起業プランを自分の企業勤務時代に培った経験、技能から発想する傾向が強い。最近耳にすることの多くなった「情報企業家」に代表される、若手企業家の起業プロセスとは対照的な面も持つ。

□中高年型アプローチ
保有する技術、知識から発想するシーズ型 または、初めに商品、サービスありきの Prodcut Out 型

□若手型アプローチ
市場のニーズから発想するニーズ型 または、初めに顧客ありきの Market In 型

起業プランを考える際は、両方のアプローチの優れた点を取り入れる姿勢が大事となる。
企業家個々人の努力だけではなく、両方の優れた点をいかせる仕組みがあると、日本全体の起業率の底上げと、成功率のUPが図れるはずだ。

《情報源》