販売職は残業代が厳密に支払われ、ホワイトカラーは残業代なしの時代

2005年09月27日

マクドナルドの店長に残業代が支払われていない問題に関して以前投稿しました(おさまらないマクドナルド賃金不払い問題 今度は店長の残業代が槍玉に)。今回マクドナルドを訴えた東京管理職ユニオンは、一般労働者にすぎない店長にも、労働基準法に定めた残業代が支払われるべきだと要求しています。

これに対するマクドナルド側の反論は、店長は労働基準法で残業代の支払いの適用除外となっている「管理監督者」なので、支払い義務はないというものです。労基法上の店長の身分の解釈を巡る両者の言い分は、完全に平行線のままで、大きな進展も見られていません。情報源は、『賃金「正常化」途上の苦闘――店長は管理職か、残業代巡り論議』(2005年9月19日 日経流通新聞MJ 1面)です。

マクドナルド側は「ユニオンと交渉しているのは事実だが、中身については話せない」と言うが、「店長は管理監督者である」として要求を拒否しているもよう。店長は出退勤も自由なほか、報酬も手厚く、法律に準拠した立場と判断しているためだ。

労働基準法によると「管理監督者は経営者と一体的な立場にあり、労働時間などに関する規定の枠を超えて、活動する重要な職務を持つ」とされる。焦点は店長の仕事内容がこれに該当するかどうかに尽きる。

しかし、元々曖昧であった店長の身分を争点としたマクドナルド騒動は、氷山の一角と呼ぶのが適当でしょう。実際に賃金体系等の見直しに着手した企業も、決して少なくありません。

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ビジネスマンは45歳、ビジネスウーマンは35歳で、燃え尽きる

2004年08月04日

8月4日の日経新聞朝刊5面によれば、昨年1年間の雇用減少幅は、4年ぶりに改善したそうです。

厚生労働省が3日発表した2003年の雇用動向調査によると、昨年1年間の離職者数から就職者数を差し引いた雇用の減少幅(離職超過数)は57万人となり、前年に比べて28万人改善した。2002年までは3年連続で悪化、4年ぶりの改善となる。倒産やリストラといった不況型離職が一段落したことなどが背景。

企業業績の回復を受け、雇用状況にも改善の兆しが見られます。しかし、自殺者数の増加傾向には、歯止めがかりません。昨年1年間の自殺者数は、3万4427人で、昨年の交通事故死者数(7702人)の4.5倍にもなっています。過去最悪記録を更新して、3万人超は1998年以来6年連続となり、依然として危機的な状況が続いています。特に、働き盛りとされる、40~50歳代の自殺者数は、50歳代は8614人(前年比1.8%増)、40歳代は5419人(同12.6%増)と、いずれも昨年より増加しています。

40~50歳代の自殺動機のトップは、「経済・生活問題」です。しかし、それ以外にもこの年代特有の自殺の原因があるらしいのです。欧米諸国では、これを『ミッドライフクライシス』と呼んでいます。ライフサイクルの中でも、さまざまなストレスを原因に、自殺を引き起こし易い時期としてとらえる研究が進んでいます。今週発売された Yomiuri Weekly に、ミッドライフクライシスに関する詳しいレポートが掲載されました。以下に、記事の一部を抜粋します。

Yomiuri Weekly 20040815Yomiuri Weekly 2004年8月15日号 p.10-19
ミッドライフクライシス
女35歳、男45歳からの「心の危機」

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夫婦で年収1000万円を稼げば、勝ち組といえるのか

2004年08月03日

今週発売の「アエラ」に、『年収1000万円を夫婦で稼ぐ』という記事がありました。内容は、財テク、独立、副業などのさまざまなやり方で、世帯合計収入1000万円を目標に働く夫婦の様子を紹介したものです。その内容の一部を抜粋します。

アエラ20040809Weekly AERA 2004年8月9日号 p.16-21
年収1000万円夫婦で稼ぐ
家計に追い風
下がりっぱなしの家計収入に一筋の光が差してきた。
平均年収の1.5倍、「勝ち組」の大台に乗せる好機到来か。
税テク、独立、副業....2人で1000万円めざす夫婦いろいろ

  1. 株式投資 化学メーカーに勤務する夫に、1日に4回携帯メールで、証券会社からの情報を伝える妻。この夫婦は、今年の1月から7月までに、株で285万円の利益を上げている。
  2. 独立開業 リクルートを退職して、教育関係の出版・通販会社を立ち上げた夫の会社の仕事を、専業主婦であった妻が事務処理面で一手にサポートする。 この夫婦の場合は、サラリーマン時代は1000万円の収入があった。今年度は、年商1億2000万円の目標に対して、世帯年収は600万円に抑えて、残りを事業の投資にまわす計画。
  3. 副業 食品メーカーに勤める夫は、ネット通販と副業希望者に対するセミナーで、昨年は269万円の収入をえた。今年は6月末までに既に263万円を達成。将来独立する気はない。
  4. 趣味の会社設立 7月に会社を辞めた夫は、週末だけ営業する観賞魚の店を8月から開店予定で、利益は300万円を見込む。平日は妻と共同設立した会社からの派遣社員として、人材コンサルタントとして働く。3年前より人材コンサルタントとして独立している妻の収入と合わせると、世帯年収は1000万円を超える。
  5. 夫の可能性に妻が投資 1級建築士として開業した夫の収入は、独立4年後の今でも安定しない。初年度の売上はゼロ、2年目は500万円、3年目は900万円。今年は3000万円の見込みだが、会社員と違ってそのまま年収にはならない。家計の方は、もっぱら外資系企業に勤める妻が支える。

まさに「人生いろいろ、夫婦もいろいろ」ですが、独立開業するにはパートナーとして、配偶者の理解と協力が不可欠であることが分かります。その形態も、昔のような夫唱婦随という夫主導型ではなく、イコール・パートナー型に変わってきているようです。

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インディペンデント・コントラクターは新しい雇用形態として定着するか

2004年07月25日

『インディペンデント・コントラクターズ・フォーラム2004(略称:ICF2004)』の開催案内が来ました。最近耳にする機会も増えた、インディペンデント・コントラクターを対象に絞ったセミナーです。インディペンデント・コントラクター(IC)とは、日本語では「独立契約社員」と訳される、新しい雇用形態の1つです。普通の契約社員とどこが違うかというと、どこの会社にも雇われずに、個人事業主として企業と直接契約を結び仕事をするという点です。まあ、これまでフリーランスと呼ばれていた働き方だと考えてもらえばいいと思います。

インディペンデント・コントラクター独立コンサルタント・個人事業主・フリーランス・独立希望者のための『インディペンデント・コントラクターズ・フォーラム2004(略称:ICF2004)』
2004年8月27日~28日 @青山TEPIA
◎各種コンサル系企業、IT系企業、等による業務委託ジョブマッチングフェア
◎日本総研 理事 高橋進氏の基調講演、IBM 社内組織変革事例など7セミナー

もう少し専門的に言えば、インディペンデント・コントラクターの特徴としては、次のようなものになります。

  1. 期限付きで専門性の高い仕事を請け負う
  2. 複数の企業と契約する(様々な会社の名刺を持ち、使い分ける)
  3. 雇用契約ではなく、業務単位の請負契約を結ぶ

これらの条件を満たせない場合は、フリーランスという自由で独立した働き方とは、程遠い昔ながらの『下請け個人事業主』と同じことで、契約先企業との対等な関係を確立・維持することができません。1番目の特徴である、専門性の高い仕事に対する企業側の需要は増えていくことは間違いないでしょう。この背景には、今まで専門職の社員がおこなっていた業務を、なるべくアウトソース化することにより、変動費として柔軟に対応していきたいという、多くの企業に共通した傾向が見られるからです。

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日本の部長就任平均年齢は欧米のCEO就任平均年齢よりも高い

2004年07月11日

プロ野球選手会の古田会長が、オーナー陣との直接会談を求めたことに対して、巨人軍の渡辺オーナーが「無礼なことを言うなっ」と突っぱねたと報じられています(巨人渡辺オーナー暴言「たかが選手が」)。 一般人には、全く理解できない発言です。渡辺恒雄氏は、1926年生まれの78歳、古田敦也氏は、1965年生まれで今年39歳になります。両者の年齢差は、ちょうど2倍です。特異な言動で有名な渡辺氏の暴言を持って、一般化するつもりはありませんが、やはりその根底には、30歳代、40歳代はまだ洟垂れ小僧という、日本社会独特の感覚があるのでしょう。

この背景にあると思われる、わが国の企業におけるトップの年齢の高さを示す データが、7月9日の日経新聞(11面)に掲載されています。同紙によれば、日本のCEOの就任年齢は、平均58.4歳で、欧米の平均より10歳も高いことになります。これは、米国の戦略コンサルティング会社、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンが世界の大企業2500を対象に、2003年に就任したCEOの年齢を調査した結果に基づいています。 対象となった企業は、全世界の株式時価総額上位(2003年1月時点)で、日本企業はトヨタ自動車やソニーなど、356社が含まれています。

地域別に分類した結果は次の通りです。日本企業のCEO就任年齢が、他の地域に比べて、明らかに突出して高くなっています。

CEO就任時の平均年齢
  • 日本: 58.4
  • アジア太平洋地地域(日本を除く): 47.4
  • 北米: 49.1
  • 欧州: 50.0

果たして、日本企業への役職者への就任高さは、CEOに限られたものなのでしょうか? 今週発売になった「THE 21」の特集記事の中に興味深い記事を見つけました。

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成果主義の影響はマイナス:職場の士気低下やうつ病をもたらす場合も

2004年07月06日

日本企業の人事システムとして導入が進んでいる成果主義について、疑問の声があがっていることを、このブログでも紹介してきました。この度、現場のビジネスマンに対するアンケート調査の結果が、日経BP社より発表されました(成果主義によって職場の士気低下、うつにも)。その一部を紹介します。

78.7%が成果主義を導入済み
成果主義を「導入済み」であるのは78.7%にも上りました。成果主義がこの10年で急速に浸透したことがうかがえます。

「職場の士気低下」が「士気向上」を上回る
成果主義が職場の人間関係に与えた影響を伺ったところ、職場の士気が「向上」したと回答した方が21.8%だったのに対して、「低下」したと答えた方は36.7%。成果主義へのマイナス評価が、プラス評価を大きく上回りました。「低下」したの回答は、「特に影響はない」(35.2%)の回答も上回っています。
ちなみに年代別で見ると、60代以上に限って、「士気の向上」(48.4%)が「低下」(16.8%)を大幅に上回りました。経営者や役員の多いこの年齢層と、50代以下の現場世代との認識ギャップが明らかになりました。
また「パワーハラスメント(職場での上下関係を利用した嫌がらせ)の増加」を挙げた人は、全体の17.1%。この数字も、決して軽視はできない大きさではないでしょうか。

約4割が「自分または周囲にうつになった人がいる」
回答者本人、あるいは周囲に、成果主義が主な原因でうつになったとみられる人がいるかを聞きました。「自分」がなったと答えた方は12%、「自分以外(上司、同僚、部下、他部署の人、友人・知人など)」が29.6%。「いない」と答えた方は61.4%でした。
自由回答欄には、「暴言を受け、心の病いに苦しんでいます」「心労が重なり病気療養中」など、痛切な記述がありました。成果主義の導入が、働く人々の精神面に深刻な圧力を及ぼしている事態が浮き彫りになりました。

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ビジネスマンの自己実現法(人生いろいろ)

2004年06月24日

ビジネスマン(正しくはビジネスパーソン)の自己実現の選択肢も多様化してきました。組織内でキャリアアップを目指す人、転職でキャリアップを目指す人、本業以外に副業を持つ人(いわゆる週末起業家)、独立開業する人。
今回は、最新のビジネス書を通して、ユニークな実例を3つご紹介します。

【週末起業家の場合】
著者の松山真之助氏は、現役の航空会社の部長です。それにもかかわらず、毎日必ず1冊に本を読み、その書評をメルマガ(Webook of the day )として、1年365日休まずに発行しています。それ以外にも、ラジオ番組のパーソナリティや講演会、単行本の執筆と、本業と副業との両立を完璧にこなす、八面六臂の活躍です。

その秘訣は、早朝の時間の有効活用法にあります。郊外に住む著者にとって、片道2時間の通勤は、普通であれば非生産的な時間として、ハンディキャップと考えられるのではないでしょうか。ところが、早起して始発電車を愛用する著者は、電車の中を生産活動の場として徹底活用しています。まさに、逆転の発想の成功例と呼べるものです。

部長という要職にある著者の社外活動は、会社にも半ば公認されているようです。おそらく人柄もすばらしいと想像されます。書評メルマガを読んでいると、そこら辺が伝わってきます。中には、駄作と思える本もあると思うのですが、決して悪口を書くことはありません。何にでも良いところを探そうというポジティブ志向の人なのでしょう。

早朝起業―「朝5時から9時まで」の黄金時間を自分のために使う方法早朝起業―「朝5時から9時まで」の黄金時間を自分のために使う方法
松山 真之助 (著)
<出社前の4時間が、「夢」を「現実」に変える>
●早起きは年間で70日分もの「可処分時間」を生む●始発電車は「動く書斎」になる●成功するメールマガジンの立ち上げ方●「事業計画」に役立つ「SWOT分析」、「バランス・スコアカード」とは●会社という「インフラ」を、どう利用するか●「好きなこと」を「ビジネス」につなげた、時間活用の達人

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タイトル・マーケティング(タイトルもメディアに応じて使い分けよ)

2004年06月10日

本日の日経新聞に「虚妄の成果主義」の著者である、東京大学高橋伸夫教授の論説がのっていました。 以下に、その内容の一部を抜粋、要約します。

『日本型年功制を生かせ』日本経済新聞 2004年6月9日 27面

近年の社会学的実験でも、金銭を中心とする外的報酬は、仕事の動機づけとはならないことが明らかになっている。むしろ、金銭的な報酬が、仕事の喜びを奪う可能性すらある。
金銭的報酬がなくても、人間は内的な満足感を求めて仕事をするものである。金銭的報酬の要素が入ってくると、それが仕事と満足の間に割り込み、「仕事→金→満足」と、金のために仕事をするように変わってしまう。だから、金がなくなると、満足も得られなくなり、仕事をする気もなくなってしまう。

これが、成果主義が失敗する理由である。「成果を上げれば金をたくさん払うから、嫌な仕事でも文句を言わずに働け」では、人は懸命には働かない。仕事自体にやりがいや面白さを見出せるようなシステムを作らなければ、人は働かない。

「日本型年功制」は、本質的に給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムだった。給料は、後顧の憂いを取り除き、安心して働くために、動機づけとは切り離して、生活費を保障するという観点から、年齢別生活費保障給型賃金カーブがベース・ライン(平均値)として設計されてきた。
この両輪が日本の企業の成長を支えてきたのである。それは、従業員が日々の生活の不安におびえることなく仕事に没頭し、仕事の内容そのものによって動機づけられるという内発的動機づけの理論からすると最も自然なモデルでもあった。

そもそも、先達が築きあげてきた日本型の人事システムを年功序列だと思い込むこと自体、企業人としての常識を疑う。
明らかに年功序列ではない。仕事の報酬は次の仕事なので、まずは仕事、次いで賃金などの処遇に差のつくシステムだったのである。賃金カーブはあくまでも平均値であり、年齢が進むにつれて大きな差がついた。

成果主義を導入する人は、今のままではいけないと口にする。しかし同時に、結果的には日本型年功制の運用改善に落ち着く可能性が大だとも口にする。そこまでわかっているなら、寄り道せずに、まっすぐにそこを目指すのが、従業員の生活を預かる人間のするべきことであろう。日本型年功制の運用改善こそベスト。どうかそのことに早く気がついてほしい。

筆者の結論は、記事の最後にある、『日本型年功制の運用改善こそベスト』です。長々と引用したくせに、今回は成果主義の問題そのもについては、触れないことにします。私は、成果主義と密接に関係している目標管理制度(MBO:Management By Objective)の運用こそが問題だと考えています。この点は、また改めて書くことにします。

私が注目したのは、この記事のタイトル『日本型年功制を生かせ』です。記事の中で展開する主張は、著書の『虚妄の成果主義』そのものです。それでは、ほぼ同じ論旨であるのにもかかわらず、なぜ2つのタイトルは異なるものとなっているのでしょうか。なぜ新聞記事の方には、『虚妄の成果主義』という言葉を使わないのでしょうか。それは、筆者が、書籍と経済新聞という媒体の特性を配慮して、巧みにタイトルを使い分けているからだと思います。

『虚妄の成果主義』というタイトルは、センセーショナルとは言わないまでも、論議の種を巻くには十分なインパクトがあります。「虚妄」とは、嘘、偽りのことですから。これまで異論が唱えられることの少なかった成果主義を、真っ向否定するという姿勢が伝わる強烈なタイトルです。実際に、筆者の狙いは成功して、相当数の書評が取り上げました。また、今週発売の週刊ダイヤモンドでも、14ページにわたり「明るい成果主義」の特集が組まれています。 書籍のタイトルを『虚妄の成果主義』としたことは、マーケティング的には大正解といえます。

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再生関連企業の新任社長(同じ東大卒でも、中身は色々)

2004年05月22日

先週末で、ようやく上場企業の決算発表も峠を越えたようだ。各社の業績予想とは別に気になるのが、役員人事。私見では、それほど大きな動きはなかったようだ。むしろ、私が注目したのは、最近世間を騒がせている、問題企業のトップ交代の方だ。

最初は、経営再建中のカネボウの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した、余語邦彦氏。朝日新聞の略歴では、東大、官僚、外資系コンサル、光通信再建、産業再生機構と、絵に描いたようなエリート像がうかがわれる。

余語氏は東大院機械系工学科を修了し、科学技術庁(現文部科学省)勤務後、経営コンサルタント会社社長などを歴任。00年には経営再建中の光通信に移り、副社長としてリストラを断行して再建を軌道に乗せた。再生機構の執行役員には昨年8月に就任した。

しかし、余語氏の光通信時代の経歴について語る別の記事 カネボウ化粧品CEO 余語邦彦氏の報じられない「過去」を読むと、見方は一変する。クリーンなイメージだけのパワー・エリートといった人物ではないようだ。

「余語氏の経営再建手法は単純明快だ。ネットバブルの崩壊で経営が悪化した光通信に入った時には、まず、インターネット関連から撤退。次にベンチャーキャピタルが投資していたネットベンチャー企業の未公開株を投げ売りして、現金を得た。その結果、2300億円あった有利子負債を2年間で900億円に圧縮した。赤字部門を切り捨て、売れるものはすべて売るという、実にシンプルな手法です」と、当時の関係者はこう分析する。

アングラ人脈の間では「重田社長の先兵としてネットベンチャー、クレイフィッシュ(以下クレイ社)に乗り込み、会社乗っ取りを仕掛けた張本人」として広く知られている。(中略)
あるベンチャー起業家は「資産の売却にかけてはすご腕だが、再生という根気のいる仕事はどうかな(向いていない)」と疑問符を付ける。余語氏の仕事がカネボウ化粧品の売却先を探すこと、それも、いかに高くカネボウというブランドを売るかの駆け引きに専念することだとするなら「再生」の二文字が泣く。

余語新社長の評判は単なる「解体屋」として終わるのか、それとも本当の意味での「再建家」として名声を勝ち取ることができるのか、今回のカネボウでの実績で真価が問われることは間違いない。

一方、今回余語氏を送り出すことになった、産業再生機構の富山和彦専務の経歴の方も負けず劣らず華々しい。 朝日新聞「人間力」こそニッポンの勝ちパターン」

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夫が早期退職を口にした(ターゲット読者は誰?)

2004年05月16日

早期退職の希望を口にした夫を、妻としていかにして食い止めるかという内容の記事が、日経新聞10面「家族会議」にのっていた。リード部分は、こうなる。

「早期退職をして第二の人生の準備をしたい」。定年をあと数年に控えた夫がぽろりと漏らした。妻にとってはまさに寝耳に水。予定外の夫の発言に、気が気ではない。夫婦の人生の第二幕をめぐる攻防戦が始まった。
「早めに退職して二人でのんびりするか」。会社員の夫(53)が突然つぶやいた。会社で何かあったのか、疲れた様子。しかし妻にとっては聞き捨てならないせりふだ。
京都大学大学院経済学研究科教授で家族関係などにも詳しい日置弘一郎さんは「夫の収入がなくなることに対する妻の不安は大きい」と話す。 シニアルネサンス財団(東京・千代田)事務局長の河合和さんは「夫が家にいること自体も精神的な苦痛」と妻の心情を読み解く。
いずれにしても夫に家にいられては困ると感じる妻は多い。なんとか夫を会社に送り出す手立てを探ってみよう。

妻が講じるべき具体的な方法が、これに続く。

  1. なだめすかす
    情に訴えつつ、時間を稼いで、夫にその気がなくなるのを待つ。
  2. 家計簿で攻める
    いま退職されると、金銭的に立ち行かなくなることを論理的に説明する。
  3. 人生の長さを説く
    人生80年と考えれば、60歳で辞めても、自由な時間は十分にあると説得する。
  4. 家事分担を強いる
    会社を辞めたら、家事や身の回りのことは夫も自分でやってもらうことになると、半ばおどす。

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成果主義は虚妄か?「UP or OUT」

2004年05月08日

企業の人事処遇制度改革の柱であった成果主義を見直す動きが出できた。

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ: 高橋 伸夫 (著)
揺れるトップ、悩める人事、落ち込む一般社員におくる、学問的立場から初の「成果主義」粉砕の書。経営学・経営組織論を専門とする東大教授が、企業現場でのエピソードもまじえつつ、「成果主義」の無惨で愚かしい正体を解き明かす。

成果主義見直しの動きの背景には、企業業績の回復があることは間違いない。 今回の業績回復は、雇用の増加を伴わない、いわゆる Jobless Recovery の側面が大きいので、社員の閉塞感の方はいっこうに改善しない。リストラで職を失わずにすんだ社員の疲弊感が、むしろ強まる傾向にある。

過半数の企業で 「質、量ともに負担が増大」 【Intelligence】

5年前と比べて若手社員の「仕事量が増えた」「仕事の範囲が拡がった」「仕事の内容が高度化した」と答えた企業がいずれも過半数に上った。これらは昨今のリストラの進展によって社員数を押さえ込む一方、企業として収益をあげるための仕事の全体量が変わらない中、必然的に生じたことといえる。(中略 )

このような状況下、若手社員の会社への帰属意識は低下傾向にあるようだ。5年前と比べて「やや低下した」「低くなった」とする企業がやはり半数近くあり、一方で「高まった」とする企業はごくわずかしかない。

そのため企業の側では、処遇制度の見直しや、モラール(士気)の維持・向上、キャリアプランの明確化を今後の課題として考えているという。社員が企業を見る目も厳しくなっているのだ。
このような企業と社員の緊張関係は、終身雇用制度と手厚い福利厚生といった「御恩と奉公」のようなかつての会社組織を知る人には信じられないかもしれない。

果たして、これから日本企業では、脱・成果主義の方向に軌道修正が起こるのか。

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